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ジェノワーズと私

久しぶりに焼いてみた
ジェノワーズ。

 バターとミルクと卵の香りが豊かで 
ふんわりして美味しい。

 

こういう何気ない時間が好き。


特別な仕事も
お金も
いらないかなと思う。

子供の頃から
家事ができることが当たり前で
やるなら楽しまないとと
探究心を持ってやってきてた。

でも…本当は

友達と遊んだり
普通に人を好きになったり
痛いことは痛い
嫌なことは嫌だと
言える心を持ちたかった。

やれて当たり前。
やれなきゃいけない。
母が遊びでやっているなら、痛くても辛くても我慢しなきゃいけない。

お菓子作り
裁縫
掃除
勉強
我慢

無になることで
辛さから逃げていたのかもしれない。

麻痺していたせいで

時間を埋めるように
色んなことをしていた。

 

モラハラの加害被害の関係は
そんな私の姿勢から生まれてしまったのだと思う。 

数年前から
好きだったはずの料理もお菓子作りもしなくなっていた。

 
真剣に現実と向き合わないといけないと思ったから。 

 
生活を楽しんでいる『フリ』をすることで 

泣き腫らした目で毎日を過ごすことを当たり前にして

誤魔化して生きてきてしまっていたから。

 変えなきゃならないと思った。

心を学んで本来の能力を取り戻して
人との関係性は一変したけれど

今度は私の思う私らしい生活が失われてしまって
これはこれで私にはストレスだった。


やっぱりケーキの焼ける甘い匂いや 
おいしい 
おかわり 
の声と

何があるわけでもない
平凡な毎日が好きだ。

 特別なんかいらない。 
好きな人と健康で笑顔で
寄り添って生きられたなら

 
それでいいなと思う。

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