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オランダの子供向けアニメを見て驚いたこと

他国からオランダに母親となって出戻ってきて、仕事もしておらず暇な私に必要なことはオランダ学習だ。

オランダで子供を育てている友人にも、オランダ語は勉強しておかないと子育てのときに困るから今のうちに絶対勉強しておいたほうがいいと諭され、イヤイヤ勉強している。


子供がいると不思議と使命感に駆られ、オランダ語を学ばないといけないという意識も高まった。

子供がいなかった時は一切オランダ語を学びたいと思いモチベーションが上がったことはなかったが、現在はイヤイヤでもやらなくてはいけない立場になっている。


さて、子供がいるとありがたいことに、子供向けのアニメや子供向けの歌のおもちゃなどでオランダ語を学ぶことができる。

語学学校やニュースなどでオランダ語を学んでいたときより遥かにハードルが低く、だんだん苦手意識も減ってきて単語の数も増えた。

現在はオランダの子供達に大人気のBing!というアニメを見てオランダ語を学んでいるのだが、このアニメを見ていて驚いたことがいくつかあったので書き留めておきたい。


海に行こう!⇨バスが故障して行けない

子供達が海だ!海だ!と楽しみにしながら準備をして、海行きのバスに乗った。

海でどんな楽しいことが起きるのかな?そんなストーリーを想像していた。

が、話は斜め上の方向に進んだ。
なんとバスが突然故障したのだ。

そして海には行けない、もう海行きのバスは今日はない、と言われ諦めるしかない子供達。

ええ!?海あんなに楽しみにしていたのに行けへんの!?

そしてバスが壊れたとか電車が止まったとかはオランダで日常茶飯事なのでそれを仕方なく受け止める、ということをこんなに小さい子供の時から教えられるオランダの子供達。

最終的にバスドライバーの粋な計らいで、バスの運転席に座らせてもらい、別の楽しさを見出した子供は喜び、ハッピーエンドとなった。

海行きのバスで楽しい気分からのビーチで思い切り遊ぶ、そんなストーリーではなかったことに驚いた。


絶対に怒られない子供たち

オランダの子供たちは怒られない。大人は絶対に怒らない。
そういうふうに子供を育てている。

子供が無茶をやらかしても、物を壊しても、他人をいじめても、それを親が叱るシーンはない。

そんなふうに育てられたオランダ人は、大抵社会人になると会社で上司に怒られ、初めて怒られたことに対して耐性がないのですぐ鬱になり休職してしまう。

以前働いていた会社でも休職している人が何人もいたが全員オランダ人だった。

子供の時から親や先生、親戚などがもう少し叱っておいたほうが、将来のためにはいいのではないかと思う私なのであった。


問題が起きたことに対して代替策を見つけることで解決する

たとえば先に書いた海に行く話。海行きのバスが壊れ、残念な気持ちの子供たち。

違うルートのバスがあってそれに乗って行けるのかなと思いきや、もう海行きのバスはないという絶望感。

しかし、ドライバーが運転席に子供を乗せてくれるという粋な計らいによって、子供は別の喜びを見つけ、ハッピーエンドとなった。


また、子供たちが太鼓や木琴、タンバリンなどの楽器で遊ぶとき、太鼓で遊びたい子供が順番を待っても待ってもなかなか回ってこず、痺れを切らし太鼓貸してと尋ねに行った矢先、太鼓を壊してしまった。

それを見た大人が太鼓を直すのかと思いきや、太鼓は今すぐ直せないからもう無理だね、という対応により子供は絶望感に陥る。

しかし大人が太鼓などが入っていたケースが大きな太鼓になることを見つけ、大人も子供もみんなで大きな太鼓を叩いてハッピーエンドとなった。



オランダの子育ては日本のとは全く違う

このようにオランダでは、子供なのでハプニングはつきものだが、壊れてしまったものは仕方ない、というふうに受け止めること、またいつまでも悲しさを引きずらず、他の楽しさなどを探すことでポジティブに生きていくことをアニメで教えている。

子供はやってしまったことに対し、怒られることもないし、謝るのもかなり最小限(時には謝らない子供もいる)ので、自分を責めることにならない。

オランダ人が(無駄に)ポジティブなのはこういうところから来ていると思う。

また、子供がやらかしたことに対して、大人がその相手家族に対して謝ることもない。

アニメの中の大人はただ感情的にならず、あらあらと受け止め子供を前向きにさせるようにしているだけだ。

そこに日本とオランダの差があると思う。日本では子供が悪いことをしたら大人が叱って謝りなさい!と言い、謝る。

どちらがいいかはわからない。オランダの子供を叱らないこと、何かをやらかしても別の方向に目を向けさせることで前向きにさせることは子供がのびのびを育っていいと思う。

日本では小さいときから他人の気持ちを考えることを教えられるので、人に迷惑をかけないとか、悪いことをしたら謝るとかを徹底されているように思う。
それはいいことでもあり、悪いことでもある。

自分の罪を認め謝ることや、他人のことを考えるのは私は素晴らしいことだと思うのでオランダのアニメにも入れたほうがいいのではないかと思うくらいだ。


だがそれは悪い面もある。
他人のことを気にしすぎてのびのびと生きていくのが難しい日本の子供もいるのではないかと思う。

私の子供はオランダ人であり、日本人である。

両方の文化を吸収し、両方の国のいいところを学んで素敵な大人になってほしい。



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