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【戦争って必要?】絵本「せかいでいちばんつよいくに」

この絵本には大きな国と小さな国が出てきます。
大きな国の兵隊はたいへん強くて、大砲も持っています。いろんな国と戦って征服していきました。

「せかいじゅうの ひとびとを しあわせにするためだ。われわれが せかいじゅうを せいふくすれば、みんなが われわれと おなじように くらせるのだからな」

「せかいでいちばんつよい国」 デビット・マッキー作 なかがわちひろ訳

大きな国の大統領の言葉です。大きな国の人びとも、自分たちのくらしほどすてきなものはないと、信じていました。

ほかの国の人びとは、命がけで戦うのですが、最後には大きな国にまけてしまいます。そして、最後に残ったのは小さい国。大統領はこの国も征服しようと、兵隊とともに出発します。

しかし、小さな国の方はというと…

小さな国に ついた だいとうりょうは おどろきました。
なんと、この国には へいたいが いなかったのです。
これでは せんそうが できないでは ありませんか。

「せかいでいちばんつよい国」 デビット・マッキー作 なかがわちひろ訳

そう、小さな国には兵隊がおらず、戦うどころか、むしろ大きな国の人びとをおきゃくのように歓迎しました。
戦争ができない大きな国の兵隊たちは小さな国でどう過ごし、大統領はどうするのでしょうか。

現実社会では軍隊を持たない国は少なく、戦いにきた兵隊を歓迎するなんていうことはありえないでしょうが、理想論とわかっていても、この絵本のように世の中で起きている戦争を回避できないものか、と思います。

題名の「せかいでいちばんつよいくに」ですが、本文の中にはどちらの国が”つよい”かは書かれていません。
おはなしの最後に、小さな国からふるさとに戻った大統領は、大きな国の変化に気づき、にやりと笑います。大統領は小さい国を占領下に置いた気持ちになっているのだと思うのですが、ほんとうにそうでしょうか。

小学生にオススメの絵本です。低学年であれば「やっぱり大きな国が強かった!」、高学年は「ってことは小さな国が強いってこと?」なんて感想が出るのかな、なんて想像していますが、全然違う感想もあるかもしれません。
こどもたちに、どう思ったか聞いてみたくなる絵本です。


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