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おかしとはなし spinoff

こんにちは、コピーライターのミフミです。
さて、「おかしとはなし」初出店がいよいよ今週末に迫ってまいりました。

おかしとはなしについてはコチラから

お菓子の写真は、僕のtwitterや、mamanさんのinstagramでちょこちょこ投稿してまいりましたが、「はなし」については、コチラの記事であらすじを公開したくらいで、どんな話が読めるのかわからない部分も多いと思います。

そこで今日は、「おかしとはなし」の商品には含まれないけど、こんなボリューム感、書き味の話が読めますよー(そして、おかしとはなしとちょっと繋がっているかも…?)的なお話を公開したいと思います。
いわば、「おかしとはなし」スピンオフエピソードです。

それでは早速、以下本編です。お楽しみください。


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おかしとはなし スピンオフエピソード

『リンときこりのおじいさん』


「聞いてほしい話があるんです」
郵便配達員のリンは山奥でひとり暮らす、おじいさんの家に手紙を届けると、そこが担当エリアの最後の配達先であるのをいいことに、おじいさんの家にしばらく居座った。これは、リンが配達する土曜日の、お決まりのパターンだった。

友達もなく1人山奥で暮らすおじいさんを心配する気持ちが8割、郵便配達員として家々を回って聞いた話を、誰かに披露したい気持ちが2割。といったところだった。

仲良しなおばあちゃんと孫の話
役者の娘を自慢するお母さんの話
ときどき手作りのお菓子をくれるあの子の話
少年から聞いた、ちょっと不思議な女の子の話

リンの話しぶりはなめらかで、おじいさんはあまりリアクションを取らなかったけど、実はリンが話しに来るのを、いつも楽しみにしていた。だから、「ありがとう」の代わりに、毎週手作りのキノミのクッキーとコーヒーを用意して待った。

コーヒー一杯を飲み終える間のひと時は、互いに心が安らぐ時間だった。


だけど、その日は突然やってきた。

いつものように、新聞と役場からのお知らせ、それほど多くはない郵便物をテーブルに置いてから、最後にひとつ、わざとひと呼吸おいてからおじいさんに手紙を手渡した。

「見慣れない封筒だ…」
「これは僕からです。僕からおじいさんに渡す、最後のお届け物です」
「最後?」
「僕はコメディアンになるのが夢だったんです。だから郵便配達員として働いてお金を貯めてきました。そして…続きは手紙に書きましたから、ゆっくり読んでください。僕は夢を追いかけて街を離れます」
「そうか…元気で」
「おじいさんも、どうかお元気で」


土曜日の朝、ぽっかりと空いた時間を埋めるようにラジオを聴く習慣ができたおじいさん。あれからしばらく時間も経って、もうパーソナリティだって3人も変わった。そして今日で4人目。(やっぱり聴き始めた頃の彼女の声が良かったなー)なんて思いながら、何気なくコーヒーを淹れていると、ラジオから聴き馴染みのある声が流れてきた。

「聞いてほしい話があるんです」


おわり

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いかがでしたでしょうか。「おかしとはなし」の商品を購入いただければ、このようなお話が、イラストレーターのリヒトさんのイラスト付きでお読みいただけます。そして、本編中に出てきた「キノミのクッキー」のように、お話と紐づいたお菓子を味わうことができます。

おかしとはなしが、皆さんのリラックスタイムにそっと寄り添えることを願って出店いたします。ぜひ、遊びにいらしてください。


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