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同級生に言われた「目、綺麗だよね」が忘れられない

中学2年生の時だったっけ。
美術の授業で、自分の目を鉛筆だけで描いた。

先生に撮ってもらった左目の写真を受け取り、黙々と描き始めた。友達と話しながらというより、1人で作業を進めるタイプの私。

そこへやって来た男の子が前の席に座り、後ろを振り返る形で私に話しかけた。

「写真見せて。」
そう言って、B5ほどの大きさに拡大された私の目の写真を手に取る彼。ただ写真を見られているだけなのに、まるで私の事を見つめられているようで、急に恥ずかしくなった。しばらくして顔を上げたと思ったら、次は私の目をしっかり射止め、息を吐くように言った。

「(私の名字)の目、綺麗だよね。」


「目が綺麗」だなんて言われたのは、後にも先にも、あの時だけ。
こんな素敵な言葉をくれたこと、きっと君は覚えていないだろうね。
私はずっと、忘れられない。









p.s. 前後で他愛もない話をしたはずなのに、もう何も覚えていない。あの時の衝撃だけが私の中に残って消えない。
私がどんな表情をしたのか分からない。彼の表情も覚えていない。彼はニヒルな笑みを浮かべていた気もするし、いたって真面目な表情を浮かべていた気もする。

p.s. 2
なんてことでしょう、、
この記事を書いた約1週間後、ある男の子に言われました
「目綺麗だよね」
胸がきゅっと締め付けられました。
2022/08/09

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