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「似合う」は答え合わせじゃない

「似合う服が知りたいんです」

私の買物同行サービスのお客様が、ほぼ全員言うこのセリフ。
何が似合うのかわからない。
だから、「いいのかな?」と迷いながら服を買う。
結果として、あまり着ない服が増えていく。
効率も悪いし、気分も悪い。
だから、似合う服を知りたい。
なるほど、理にかなってるように見える。

ファッション系サービスの中でも「パーソナルカラー診断」や「骨格診断」は人気があるけど、それは「似合う」の手掛かりが欲しいからだろう。
確かに肌の色によって顔映りの良い色は存在するし、骨格によってスタイルが悪く見えるデザインや素材感もある。

でも、果たして知りたいのは顔映りやスタイルがよく見える服なのだろうか?

私はそう思わない。

多分みんな、「間違い」が怖いのだ。
間違えたくない。変だと思われたくない。
じゃあ「間違い」って何だ?

多分この場合の「間違い」は、人からネガティブな評価をされることだ。

「あの人、太ってる」
「スタイル悪いのにあんな服着て」
「なんか印象暗くない?」

こんな風に周りから思われたくない。
できれば、少しでも良く思われたい。
だから、流行遅れも若作りもダメ。
適度にトレンドを入れつつ、年齢にも合った、あまり奇抜でない、少しだけ自分がよく見える服。
それが「似合う」だと思ってる。

でも、想像して欲しい。
素敵だなと思う人は、果たしてそんな事を気にしながら服を選ぶだろうか?
素敵なオシャレができる人って、そういう「似合う」を実践できる人なのか?

答えは、No。
本当のオシャレが出来る人は、そんな事気にしてない。
なぜなら本当のオシャレは、それを装う自分が好きだと言える事だから。
人からどう見られてるかよりも、自分で自分が「いいな」と思えるかどうかを大事にしてるのだ。

ファッショントレンドは、パーソナルカラーや骨格診断を考慮してくれない。
そもそも流行色はインターカラー(国際流行色委員会)が決めたものだし、デザイントレンドはパリコレやミラノなどで発表されるトップデザイナー達のコレクション次第だ。

トレンドというのは、言い換えればファッション業界の「お題」みたいなものだ。
季節や世相の移り変わりを、お題と掛け合わせながら表現する。
日本で言えば、和歌の歌会テーマや、茶会のお菓子選びなどと似ていると思う。

トレンドを、自分なりの解釈で取り入れ、表現する。
これがファッションを楽しむということだ。
みんな一緒、右に倣えではオシャレとは言えない。

大事なのは「自分なり」という解釈ができるような軸を持つことだ。

例えば、この秋の流行色はピスタチオグリーンやモスピンクだけど、どちらもパーソナルカラーに合わないなら「どうやったら自分に馴染むか?」を考える。
例えば、メイクのカラーを少し変えてみたり、顔から離して小物で取り入れたり。
「似合わない」を「これならイケル!」に転換していくのがオシャレの醍醐味でもあるし、センスを磨くということだと思う。

自分で工夫して、自分で「いい!」と思えるアレンジをする。
それを繰り返すと自信がついてきて、自分なりの軸が作られていく。
軸が出来れば、「流行っていても好きじゃなければ取り入れない」という選択も出来るようになる。
流行っていなくても「これは好きだから、流行りは関係ない」と胸を張れるようになる。

みんながなりたいのは、こんな風に「自分なりのオシャレ」ができる人なんじゃないだろうか?
他人の目を気にせず、自分がファッションを楽しんでることが周りにも伝わるような、そんな人に憧れるんじゃないか?

だからもう、「似合う服」を探すのはやめにしよう。
「似合う」は、周りから浮かないための答え合わせじゃないのだから。

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