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冬休みのお供にいかがでしょう?〜『春告鳥』〜

 今年、10冊の電子書籍を出版し、7冊の文庫本を作りました。

 その中で『駐妻記』『音楽のように言葉を流す』はエッセイ集で、『白熊と光』は独立した短編集ですが、そのほかの本はほとんどがシリーズになっています。
 最近、

どれから読めばいいですか?

全体の中で1巻にあたる作品はどれですか?

 と、聞かれるようになってきました。

出している順番が、読む順番ですか?

 とのご質問もいただきます。

 実は、過去に書いた長編小説を、校正が終わってCanvaで表紙やカバーの制作が出来たものから順に出しているだけで、本にする順番に特別な意味はありません。

 続き物は「1巻」「2巻」とナンバリングしてあるものの、そのほかは世界観や登場人物がリンクしているだけですべての本が「続き」と言うわけではありません。

 そもそも、誰かに買ってもらう可能性が出てきたのが、共同書店で古書を売ることができるようになってからなので、それまでは「誰かが私の本を買って読む」ことを想定しておらず、基本的に自分と友達のために本の体裁ができていればいい、といったような気軽な気持ちでスタートしました。
 自作していく過程で、だんだん「本」としての体裁が整ってきたような気がします。

 印刷にしても、今回は「PP加工」にしてみよう、カバーだけでなく「表紙」もつけてみようと、少しずつ挑戦を重ね、最近やっと「オビ」にチャレンジしてみたというくらいで、正直、未だに試行錯誤の最中です。

 これから、冬休みに何か本を読みたいな、と思っている方がいるかもしれません。たいていの場合は書店に並ぶ立派な本を選ばれるに決まっていますが、もしかしたら、ふと興味を持って私の本を読んでみようかなと思っている方がいらっしゃるかもしれません。
 また、来年5月のフリマに向けて、どんな本があるのか、ということはお話していかないと、「吉穂さんの本、いっぱいあるみたいだけれど何から読めばいいのかわからないから」と敬遠されてしまったら残念です。

 そこで、これからしばらくは、少しでも興味を持っていただけるように「吉穂みらいの世界」を特集しようと思っています。

 まずは、作品リストの記事をつくりました。
 こちらの中から、文庫化しているものを中心に、少しずつお話していこうと思っています。


春告鳥はるつげどり


 第一回は『春告鳥』です。
 なぜこれが第一回か、というと、今在庫があって絶賛売り出し中の、吉穂堂イチオシ商品だからです。なんか、初春に似合ってて縁起も良さそうですしね。そんな内容じゃありませんけれどね。笑

 上記の「吉穂みらいの世界」によれば、『春告鳥』は第3世代に該当します。「第3世代」だなんて、「第1」から読まないと話が見えないしわからないんじゃないかと思われる方もいらっしゃると思いますが、基本的にタイトルが違う本は1巻ずつ完結しているので大丈夫です。

 私は地球とアルデバランの「歴史」を描きたいわけではなく、個人的な血のつながりや、世代をまたいでいく流れのようなもの、その中で生きる人間の普遍的な部分を描きくて、このお話を書きました。

 この本の主人公は「朔」。第一世代の「藤沢麻美」から見ると、孫に当たります。第二世代の朔の母「まりも」はなかなか発展的な人で、数多くの異性に愛されるという宿命を背負っていたぶん、その業は息子の朔にも影響してしまった模様です。

 朔は私のすべての作品中、たぶん一番イケメン(という設定)。そのうえ、かなりのHSP気質です。こじらせそうな香りがプンプンしてきますね。

 この『春告鳥』シリーズは、朔の半生を描いたもので、冒頭は僧侶となった朔の話から始まります。冒頭部分だけ読むと、絶対ファンタジーじゃない、間違ってもSFではないだろうというスタートです。
 舞台は地球ではありませんし、日系人の文化圏の中で仏教が生き残っていて、そこの僧侶が主人公というのはかなりシュールだと思いますが、だんだん慣れていただけるんじゃないか、そして続きを読みたくなってしまうんじゃないかと、自分なりには思っております。
 まあちょっと、おそらくはこれまであまり読んだことのない世界ではないだろうか、と思われます。

 今回、ちょっとオビを自作してみました。
 こちら、やはり出来が悪いので、第3巻からは印刷屋さんにお願いすることにしました。自宅のやっすいプリンタで出来ることは限られますね。

A4にプリントしたのですが
しっかり巻き付けるには長さが足りず・・・
それにしても安直な帯。笑


いろんな本の帯を見て参考にしましたが
ちょっと詰め込みすぎ感が――

 表紙カバーを作成した時は、鳥の絵をつけたかったのです。
 このシリーズは、すべてタイトルが鳥の名前なので、それに合う鳥の絵があったらいいなと思っていたのですが、どんな鳥の絵もピンと来なくて、結局無地に落ち着きました。

 表紙デザインに関しては、結構ひらめきに頼るほうです。夢に見ることもあります。こんな装丁——というきっぱりしたイメージがあるものと、あまりイメージが湧かないものがありますが、この『春告鳥シリーズ』は強いイメージがある方だったので、妥協は残念でした。Canvaさんにも限界はありますね。
 装丁には時間をかけるほうで、結構しつこく探すのですが(笑)、どうしてもイメージと合うものがない時は仕方がないです、こればかりは。当たり前ですが、市場の本にはこういうところや細部にまでプロの手が入ってお金がかかってるんですよね。
 それに、Canvaさんで作成すると、どうしても「見当をつける」方法でしか絵柄とタイトルなどのサイズをあわせられないことがあります。PhotoshopやIllustratorなどを導入すればいいのかもしれませんが、さすがにそんな技術もお金もなく、このあたりが私の限界です。でも、ド素人の私がここまでできるのですから、Canvaさんには感謝しかありません。

 こちら、kindle版もございますので、アンリミテッドの方はぜひ、お試しで読んでみてくださいね。
 吉穂堂には今現在、2冊の在庫がございます。たぶんそれで終了です。早い者勝ちです。5月のフリマまでには冊か増刷する予定ですが、この先吉穂堂で売れなければ、その2冊を持ってフリマに行きます。笑

 冬休みのお供に、ぜひ、Amazonや吉穂堂でお求めになってくださったら嬉しいです。







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