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春ドラマ ”記憶がない”対決!?アンメットvsくるりvs9ボーダー

春ドラマどうした!?記憶がない人多くないか?
とは言っても、記憶のなさの塩梅はそれぞれ違う。

”アンメット〜ある脳外科医の日記”
”くるり〜誰が私と恋をした〜”
”9ボーダー”

アンメット→主人公は自動車事故のせいで過去2年分の記憶が抜け落ちていて、1日分の記憶しか保持できない。つまり、翌日に記憶はリセットしてしまう。
くるり→主人公は階段からの転落事故のせいで、事故前の記憶がない。
9ボーダー→主人公が出会う謎の青年。自分がどこの誰かもわからない。


思い出さないにはワケがある

”アンメット〜ある脳外科医の日記”

”記憶が1日しか保持できない”ために、ミヤビは毎日日記を書く。書くだけではなく、翌朝は全ての記録を読み直す。
すっごい労力。
過ごしていく日々が増えれば記録も増えて、取り込まなきゃいけない情報も膨大になる。毎朝絶望しては受け入れる。それを、コツコツ続けていくミヤビの精神力は想像を絶する。

1日しか記憶が保たない…といえば”博士の愛した数式”を思い出す。博士は大切なメモを背広に安全ピンで留めていた。
ミヤビの場合、2年前までの記憶はあり、そこまでの人間関係は把握できることで、なんとか日常をやりくりしている。難役を感情抑えめ、かつナチュラルに演じている杉咲花が良い。

3話の最後で、記憶障害になる脳の所見がない…ことが明らかになったミヤビ。ということは、ミヤビの記憶障害は、外傷性ではなく心因性ってことなのだろうか。
もしかしたら、ミヤビは”思い出しては行けない何か”を知ってしまっていたのではないか…と思ったり。

記憶がない対決イチオシは、このアンメット。


自分をリセットしてみたい

”くるり〜誰が私と恋をした〜”

カウンセリングしていた時に、「性格が変わる薬ってないんですか?」と聞かれたことが何度もある。確かに、夢見てしまう。夜寝て朝起きたら、全然違うステキな自分に生まれ変わっていること。
けれど現実にそんな薬はない。厄介なことに、どんなに嫌な自分でも、今の自分を変えることは、相当に難しい。変わりたいくせに、変わりたくないのが人間の面白いところ。

しかし、”くるり”の中で、それを実現させた便利なお薬。
それこそが「記憶喪失」。

主人公のまこと(生見愛瑠)は、記憶喪失のまま職場に戻り、そこでの自分はどうも自分らしくないという居心地の悪さを感じる。
そこで、 ”よっし、我慢しないで自分の内側から湧いてくる欲望に忠実に思うままに行動しよう!”と思っちゃうまこと。そして、思うだけでなくそれを実行できちゃうのがすごい。通常なら、記憶なくなっていようものなら、普段より臆病になるはず。

朝起きたら違う自分に生まれ変わってる、という、ある意味究極の願いをやって見せてくれる”くるり”。

明るくて、くったくなくて、ちょっと不器用キャラがよくハマる愛瑠が相変わらず嫌味なく可愛い。

ツンデレ元カレ、フォロー系同僚、起業家年下謎男子と、王子様かもしれない3人の男性との恋愛模様も気になるが、それよりもまことの自分探しの結末に興味がいく。元の記憶が戻った時に、まことは前の自分と今の自分をどう馴染ませていくのだろうか。


捨てられて雨に打たれてる子犬は拾うよね

”9ボーダー”
松下洸平を子犬に見立てて愛でようっていうドラマ…。
あれ、違います?

だって、雨の中ギター奏でながら甘い声で歌い、子犬のような瞳で見上げ”ここはどこ私は誰”な青年がいたら、うっかり拾ってきちゃう…。
否!松下洸平限定でね。
で、無垢な瞳で言うのだ。
”俺のこと好きになってもいいよ…俺もきっと君を好きになる”
こんな捨て犬系男子がいたら、大抵の女子はオチると思う。

19歳、29歳、39歳の9ボーダーを迎えた三姉妹のお話ですが、そこに寄り添うのは捨て犬系男子コウタロウ(松下洸平)だけでなく、奔放懐き犬朔(井之脇海)や見守り忠犬陽太(木戸大聖)…と、疲れた女子どうぞ癒されてください、というラインナップ。

三姉妹の長女が、木南晴夏というあたり、”おいハンサム”と空目する瞬間があるのはご愛嬌。

今のところ、記憶喪失前はどうやら子犬ではなさそうなコウタロウ。
今後の見どころは、訳ありコウタロウの正体と、記憶が戻った後の、次女七恵(川口春奈)との関係だろうか。

*  *  *

さて、記憶喪失系のお話は、やはり記憶を喪失する前に何があったのか。というのがクライマックスになる。それで言えば、アンメットが一番気になる。ミヤビは、病院の不都合な秘密を知ってしまった…なんてことがあるのかもしれない。

くるりは、王子様3人のうちの誰かが加害者だったりしたら、一気にミステリーだけれど、今のところのポジティブな空気からは、その方向にはいかなさそう。

9ボーダーのコウタロウは、実は悪い人だった…という線もあるけれど、どちらかというと巻き込まれたか、悪事を告発しようとした…とかではないかと予想。

* * *

自分は、朝ドラ”ひよっこ”のお父さんのように、最後まで記憶は戻らないというラストも非常に好き。なので、この3作品それぞれ、どんな結末になるのかそれぞれ楽しみにしている。


アンメット原作マンガはこちら


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