足袋履き稼業を続けた1年？2年くらいたった頃、親方に言われたか自分で思ったか覚えていませんが

「こんなこといつまでも続けていてはダメだ」。

ネクタイ締めて仕事に出かけるようなことが「まっとう」でこんな足袋履いた仕事で「終わりじまい」で仕事を上がってきて、お日様が高いうちからしけた飲み屋でチューハイあおっているのはまっとうではない。

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【プロフ-4】肉体労働で学んだのは「若いことのみが価値」なのか？

だからこんなことはぼちぼち足を洗って「まっとうな仕事」につくんだって思って、就いた仕事が「金の先物取引」だったなんて、笑い話にもならないです、ほんと。

募集要項のうたい文句は「国際金融社会をリードする！」「勤務地渋谷！」「残業なし！」etc。

渋谷駅から数分の会社を訪れ、

「格好いいオフィス」で面接

の向こうに見える活気ある仕事場が「まっとうではない足袋履きからの脱出」をしたかった世間知らずな自分にはもうそれだけで「まっとう」を超えていた。

大学中退したやつが、それまでの職歴に書けない履歴書持って行って採用されるんだからそれだけ「普通」ではない会社ってことですよね？入社して仕事開始して、相当の時間が経つまでロクなもんじゃない、全く

「これ、まっとうではない仕事だった……」

って気が付かなかった、わからなかったんですから相当鈍い？トロイ？

こんな風に書いていますが、足袋履き稼業の鳶職も、金の先物取引も「社会の目」とか一般的な、世間的な見られ方とか、その業界にいる人が自虐的に言う「目線」です。

他者からの評価ですね。これは成功についての記事「成功は誰が決めるの？もしかして他人？」にも関係します。他人の目線が僕の成功の基準なら「まっとうではない仕事」から「まっとうではない仕事」に移っている。まっとうではない人生を歩んだね、成功とはほど遠いねって話で、僕の過去を僕は「まっとうではない時間だった」としてしまうところです。

今、これを書いている僕はそんな風に思っていませんが、当時〜ずいぶん長い間その時の僕は「その業界にいる人が自虐的に言う言い方、他者からの評価」で自分の仕事を見ていました。

自分はロクデモナイ仕事しかしていない。世の中の役に立っていない、何のために働いているんだ？自分の天職は何だろう？こんなことをしていていいのだろうか？etcです。

佐賀の鳥栖で新人研修

入社して30人が九州、佐賀の鳥栖だったと思うんですが、絶対に脱出できないところに連れて行かれて新人研修を2週間？1ヶ月？くらい受けました。毎朝社訓の唱和から始まる。今考えると笑うしかない。

そこで、先物取引というものについて理解と講義とは一通りあって、新聞の見方、罫線の見方、毎日の罫線の付け方、そう、毎日自分の罫線があって、それに書き込むんです。現場に出たらそれをお客さんの前で広げて見せる。

ちなみに営業するなんて全く知らない、理解しないで入社しましたのでそこから先の研修は？？？？でした。

え？俺、営業するの？みたいな。

余談ですが、高校2年でまだ家を出ていない頃-- 詳しくは　高校家出編/セミは土の中で7年① -- 確か学研だったと思うけど教材の販売のバイトをしたことがある。

地図を持たされて、毎日一戸建ての地区をピンポン営業。夕方6時に今日の成果を電話して、その成果がないと成果が出るまで帰ってくるな、の営業スタイルです。

成果っていうのは、まず、ピンポンしてドアが開いて、オープニングトークができて、あれこれ話して、そのあれこれの中に、「この地区の学校で出される定期試験に沿った模擬試験・練習問題」というのがあって、それをやれば、高校受験に必要な内申はバッチリですよ、いい大学行くためには一つでもいい高校にはみんな願うことですから。

その練習問題の見本みたいなのがあるから、お子さんにやってみせてみませんか？子供がいれば、やってみる？みたいな流れで「やる」と言ったら、そのあと、採点に行く。この「見本ー採点」のアポが取れると「成果」。

高校生ですが、大学生と偽ってやっていた。忘れもしない僕の持たされた地区は戸塚の権太坂ってところ。

今でもその辺を通ると思い出す（笑）。12日間1クールで2本売れないと12日分の基本給が出ないみたいな仕組みだったと思う。4本売った覚えがある。

脱線したので戻ると、その学研営業は僕にとってはナイトメアだったので、営業はもうこりごりと思って「国際金融社会をリードする」会社に入ったのに、また営業？マジ？でも鳥栖ってどこ？スマホもないし金も持たされていないし、脱出不可能。

まず、何をするか？テレアポです。というか、出世して主任、係長になってもテレアポです。ずっとテレアポ。課長になると売買の管理になってテレアポから卒業できる。

安食課長元気かな〜、当時40歳くらいだけど、飲み会で酔っ払いながら「この間参ったよ〜、家のトイレでオナニーしていたら、鍵閉め忘れていたみたいで嫁に見られちゃってさぁ」って。

未婚の僕は、そうなんだ、40歳くらいになると嫁とやらないでオナニーするんだなんて思ったものです。

また、脱線しました。

戻すと、合宿所に内線電話があって、離れた部屋にいるお客さん役の人にアポを取る練習をするんです。そして、アポが取れたら今度はお客さんの会社とか自宅とかに行って営業のファーストトークをする。

そのロープレを一言一句覚えさせられて

毎日、それの練習です。

ナニワ金融道って漫画で学校の校長が先物取引で追い込まれる話がありましたが、そのまんまです。全然話を盛らないであんな感じ。追い証ってのが払えないとサラ金に連れて行くんです。普通に。

""ナニワ金融道 先物取引編""

で検索してみてください。いっぱい出てきます。

こんな動画もありましたが、

この導入の電話の勧誘みたいなベタな一言目ではないです。もっとしたたかな、断れないような「方法」で電話するんです。そのやり方で来られたら、ついつい話を聞いてしまうよなぁって思う。

それはまた今度書きますが「テレアポはリストだ！リストリストリスト！」で、動画のような電話はアポ取りのコツも実績のないやつには、「いいリスト」は使わせないので、使い古したゴミリストでかけさせられんですね。

検索で出てきたページですが、

そして、今日、なんと、その○○商事さんから１年半ぶりに電話が来たのです！！もう電話は来ないと思っていたのに、ちゃんとリストに残っていて、クロールしてるんですね！これは、先物勧誘の「お断り」を実践する、千載一遇のチャンス！

なんて書かれています。

これ、別にクロールを「ちゃんと」やっているんではなくて、次から次と辞めては入ってくる「一兵卒」の新人が「掛けさせられている」だけなんですね。

で、最初のうちはそういうゴミリストしかもらえないので一日に何百回も断られるんです。メンタルやられます。

もう脱走したくなる、ってのは合宿中にはわからないのでそんな現場のことを知らない世間知らずなガキども30人は、合宿が終わって晴れて（晴れて！なのか？（笑））配属が決まります。

僕は渋谷勤務の杉並区の浜田山ってところの寮に入れられました。自宅だと逃げられますからね。寮にぶち込むんですね。4畳半一間ですが、個室。

それまでは鳶の親方の家に丁稚みたいに住んでいたので、明けても暮れても親方と一緒だったわけです。

それに比べると同期と、先輩と言っても同世代が20人くらい住んでいたのでそりゃぁ、なんだかワクワクしました。

で、毎朝、テレアポに始まりテレアポに終わる。

続く。

mits　西田

プロフィール全部一気読み！！　全7本　20000文字超　
読み応えおなかいっぱいです（笑）

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