おうち英語、子どもの動機はどこから?8歳と5歳のころ
英語育児をしていると、母と子の関わりをあらわすなぁと感じる瞬間がたびたびあります。Minnie家のエピソードとして2つ挙げます。
ママに見せたい
今から4年近く前、Leahが8歳のときに、英検を受けたときのこと。
Leahは低学年のころ、英語のアフタースクールに通い、そのスクールが英検の準会場となっていました。小1のときに英検5級から1つずつ順番に受けて、小3で英検2級を受けたときのことです。
いつもの通り、試験の翌週にスクールの先生から問題冊子が返され、家に持ち帰りました。
(補足:英検の問題冊子は、本会場の場合、試験当日に持ち帰ることができるが、準会場では、試験当日はいったんお預かりとなって、後日受け取る仕組み)
目をキラキラ輝かせながら、得意そうに、
「ママ、これ見て!」と、問題冊子を差し出すLeah。
仕事から帰ったばかりで、夕飯の支度などに慌ただしくしていた母。「後にしてほしい」と思いながらも、それを受け取ると、まず目に飛び込んできたのは、ライティングのページの余白に、びっしり書かれたLeahの字。
「英作文を書く場所を間違えてしまったのでは」という不安がよぎり、ギョッとして「ライティングここに書いちゃったの?!」と返す。
Leahの笑顔がさっと消える。
「ちがうよ、ちゃんと、先生に渡す方の紙に書いたよ」
Leahの説明はこうでした。
作文が、すごく上手に書けた。上手に書けたから、ママに見せたい。
けれど、この紙(=答案用紙)は、提出したら返してもらえない。
だから、こっち(=問題冊子)に書き写しておこう。
そう考えて、残りの時間で、わざわざ全文を書き写したとのこと。
責めるような反応をした自分が恥ずかしくなりました。
英検2級のライティング。
母と娘で一緒に練習して、本番に臨みました。
上手に書けた!
これならきっと、ママにたくさん褒めてもらえる!
ママに見せたい!
その一心で、作文を書き写しているLeahの姿が目に浮かびました。
Leahのモチベーションは「ママ」でした。
子ども(小学校低学年)にとって、英検に合格したところで、あまり良いことはありません。友だちに話しても、まだよく分かってもらえないし、Leahのスクールでは、特に評価される訳でもない。
でもママは、英語に関していつも見守ってくれるし、何といっても最大限の注目を向けてくれる。
ふだんは弟Lucasにばかり手がかかっている母。でも、自分が「英語をする」とき、弟は入ってこれないし、自分が「英語をしている」と、母はいつも嬉しそう。
母の注目を確実に得る手段の一つ。
Leahの英語の取り組みは、特に幼いうちは、常にそういう側面があったことに気づかされた出来事でした。
ママを助けなくちゃ
2つ目のエピソードは、幼児時代のLucas。
年中から年長にかけて、寝る前に、フォニックスのアプリ(Starfall)で「ママと一緒に遊ぶ」ことが日課になっていました。
ある日、仕事で大失敗をした私は、帰宅後もしばらく荒れていました。ママの異変を察知したLucasは、すかさず近寄ってきました。
男の子は「ママが大変だ」ということをいち早く感じ取り、「ママを助けなくちゃ」という正義感のようなものが働くところが、実におもしろい。
女の子は、あまりこのような行動はとらないのではないでしょうか。実際、Leahはこのとき、見て見ぬふり。今は母に近寄らないほうがよい、ということを分かっているようでした。
Lucasは、椅子に座って一息ついた私のところへやってきて、話しかけてきます。
「ママ」
しかし、ママは目があっちこっち向いて、自分の方を見てくれません。
仕方なく、ママのほっぺを両側からペチンと抑えてママの視線を捉え、しっかり目を見て、ゆっくりとこう言いました。
「ママ、きょう、えいごしようね(ニコッ)」
ママから自然に笑みがこぼれたのは、言うまでもありません。 大成功!
自分と「えいごをする」とき、ママはいつも笑顔。ママは自分と「えいごをする」のが好き。
ふだんは「そろそろフォニックスやろうか、ママとえいごしようか」と誘われている。自分から「えいご」に誘えば、ママは喜ぶに違いない。
Lucasの英語の取り組み、母としてはさりげなくやっているつもりでしたが、母の心の内は、子どもにすっかりお見通しだったのでした。
お読みくださりありがとうございました。
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