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ある小学6年生の英検1級体験記

この秋、小6のLeahは英検1級に合格しました。
英語育児を始めた10年前には想像もしなかったことです。

先日は弟Lucasの体験記 ↓ を書きましたので、姉Leahについても書き残しておこうと思います。



英検1級を受けるまで

Leahは都内の公立小学校の6年生。赤ちゃんのときから、家で母Minnieの導きのもと、細く長く英語にふれてきました。

今から3年近く前、小学3年生の冬に、英検準1級に合格。ライティングで本人にとって書きやすいテーマにあたり、そのパートで満点をもらえたことが大きかったようです。
(ライティングの練習については、別記事にします)

もうすぐ4年生。母Minnieとしては、Leahの英語育児(おうち英語)にはそろそろ区切りをつけて、中学受験に軸足を移そうか…と考えていました。新小4から、中受塾の4教科の授業を受け始めました。

コロナ休校を機に帰国生向け英語スクールへ

それは、ちょうどコロナ休校になった時期で生活は一変。家で過ごす時間が格段に増えました。時間に余裕ができたことが作用して、4年生後半から、中受塾に加えて、帰国生向けの英語スクールにも通うように(帰国子女の友人に紹介してもらいました)。帰国生向けの充実した英語クラスは、Leahにとって新鮮やりがいがあり、さまざまなバックグラウンドを持った帰国子女や国内インター生の子たちが集まる環境に、すっかり溶け込んでいきました。

そのうちに、その帰国生の子たちが目指す、英語の取り出し授業のある私立中学校にあこがれるようになり、中受塾では国算にしぼり、英語スクールの方の宿題に、多くの時間を割くようになっていきました。

そのスクールの周囲からの刺激もあって、いつしか、英検1級のチャレンジを意識するように。実際に何度か受けてみたものの、リーディングのパッセージの内容がピンとこなかったり、ライティングで知らない概念(例えばeconomic sanctions)が出題されて、内容点などを大きく落としたり。小学生としては、当然と言えば当然ですが、それでも、学年が上がってくると、スクールでは英検1級に合格する子がちらほら。帰国後も英語を保持するばかりか、さらにぐんぐん伸ばしていく努力を続ける帰国生の子たちに、大いに刺激を受けました。

思い切って再チャレンジ

そして小6後半。中学受験迫る。もちろん中学受験に英検1級は不要。帰国生入試でも、さすがに1級までは問われない。時間が貴重なこのタイミングで無理に受ける必要はない。

一方、準1級合格から2年半が経ち、母Minnieとしては、1級の過去問の一部を一緒に解いたときの様子から、今のLeahの力として、ライティングさえクリアできれば、リーディング、リスニング、スピーキングは1級の合格ラインに届きそう、と踏んでいました。夏にお試しで受けたTOEFL ibtが100の大台に乗ったことも自信になりました。

迷った末に、最小限の準備で再び受けてみたところ、運良くライティングのトピックが大当たり(Leahが得意とする環境問題がテーマでした)。その他のパートも大きく落とすことはなく、余裕を持った合格となりました。

1次試験に向けて

中学受験の勉強の合い間に臨んだ英検1級の試験。

1次試験の準備としては、リスクニング問題形式に慣れることと、ライティングトピックのおさらいに専念しました。

でも、効果が大きかったのはやはり、毎日少しずつ英語にふれる習慣維持できたことだろうと思っています。

日々英語にふれる習慣

先の説明でふれたとおり、週に1回、帰国生向けの英語スクールに通っています。そのスクールのおかげで、ライブラリで本を借りてきては、電車の中や寝る前に読書をする習慣が続いています。また、スクールの宿題を通じて、毎週のようにエッセイを書く習慣もあります。

このほか、英語育児の名残り(?)で、日本語のテレビは極力見ずに、朝食や夕飯の前の10分ほど、YouTubeでニュース番組(CNN10)やドキュメンタリー、息抜きには、LittleFoxやBrainPOPなどを視聴する習慣もあります。

学校家庭日本語で過ごす、ごく普通の日本の小学生ですが、長年の英語育児の習慣と、英語スクールのおかげで、まるで、海外から帰国したばかりで、英語を心の拠りどころとしているような子ども(=かつての母Minnie)のように、英語にふれる時間が日々保たれている生活、といえるでしょう。


リスクニング問題の形式慣れ

さて、リスニング問題はとにかく「慣れ」が重要と考えました。Part 1 から Part 4まで、それぞれの問題の特徴をよく理解して、選択肢の先読みと音声を聞くときのメモ取りのツボを抑えるように努めました。

英検協会のサイトから過去問を2部コピーして、母娘で肩を並べて、ああだこうだ言い合いながら、一緒に練習しました。

本番では、リスニング27問中26問正解という、母Minnieを驚かせる結果となりました。

ライティング・トピック対策

英検のライティングは、1問で(1次試験の)配点の3分の1を占めますが、上の級になるほど、このパートの出来が結果を左右します。

そもそも英検は、小学生を想定した試験ではなく、2級、準1級、1級となると、中学生も想定外です。そのように、想定されている「教養レベル」に見合わない立場でも、テーマについて少しでも知識があって、小学生・中学生なりの論理を展開することができれば、たとえ内容が少々稚拙であろうと、語学試験なので、「作文力」で補えてしまうという側面もあります。

そこで、ライティングのテーマになりそうな、社会的な問題について、広く浅く、なるべく知っていることを増やしていくという目標を立てました。これならば中学受験にも役立つだろうという目論見もありました。

まず、だいたい6つほどのカテゴリ

  • Social (社会)

  • Political and International(政治・国際)

  • Economy and Business (経済・ビジネス)

  • Education (教育)・Science(サイエンス)・Culture(文化)

  • Environment(環境)

  • Technology and Media(テクノロジー・メディア)

を設けて、次のように取り組みました。

1.大学ノートを用意して、ページの一番上に、カテゴリを1つずつ書き写す(例えば、見開き2ページにつき1つのカテゴリ)
2.英検の過去問(ライティングおよび面接のトピック)や、ふだん接するニュースなどから、キーワードを拾っては、該当するカテゴリのページに書き込んでいく

ポイントは、キーワードだけを拾うことです。キーワードの説明やキーワードの関係性まで書いていると、時間がかかってしまい、習慣が続かなくなります。

複数のカテゴリにまたがるような話題も非常に多いです。迷っていると書きそびれるので、自分なりにルールを決めて、適当に分類していました。とにかく書き出すこと。

書き出す作業そのものの効果はともかく、このノートに書こうという意識をもってニュースを見たり、ノンフィクションの読み物を読むようになったことが助けになったかなと思っています。

ふだん視聴していたBrain POPやCNN10も、キーワードの宝庫でした。


2次試験に向けて

英検1級の面接試験は、最初に2分間の「スピーチ」をしてから、その「スピーチ」の内容に関する質問に答える、というものです。

スピーチではなく「挙手して発言」のイメージ

しかし、「スピーチ」として考えてしまうと、あらかじめ原稿が用意されているかのように、すらすら話さないといけないような気持ちになり、緊張してしまいます。

そこで、例えば、小学校の道徳の授業での話し合い。または、英語スクールでの一人ひとりが考えをシェアするインタラクティブな授業。そういう状況をイメージするようにしました。
先生から何らかの問いかけがあり、それに対して挙手をして発言するイメージを持つようにしました。

これならば、ふだん学校やスクールでやっていることと、あまり変わらないことになります。

5つのトピックから1つを選ぶ練習

1級の面接では、5つのトピックから1つを選んで、「スピーチ」をしますが、その選択と準備に与えられる時間は1分。直前は、この1分間と、スピーチの2分間の感覚をつかむ練習をしました。

  1. 1分間で「5つのトピックから1つを選ぶ」+「reasonを2つ考える」練習

    • 特に子どもには不利となる、政治・経済を外して、社会問題、環境問題、教育関連、などを探す

    • reasonを練る時間はないが、reasonにつながるキーワードを2つ決めることを目標にする

  2. 2分間でスピーチをする練習

    • 導入部分は、Questionのそっくり言い換えではなく、少し工夫をする(ライティングで練習したスキルを活かす)

    • なるべく大人っぽい用語を織り交ぜるように努力する

    • 話すことをやめない、考えこんでしまったら、その考え込んでいる内容を言葉にして発するようにする

    • 結論をしっかり述べる


英検を終えて

英検が終わり、いよいよ私立中学の出願をするという段になって気づいたこと。それは、オンライン出願のページにある「資格等」の記入欄。

英検の優遇はなくても、アピール?にはなるのかもしれない。

小学生の間に、英検5級から1級まで全級を経験してきました。小学校では、英検についてあまり周囲に話すことはなく、こっそり受験するようなところがありますが、中学校になると一変、表彰してもらえる学校もあると聞きました。

年明けに控えている中学受験、なんとか無事に終わりますように…。


お読みくださりありがとうございました。


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