日本を救うのは、99.7%の社長だと思う。

昨年の10月に社長になってから9ヶ月くらいが経つ。
それはまでは専務で、いや、どちらかというと息子だった僕は、
財政のことには無頓着だったと今は思う。
家族経営のいけないところ。ちゃんとしてると思い込んでしまうんだから。
しかし、いざ代表になって財政のことを細かく見ていくと、
できることが山程あることに気づいた。
間違った処理をしていることにも。
それから9ヶ月。
財政の基盤を正して、借金の返済プランも立てて、
福利厚生を厚くして、給与アップも予定している。
これで完璧なんてことはずっとないけど、
いま、世の中では給与がアップされないのは政治が、
国が悪いと言われていることに疑問を感じる。
給与を上げるのは、経営者がやることで、
政治家がやることじゃないかなあと思い、
僕がやってきたことを書き記してみることにした。


1. 何となく税理士さんを交代
 広告業を営む僕らにとって、提案はとても大切な仕事。
 だから関係する会社の皆さんにも提案を求めてしまう。
 税理士さんも例外ではなく、当時の税理士さんはもちろん優秀な方々ではあった
 けど、提案型ではなかったので、社長を代わったタイミングで税理士さんも
 代わってもらうことに。今ではこれが最も大切な一手だと思う。
 何となく、感覚的なものに従うって良い結果につながるみたい。

2.驚きと不安で、眠れない日々が続く
 前期の決算書を見るやいなや、新しい税理士さんは「苦しいですね」とポツリ。
 知識が追いつかない僕はただただビビるばかり。借金1億ってこと以外は
 よく分かっていなかったから、他にもダメな部分があるのかと不安になり、
 先の見えない、出口のないトンネルを歩いている気持ちに。
 人生ではじめて眠れない日々を過ごした。

3.想像以上にひどい状況がどんどん明らかになっていく
 新しい税理士さんに決算書など資料を一式渡してから1ヶ月、ついに報告の日。
 結果は想像以上にひどい状況だということが分かった。
 想像以上というのは本当にツライ。
 唯一良かったのは、「今気付いてよかったですね」という慰めだけ。
 損益計算書を良く見せようとしてたことは、
 実は銀行にもバレバレで、銀行からの評価は「債務超過」だとのこと。
 心底ガッカリした。債務超過を逃れるために決算期にバタバタしていたのは、
 全くの無駄だったということだ。でも、よく考えたらそんなことをしている時点
 でよろしくないのは火を見るより明らかなわけで。

4.分かれば不安は消えていく
 人間とは不思議なもので、現状を正しく理解できれば不安はなくなっていく。
 というのも、何故ダメだったかが分かれば、自ずとどうすれば良くなるか、
 という思考になるからだ。何も見えないと、何をどうしていいのかもわからない
 迷子状態なので、希望がまるでない。だから眠れなかった。
 でも、現状が分かればあとはやるだけ。ありがたいことに、
 新しい税理士さんがチカラになってくれる。
 覚悟というとカッコ良すぎですが、やるしかないと思えたら、
 不安はどこかへ消えていきました。

5.何はともあれ計画を立てよう
 税理士さんとともに、経営改善計画書を作ることに。
 これ、しかも助成金もおりるやつで、日本には良いサービスがあるもんです。
 それで現状分析と改善方法、目標数値、そしてToDoリストを作りました。
 この何が良かったかといえば、自分の会社のことを客観的に見れたことと、
 このやり取りを通して税理士さんや銀行の皆さんに自社の仕事内容を
 理解してもらえたことがプラスでした。
 同じ広告会社でも様々な会社があるので、うちがどのようなカタチでお客さんに
 貢献しているかはパット見よく分からなかったと後で言われたりもしました。
 恥ずかしながら、このような計画ができたのは初めてのことで、
 当たり前のことをちゃんとやることの大切さを実感しました。

6.僕の中に生まれた罪悪感
 現状を正しく理解して、改善計画を立てるプロセスの中で僕の中に罪悪感が
 生まれ、それが日に日に大きくなっていくのを感じていました。
 というのも、自社を分析すればするほど、
 社員のみんなの給与が上がってない原因はほぼ経営サイドにあることが
 明白になってくるからです。こんな罪悪感を抱きながら社員と接するのは
 気が引けるし、何より彼らに「もっと頑張ろう」などと言えるはずもなく。
 なので、僕はある決断をしました。

7.罪悪感を払拭するために
 そうだ、給与をアップしよう。
 これが僕の決断でした。どうやって財源を確保するかはその時は未定でしたが、
 とにかく給与を上げないと、僕の罪悪感は消えないし、
 もっと頑張ろうって言いたいし。
 でも、面白いことに、やると決めたら財源を確保する方法を考えるようになり、
 結果的には財源を確保することができました。
 これもしっかり財政関連の情報を分析できるようになったからこその視点です。
 ついでに、罪悪感を払拭するために、僕の役員報酬も削ることにしました。

8.福利厚生を客観的に見直してみる
 給与分の財源確保にも関係しますが、会社には謎の金融資産がありました。
 うちの場合は保険でした。役員向けの保険だけで10を超えるんです。
 調べてもよく分からない。なぜ加入したかも不明。
 それで毎月20万円以上の支払いがあるんです。
 しかもこの手の積み立てというのは退職金名義でも、
 結局は一度は会社の懐に入って、それをどうするかは会社が決められます。
 つまり、名目は退職金でも、使い方は自由なんですよね。
 会社の財政が困難になればいつでも解約して資金に回せます。
 僕はこれがすごい違和感で。
 退職金は退職金じゃないのかと。
 で、企業型DCを始めました。企業型のidecoですね、言ってみれば。

9.いつでも家族や自分のことを大切にできるように
 広告会社というのは、工場などとは違って、
 デスクにいる時間=利益ではないので、やることやっていれば、
 いつ帰ろうが、いつ来ようが自由にしました。
 体裁上はフレックス制度になりますけど、それすら管理していません。
 うちは10人もいないので、今はこれで良いと思っています。
 これが30名とかになると、今のようにはいかないかもしれませんが、
 その時にしかできないことを考えてやってみたいと思っています。

10. いつでも売れるようにしたい
 社長になってから8ヶ月。僕が見てきたものは、とても人様に見せられるような
 ものではありませんでした。もちろん、僕にも大きな責任があります。
 また、ファミリービジネスにありがちな閉鎖的な経営だったことも、
 大きな原因だと思います。それで、もうこんな状況に陥らないように
 どんな心構えでいたらいいのかなと考えた時にたどり着いたのが
 「いつでも売れる会社にする」ということでした。
 売るためには、人に言えないことはできませんから。
 お金の面でも、事業の面でも、誰にでも胸を張って説明できる状況でないと、
 誰も買ってくれませんから。

いま、世の中では実質賃金が上がらないのは政府が悪いと言われてますが、
国が何をしようと、給与を決めるのは経営者です。
そして99.7%は中小零細企業。
なので、この国に暮らす人の暮らしは99.7%の社長にかかっているし、
僕も微力ながら含めつつ、彼らがこの国を救うんだと思います。

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広告営業、広告制作の現場、そして社長業を通した実体験を元に記事を書いています。よろしければサポートをお願いいたします。

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三井陽一郎

広告会社の社長やってます。徹夜はもちろん、残業もほぼゼロ。クリエイティブに世界中の課題を解決する、新しい広告会社です。www.ad-mitsui.co.jp
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