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介護業界の黒子。

お彼岸なので今日は
父のお墓参りに
母や姉家族と行く予定だったのですが、
ダンナのコロナでキャンセルしました。


そのダンナは
一室に隔離されて、3日目。


1日目も2日目も
熱が高く咳も頭痛も酷い中、
ゲヘゲヘしながら
狭い部屋でずっと
仕事していました。



はい、我が家のダンナ様は
社畜です。



私の記事ってあまり
ダンナが出てこないでしょう?
それはね、いつも
すれ違いだからです。


もともとダンナの帰宅は
22時ごろが多かったですが、

8月から忙しい部署に
異動になって
帰宅は毎日24時ごろ。


土日は家にいても
仕事しているか
または寝ています。



私はチビと一緒に
21時ごろには寝室に
行ってしまうので、
平日に会うのは朝くらいです。


私の通勤日は
私が7時ごろ家を出るときは
ダンナはシャワーを浴びているので
話す時間もあまりありません。


ここまで読んで
ダンナの勤務先は酷い会社だ、と
思った方が少しは
いらっしゃるかもしれません。


そうじゃないの。


あの介護報酬で
まともに本社が
回るわけがないんです。


はい。
ダンナは在宅介護事業を手掛ける
全国大手の株式会社の本社勤めです。


私も以前
同じグループ会社で
働いていました。

ダンナはホールディング、
私は管理会社でした。
つまり大きく言えば
どちらも「本社」です。


本社は事務仕事なので
介護経験が無い方が
中途で入社されることも
少なくなかったのですが、
長続きしないんですね。


「こんな会社は
 労基署に訴えれば
 すぐに潰れる」

なんていうような文句を
一様に訴えて辞めていきます。


違うの、そうじゃない。


私たちは毎日のように深夜残業で
もちろん残業代も
休日もろくになかったけど
私はこう思ってる。


あのね、労基署も
ひいては国もグルなんだよ。


だって、
こんなに少ない介護報酬で
残業代を出したら
全国的に高齢者福祉業界は
回らなくなるもの。

見て見ぬふりをしているの。


訴えたって
揉み消されるだけなんだよ。


どこぞの広告代理店や
宅配会社とは
訳が違うんだよ。




メディアだって
取り上げてさえくれませんよ。



私は在宅介護系の
株式会社で、
日本語教師を
やっていた会社も含めると、
4社で働いていたことがありますが


みんなそうなの。どこだって。
本社は。


すごい残業を
無給でこなしているの。


1人、またひとりと
うつ病に倒れていくの。


現場は、つまり
介護士さんだけでなくて
営業所の所長さんや
施設の施設長さんなら、

あくまで
「株式会社として
運営している場合は」

まだそれほどじゃないけれど、


本社はそうなの。


本社では利益を生み出せないから、
現場の人が稼いでくれたお金で
食べているから、

人数も少しで
ダンナの会社の場合は特に
現場至上主義のために
現場より給料も低く設定されているの。


上の人が搾取しているんじゃない。


会長でさえ
高級車も運転手もいなくて
電車通勤して
質素に生活している。


北海道から九州まで
全国展開している
大手企業なのに。

※沖縄にはありません。



会社の上層部が
搾取しているんじゃない。

だから、
福祉業界を知らないのに
「悪い会社だ」なんて言わないで。

何処だって同じなの。福祉は。



私がダンナの勤める
グループ会社にいたときは、
「業務支援部」という部署にいました。


現場の「業務」を
「支援」する部署です。


かつて現場にいた私は
これが嬉しかった。


介護保険法ってね、
すぐ改正されるんです。


それを知らないで運営すると
大変なことになる。


国への介護報酬の請求も
複雑難解なんです。


だから、私たちが
法を読み砕き、
重要部位のみを教える。



私たちが
忙しい現場の代わりに
請求、人事、総務を行なう。


ありがとうと
お客様に言われるのは、
脚光を浴びるのは、
現場だけでいい。


給料だって
現場より少なめでいい。


私たちは言わば歌舞伎の
黒子なんだ、と
教わって仕事していました。



忙しい時に
事務のミスを直してもらうために
現場に電話をかけて
怒られたって、
「偉そうにしてる」と言われたって、

黒子だからいい。
いくらでもストレスの
捌け口にしてもらっていい。


だけど実際は
現場の方は皆さん
とても優しくて、
文句を言ってくる方はほんの
少ししかいませんでしたがね。



とにかく
本社は忙しい。
ずっと忙しい。


ダンナはこんな場所で
新卒からずっと
身体を酷使して働いているので、
最近では病気を
しやすくなりました。


現場の方は
大変なことも多い中、
それは本当に
素晴らしい仕事をされています。


だけど、
こんな風に影で病みながら
現場を支えている、


決してスポットライトの当たらない、


お客様に「ありがとう」と言われて
報われることもない、



黒子の存在を
少しは知って欲しいな
と思って
この記事を書きました。


そのダンナ、
他の記事でコメント欄にも
書きましたが


どんなに高熱があろうが
食欲の落ちない変人です😅


39度近くあった初日。

「お昼に何食べたい?」

「坦々麺。チャーハンとか、
 ラーメンでもいい」


た、たんたんめん⁇
高熱のときに?

この人アホだ😅


さすがにその日は
胃に優しいうどんにしました。

もちろん完食です😆


次の日の夕方


「寿司が食べたい」


は???


お寿司、食べられるの?


相変わらず変だ。


一室にこもって
辛いでしょうから、
高級寿司を買って
サラダとデザートをつけて出しました。


そうそう、金曜日は
留学生に高級な
京都お土産の八ツ橋を
貢ぎ物としてもらったんです。


最近の留学生は
裕福な子も多いですね。


今日は母から偶然
高級梅干しやら
高級スープやら
たくさん届いて、


明日は義母から偶然
食べ物の宅配便が
届くそうです。


きっと黒子のダンナは
誰からも脚光を浴びなくても、

普段していることは
ちゃあんとお天道様が見ていて

※この辺おばあちゃんぽい話😅

それで病気で辛いときには
たくさん美味しいものが
届くようになっているんだね、って
チビと話していました。



その黒子くん、
今日は熱が下がりました。


残業が少しになるといいね。
報われることが
もっともっとあるといいね。

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