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シマエナガ、キョンシーになる。

私には4人の子どもがいて、40歳で産んだ末っ子は初めての女の子。
現在小学一年生。
クラスでは一番背が低い。
お姉さんのように大きな同級生からは「赤ちゃんみたい」と愛でられ、
喜んでいる。
大学生、高校生、中学生の大きなお兄さん3人に囲まれている娘。
我が家ではいつも、小鳥さんとか、ひな鳥とか呼ばれている。
そんな小さな娘を、娘が大好きな「シマエナガ」にたとえて、娘との小さな日常生活を綴っています。

私が台所で皿洗いしていると、シマエナガが、額に白くて細長い紙を貼って、両腕をあげて、
「ねえ、みてみて、これなんだと思う?」
と話しかけてきた。

「え?なにこれキョンシー?!」
そういうと、
「そうそう、あーやっぱりすぐわかったね。」
とニコニコしながらシマエナガ。

「いや、むしろよくキョンシー知ってるね。何かでみたの?」
「うん、前にね、パパが、ほらこれ、学校の黄色い帽子をこうやってかぶってたら、キョンシーみたいって言ってて、動画も見せてくれたの」
そう言って、小学校の通学時に一年生がかぶる帽子を持ってきて、
そのツバを外側に折り曲げてかぶってみせる。
「ああ、確かにね。そうやってかぶると、キョンシーに似てる」

ツバを外側に向けた黄色い帽子と紙で作ったお札を額に貼って、
玄関先の大きな鏡の前までキョンシーごっこをしている。

「ねえねえ、キョンシーのお札ってなんて書いてあるの?」
「うーん。キョンシーって中国の映画だからなんか漢字で書いてあるんじゃない?」

皿洗いで手が濡れているので、ちょうど下に降りてきたシマエナガのお兄さんに、
「ねえ、キョンシーのお札見せてあげて」とお願いする。
シマエナガはお兄さんに見せてもらうが、
「ねー、ママこれなんて書いてあるの?」とお兄さんのスマホを見せてくる。
「あー、そうそう、これこれ。えー、なんて書いてあるかわかんないなあ。」

スマホの画像を大きくして渡してあげると、
白い紙を黄色く塗り始めた。
しばらくすると、
「ねえ、みてみて!これであってる?!」
黄色く塗った紙の上に、赤い色えんぴつで何やら漢字と下の方は波線のようなものが描かれている。

画像のお札と照らし合わせると、そっくりに描けていた。
「おーすごい、よく描けたね!そっくりだよ」
と私が言うと、
うれしそうに、
「ねえ、これ貼って!」と。
黄色い帽子と黄色く塗ってキョンシーのお札そっくりの文字を書いた紙を額に貼って、うれしそうにポーズを決める。
写真撮っておこう。
と私はシマエナガの前身と顔のアップと、
お札だけのアップの写真をスマホで撮った。

寝る時間になると、
これ取っておいてね、
と自分の机の壁に貼っていた。
ほんとにお札っぽくなったな、と私は思った。

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