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大和・石上神宮…なぜ【イソノカミ】なのか? クフ王ピラミッドは洪水対策、その工夫の数々…良好な居住環境を提供

 クフ王のピラミッドが築かれたのは、BC2550年の頃です。旧約聖書に書かれた『ノアの洪水』は、BC3000年の頃ですから、大洪水から450年の後の頃ですから、生き延びた人達の記憶にまだ残っているか、伝承として伝えられていたとも考えられます。
 20年の歳月をかけて造られた高層建築物は、14世紀にイングランドのリンカン大聖堂が建てられるまでは、世界でいちばん大きな建造物でした。
 このクフ王のピラミッド近くには王妃たちのピラミッドと言われる3つのピラミッドがあります。

クフ王のピラミッドと王妃たちの3個のピラミッド

実は、これらの小さなピラミッドは天体と関係して夏至などの暦情報を得るために方角を設定して建てられています。
 要は、天体の動きを観測して天文学的に分析する道具立ても揃えていました。『大洪水』が来るかもしれない、時期や時代を割り出そうとしたのではという推測もできます。
 次に、下図はクフ王のピラミッドが建設された頃のピラミッドの様子です。「新・ビジュアル 古代遺跡事典」Newton別冊二〇二三年三月からのものです。

クフ王のピラミッドの構造

 表面が化粧石に覆われていました。何のためだったのでしょうか?
 これも推理すれば、洪水が津波を伴って襲って来るとします。この時、大きな波、波浪や流木などが化粧板の無いピラミッド(下図)

クフ王のピラミッド(現在)

の様ですと、例えば1個の石材が流出、もしくは大きくズレると、構造的には荷重を支えきれなくなりますからピラミッド崩壊を招きかねません。

クフ王ピラミッドの石材

 石材同士はモルタルで接着されていましたが、ギザのピラミッドにも石灰モルタルが使われて目張りされています。石灰モルタルは人と自然に優しい建材です。石灰モルタルの表面には、スポンジのような小さな穴が開いています。この小さな穴は湿気を取り込んだり吐き出したりするので、余分な湿気を吸収する一方で、乾燥した時には溜め込んだ湿気を放出します。石灰モルタル自体が自然に湿度を調節するので、結露を抑えてカビの発生を予防するだけでなく、室内の乾燥も防いでくれるのです。例えば良好な居住環境を整えてくれる格好の素材です。
 石灰モルタルの原料である消石灰は、二酸化炭素と結びつくことで石灰岩に変化します。何十年もかけてゆっくり二酸化炭素と結びつきますので、年々強度が増していくのです。長い時代を睨んだうえでの建設だった訳ですからこの石灰モルタルは当時として最適な選択と継続性を持ってた訳です。
 実は皆さんお馴染みの国宝姫路城(別名・白鷺城)の白い城壁は、この石灰モルタルで造られているのです。白が鮮やかです。

国宝姫路城(白鷺城)

ですから結果として数千年後の我々もピラミッドを見ることが出来ます。
纏めますと、前稿も合わせますと、
 ★100メートル程度の(洪水による)海面上昇に対応できる
 ★洪水後にも船があり移動できる
 ★ピラミッドの地下泉から水を得られる
 ★建築材料の工夫で居住環境が得られる
 ★石灰モルタルを使用して長期の構造体を維持できる
など現代に我々が想像するのに難しい建設工事をやってのけてピラミッドを完成させたのです。
 水害は歴史的にも地域的にも繰り返し襲って来る災害です。これに対処して建設した事実は、彼らの頭脳水準の高さや技術の高度さを物語っているのではないでしょうか。
 事実、すでに別稿で述べた通り、BC/AD(紀元0年~100年)の頃、『ツダの洪水』があり、100メートル程度の海面上昇があったことを実証していますので、やはり将来の洪水に備えることは正解だったようです。


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