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ブレット・トレイン 多重次元

 多重次元の因果応報に生きていると、感じる5月だった。久しぶりにスケジュールにアレコレと予定を詰め込み過ぎた。

 再生速度が倍速になったような時間感覚で、あっという間に1日が終わる。
 ”充実した1日”と表現した方もいたけれど、実際には、記憶が飛ぶくらいに疲労感が蓄積された日々だった。
 久しぶりの雨は、なんだか嬉しい。
雨音に癒されるように、ゆっくりと昼寝をした。
  
 色々な種類の出来事が積み重なり、自分の蒔いた種が思わぬ喜びや不本意な出来事となり、またそれにまつわる周囲の人間と絡み合い、今の出来事に繋がっている。

 人生の因果を感じている私に、思い付く映画と言えば、『バベル』2006年公開アメリカ映画。アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督。銃を巡る世界を、それに関わる国のお国柄を辛辣に風刺していて、その世界構造に成る程と感心した。
 しかし、今回は『バベル』と同じくブラッド・ピット主演の映画『ブラッド・トレイン』を紹介したい。

ブレット・トレイン』(原題:Bullet Train)2022公開アメリカ映画。の。監督はディビット・リーチ。主演ブラッド・ピット。原作 伊坂幸太郎の小説『マリアビートル』
 新幹線に偶然にも乗り合わせた殺し屋が、各自の理由からスーツケースを奪い合うコメディ。

『バベル』とは違い、銃ではなくスースケースを巡って、それを狙う殺し屋の背景が物事の原因や発端として描かれ、新幹線という密室に寄せ集まったそれぞれの殺し屋が、それぞれの善しにせよ、悪しにせよの結果を受け取る。

142分の『バベル』は社会問題がテーマにあり重く長く感じたが、126分の『ブレット・トレイン』はそもそもがコメディ仕立ての映画であり、展開が早く、日本人としては違和感を拭えない設定やセリフはあるものの、「そんな、アホな!」と、全体的に結構笑える。

『バベル』には、役所広司さんや、菊地凛子さんが、『ブレッド・トレイン』には、真田広之さんが出演されており、外国人からみたある種の日本人像が投影されている。いずれも、日本人の親子のあり方に疑問を持たれているように感じる。
当たっている部分も無きにしも非ず。複雑な気持ちになる。

 癒しを求めているときは、笑いが多い映画に傾倒したい。『ブレット・トレイン』評価より、ずっと面白い映画だと思う。公開された時、違う映画を観たが、これも映画館で観たかったと思う。

 多重次元も一つの我に集約されるが、今はまだバラバラの世界を行き交っているように思える。因果として結実を迎えるまでには、私の世界はまだまだ道の途中のようだ。

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