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私が私でよかった

夕食の買い物に出かけ、明日の朝に食べるパンを買って店を出た後、ふと浮かんだ言葉があった。

「もう私は嘘をつかなくていいんだ」

私はどちらかというと正直な方だとは思う。だけど小さな嘘をたくさんついてきた。人に対して嘘をつくというより、自分に対する嘘。

最近、こんなことがあった。イベントの主催者と気になることが噛み合わない。私は気になることは細かなことでも確認して安心材料を増やしたいタイプ。推測して「たぶんこうだろう」と思うことも気になると念の為に確認する。私にとって安心して確認や相談ができることはとても重要。でも、その感覚が合わずに「何も分かってない」「ズレてる」とイライラされることがある。今までもたくさんあった。私が大切にしたい、大切だと思うポイントと、人が当然だと思うポイントが違うことは。その際、だいたい私はバカにされるというか、「空気が読めない奴」「何も分かってない奴」「失礼な人」みたいに思われることが多かった。自分なりの理由を伝えても、相手は自分の正しさを主張して、私が間違ってると言う。

そんなことが多かったから、自分の考えがあるけど人には理解されにくいし、人と比べて劣る人間なんだろうなと思い、バカにされたり相手が自分の正しさばかりをぶつけてきても、ものすごく嫌だけどそうなんだろうなと自分の意見を引っ込めたり、卑屈に笑って誤魔化そうとしていた。でもコレは、あくまで誤魔化そうとしているだけで、納得なんてひとつもしてないし何なら不快に感じてることの方が多かった。本当はそうなのに、「大人げないし」とか「相手には相手の立場や想いがあるのだから」と仕方ないと思い込もうとしていた。本当は嫌な癖に。

そうしていくとね、めちゃくちゃ溜まるんですよ怒りや不満が。最初は「ちょっと嫌だなぁ」くらいだったものが、我慢していると「無理!」という強固なものになる。そんなことをずっと繰り返してきた気がする。何でこういうことが多いんだろうと思った時、相手や誰かが悪いんじゃなくて、私が私に嘘をついているからだと分かった。

「相手にも理由があるんだから」「よくわからないけど、その人の思いがあって、その人のやり方や拘りなんだろうから」と思って自分が感じていることを引っ込めて相手の意思を尊重する。相手は気分いいかもしれない。でも私は? 私の気持ちは誰が大切にしてくれるの? 誰が自分の思いを引っ込めて相手を尊重した優しさを理解してくれるの? そんなの私しかいないんだ。

私の気持ちや感情は自分が尊重していないと誰も尊重してくれない。自分が自分の思いを大切にしていないのに、外に向かって「私を大切にしてほしい」と言うのはズレている。人の機嫌をとって自分の機嫌をとれないなんて変だ。もしかしたら私のそのズレが、人から見て「ズレた人」になっていたのかも知れないな。

今、少しずつ、同じような場面に直面しても、しっかりと自分の意見を言うようにしてる。自分の正しさを主張する訳ではなく、「私はこれを大事にしたい」「どちらかが悪い訳ではないけど、あなたは私は感性や拘りが違って合わないと思うので距離をとりたい」といった感じで。

違うだけで誰も悪くなんてない。違うことでお互いストレスを感じるなら適度な距離を取ればいい。正しさを盾にして従わせたい人には従わない。嫌なことはしない。私は私をただ尊重する。そういうことがやっとできるようになってきた。それで人が離れていくかも知れないけど、それでいい。自分の気持ちや感情を尊重できることが嬉しいし心地いい。

「もっと若い頃からそんな風にできたら…」とも思うけど、私には私の気づくタイミングがあったんだろうな。そのおかげか、私は今の私が1番好きだ。歳をとっても太っても私が好き。

私が私でよかった。そう思う。

木村ゆんさんが描いてくれた私

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