見出し画像

サヨナラは、ありがとう


新年早々、心の痛む出来事が続く2024年
これでもかと畳み掛ける悲報に
感情が追いつかない日々が続いている


先日、グループホームでリハビリを続けていた
祖母が他界した


数年前に脳梗塞で倒れてから
言葉を発することができなくなった祖母

お見舞いにいっても、会話ができず
こちらのかける言葉に必死に何かを伝えようとする
その姿が、今でも強く印象に残っている



祖母とは、上京してから3ヶ月ほど
一緒に住んでいた時期がある

苦手だった料理も毎日頑張ってくれて
練習で帰りが遅くなるわたしを、玄関で待っていてくれて

不器用だったけど、祖母なりの優しさが嬉しかった



グループホームに入居してからは
コロナ禍でなかなか面会が叶わず
リモートで会えた時には、孫のわたしを認識できなくなっていて

忘れられた悲しみよりも、人が老いる現実を目の当たりにし
それからしばらく受け入れることができなかった


結局、その後も会うことは叶わないまま
棺に眠る祖母と斎場で久しぶりに再会した


眠っているんじゃないかと思うほど穏やかな表情に
苦しまない最期でよかった、と
どこかほっとしている自分がいた

棺の中には、和裁の仕立て人だった祖母が
大事にしていた反物と糸切りハサミ、
仕事仲間との思い出の写真、
生前お気に入りだった洋服と
大好きだった花をたくさん詰めて見送った



幼いころから離れて住んでいたこともあり
祖母と一緒に過ごした時間は短かったけど

遺品整理で出てきた写真に収められている
私たち孫を愛おしそうに見つめ、抱く祖母の姿に
たくさんのありがとうを送りたくなった


まもなく四十九日。

天国で待っている祖父と、無事再会できますように…



この記事が参加している募集

noteのつづけ方

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?