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元旦那がアムウェイにハマってた時の話

アムウェイが6ヶ月の業務停止処分になりましたね。

私の体験をお話したいと思います。
少し長くなりますが、良かったらお付き合い下さい。



かれこれ21年前の話。
娘がまだ私のお腹にいた時、4人兄弟の末っ子の元旦那は義兄に誘われて、アムウェイにハマって借金まみれになった。

最初は

「契約するけど名前貸すだけ。商品は買わないし勧めない」

と言っていたのに、どういう訳だかいつの間にか

「人に勧めるなら、全商品知らなきゃ買わなきゃ」

となり、借金まみれになっていったのだ。

私も1回だけグループのリーダー(義兄の彼女の母)のお宅に行って、アムウェイ鍋を使った料理を振る舞われた事がある。

だが私には全く刺さらなかった。
料理は確かに美味しかった気がするし、流暢なプレゼンには圧倒されたけど、正直

アムウェイだけが良い商品作ってる

みたいな勧め方にカルト宗教じみたものを感じ、違和感と拒絶反応。

当時20代前半だった私は、世間知らずでネズミ講、マルチ商法という言葉をあまり知らなかったのだが、ヤバそうだと直感が働いた。

それとは反対に元旦那はどんどんのめり込み、週に最低1回、多いと数回のミーティングが夜から夜中に行なわれ、私と2歳の息子を置きざりにし欠かさず参加していた。

この間、元旦那と数え切れないほど喧嘩をした。だが、聞く耳は持ってくれなかった。
マタニティブルーと借金の不安を抱えたまま、私は諦めるしかないと思った頃、事件は起きた。

切迫流産になってしまった。

元旦那が仕事に行っていた昼間に出血してしまい、若干パニックになりながらも、会うと必ず息子を可愛がってくれていた近所の方に助けを求め、息子を預かってもらいタクシーで病院に向かった。

「1週間は絶対安静。本当はすぐ入院してもらいたいけど、家で安静に出来るなら自宅療養でも」

と言われ、点滴を受けた後に息子の事もあるので一旦家に帰った。
いつもより早めに帰宅した元旦那と相談し、渋々私の親に頼るしかない。と言うことになった。
元旦那の親はフルタイムで仕事していたので頼れず、借金まみれの元旦那の仕事を休ませると言う選択肢は無い。(当時の元旦那の仕事は内装業で社員だが、日雇い的な給料体制だったので休むとその分給料が減る)

私の実家には本当は預けたくなかった。本当に。
理由はこちらの記事で。

背に腹はかえられず、実家に連絡し元旦那に息子を連れて行ってもらった。
息子は訳が分からず、よく知らない家に預けられた為、実家に行ってからご飯を食べなくなった。食べられるものは牛乳とバニラアイスのみ。実家からその連絡を受けた時は

「急に離されてショックだったんだろうな…もう少しちゃんと説明してあげれば良かったな…バタバタしすぎてしまったな…」

と思い、とても反省した。
実家に対しては特に批難したりはしなかったし、全くそんな思いは無かったのだが、母親が勝手に被害妄想になり、本当は1週間預かってもらうつもりだったのに、3日くらいで

「もう無理だから、引き取ってもらえる?」

と言ってきた。一応、初孫なのだが。

「あぁ…やっぱりこの人は自分の事しか考えられないんだな。娘がピンチで助けを求めてるのに、何か本当に器が小さい人間だな。父母揃って…」

と、かなりガッカリしたし、とても悲しかった。

その時私は、こども達がピンチな時は金銭的にも、精神的にも助けられる親になろう!!と心に誓った。

絶対安静の私は退院するまで数日あり、その間の息子の育児は元旦那が仕事を休んだり、義理母に自宅に来てもらい、なんとか退院日を迎えた。

私の容態は安定したものの、病院から「なるべく安静に」と言われている状態。
にもかかわらず、元旦那は私が退院してスグにアムウェイのミーティングに行ってしまったのだ。

いい加減、私もブチ切れて電話をした。

「リーダーに今の状況ちゃんと説明したの?」
「したけど、ミーティングは毎回出なきゃダメなんだよ!!」
「そんな事言ってる場合じゃないよね?また流産しかけたらどうすんの?説得出来ないならリーダーに代わってくれる?あたしが直接言うわ」
「いや、でも〜」
「代わって」
電話を代わろうとしない元旦那に何度も「代わって」と言った後、ようやく渋々代わったが、リーダーの彼女から発せられた言葉が信じられないものだった。

「あの、旦那から話聞いてますよね?切迫流産で安静にしていないといけないんです。息子も居ますし、ミーティングに参加するのは控えさせて下さい」
「私も娘がお腹に居た時、切迫流産になったことあるから分かるけどミーティングに参加する、しないは夫婦の問題でしょう?こちらには関係無いので、夫婦でよく話し合ってくれる?」
「いや、あたしが言っても聞かないから、あなたがミーティングに参加しなくていいって説得してくれればいい話なんですよ?」
「うーんでも、やっぱり夫婦の問題だから私からは言えないわ〜」

あまりにも冷たい対応に私は涙が溢れ出し、泣きながら訴えたが、全く聞いてもらえない。
本当に娘2人育てた母親なのだろうか?信じられい。ここでも自分の事しか考えない人間に出会ってしまった。

結局、話は平行線のままで時間の無駄だったので、「また出血したら、お前のせいだ!!」と思いながら電話を切った。

私が退院した後、実家から息子の様子はどうだ?と連絡が来た。
相変わらず、食べられるものは牛乳とバニラアイスのみだと伝えると、病院へ連れて行って検査してもらえ。と言ってきた。
預かってた時は途中で放棄したくせに何を偉そうに言っているんだ?とも思ったが、私も心配だったので小児科に連れて行った。

連れて行った小児科の対応もまた酷かった。
医者に経緯を説明すると
「牛乳とバニラアイスだけしか食べないなんて、有り得ない。今まで診たことない」と。

診察では一応、体は健康で問題は無かった。

医者は首を傾げながら、「牛乳とバニラアイスだけなんて本当か?」を何度も言ってきたので、
「こちらで分からないのでしたら、どこか大きな病院を紹介して下さい。多分精神的なものなので、こどものカウンセリングとかできる所を紹介して下さい」
と言い、県内でおそらく1番大きなこども病院の紹介状を書いてもらった。

紹介状を書いてもらってから確か1週間後くらいに予約が取れ、連れて行けた。
実家には一応、もっと大きな病院に行く事を伝えると、母親も当日ついて行くと言い出した。
「別について来なくていい」と伝えても、頑なに「ついていく」と言い張り、当日は病院で会う事になった。

病院で会った母親は表面上は心配している感じだったが、私の心は素直に喜べない。
自分のせいじゃないと確信したいがためについて来た。というのが透けて見えてしまっていたからだ。

順番になり、私と息子が診察室に入った。
担当医に経緯を一通り話し、息子の診察。牛乳とバニラアイス生活になってから2週間は経っていたが、やはり体は健康で問題無い。

「お母さんが言うように、きっとビックリしちゃったのかもしれないですね。体は問題ないですし、食べられるものだけ食べて、様子をみましょう。心配でしょうけど、お母さんもあまり気にしないで大丈夫ですよ。体が痩せてきたり、異常が出たらまた来てください」

担当医にはこんな感じで言われたと思う。
母親にそのまま伝えたら、安堵の表情だった。
「何かあったら連絡しなさいよ」の声掛けもされないまま、別れた。
「あぁ、もう何かあっても実家に頼るのは絶対にやめよう。これ以上傷付けられるのは御免だ。縁を切ろう」
と決心したのはこの時だった。

妊娠後期にも切迫早産になり、1週間入院したのだが、この時は迷わず元旦那に休んでもらい、実家には一切連絡せずに過ごした。

息子の牛乳とバニラアイス生活が1ヶ月ほど続いたある日、元旦那がアムウェイ鍋を使ってチーズケーキを作ってくれて、息子にも出したら食べたのだ。
その日を境に息子は以前のように普通にご飯を食べるようになった。

皮肉にもアムウェイで起きた事件がアムウェイで解決するとは。笑

元旦那は大喜びしていた。
アムウェイの勧誘するのに、この話をすると言っていた。実際したかどうかは知らんが。

膨大な借金は義理母と元旦那と3人で話し合った結果、義理母が肩代わりしてくれる事になった。(切迫流産、切迫早産の入院費も出してくれていた)

その話し合いで元旦那はアムウェイは辞める。と言っていたのに、その後「これで最後!!」とまたやり始めた。
"呆れてものも言えない"というのはこの事だなと実感しながら、もう好きにすれば?と投げやりな言葉を掛けた気がする。

切迫早産の後、予定日1ヶ月くらい前に今度は逆子になり、逆子体操を毎日した。逆子は無事治り、いよいよ予定日



全然生まれてくる気配がない。あんだけ外に出たがっていたというのに。笑

予定日が友人の誕生日に近かったため、「もしかしたら同じ誕生日になるかもね?」なんて話していたのだが、本当に同じになりそう!?となりドキドキしていたら、1日過ぎて無事生まれてきてくれた。

娘が生まれた後は、2人の育児でバタバタしていたら、いつの間にか元旦那のアムウェイ熱が冷めていた。

ちなみにこちらの記事でキッチンの下収納を占領していた鍋たちは全部処分した。と書いたのだが、実はアムウェイ鍋の事だった。

確か鍋セット30万くらいしたと思う。
クッソ重たい鍋で扱いにくかったが、取っ手がガタガタになっても20年ほど使ってやったから、元は取れただろうか?笑

私にとってアムウェイは当時は本当に嫌な思いしかしていないが、やはり20年も経つと笑い話になるし、ただでさえ妊娠出産は思い出深いのに、さらに強烈な思い出となっている。













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