キラキラ
私が見てきた世界の中で1番綺麗な場所は、自転車で5分もかからないところにある。
ここは、この世に存在する天国。
落ち込んだらここに来る。
阪急電車の走る音と、車体に反射する夕日をまじまじと見るのは、この河川敷に来たときだけ。
ずっと遠くまで広がるシロツメクサが風で揺れる。
小さい頃、シロツメクサで冠を作ってもらったことがある。
私のために犠牲になってしまった花は、大変綺麗だった。
沢山の犠牲とエゴを土台に、私は生きてきた。
川のキラキラが大好き。優しい風が大好き。
踊ろうマチルダを聴いていたら、涙がでてきた。
天国では泣くのも許される。ひっそりと泣く。
子どもたち、散歩する犬、ジョギングする人、ぼうっと座っているだけなのに、いくつもの命とすれ違う。
すれ違うだけで、交わりはしない。これが面白い。
私の話し方はたどたどしくて、人をイライラさせる話し方らしい。
確かに、すぐ噛むし、緊張したら早く話せない。
声が低いのもよく指摘されてきたから、喋ることへの苦手意識が少し強い。
大人になってからは言われなくなったけど、言わないだけで、心の中ではやっぱりみんな思ってたんかな。
喋る度に苦手なものが増えて増えて、増えたそれを直して直して、他人のために、他人に言われたことを今後も素直に全部変えたら、最後に残った私の声と喋り方は、きっと私のものじゃなくて、他人が沢山集まったものなんだろうな。
もちろん、それは悪いわけじゃない。人を不快にさせる方がよっぽど悪い。
でも、そんなん寂しくないわけがないよ。そこに私はいないから。
申し訳ないね。
今まで出会った全ての人たちに、申し訳ないな。
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