私の心霊体験 ~初級編~
今日はハロウィンですね。ハロウィンと言えばお化け。
皆さんはお化けの存在を信じる方ですか?
私は信じる方です。霊感や霊能力は一切ないけれど、そういう出来事に何度も遭遇してきたからです。(今は殆どないです。)
数ある中でも恐怖レベル低めの心霊体験を今日は綴りたいと思います。
勿論、実話です。
十八歳の頃、上京して一人暮らしを始めた。
アパート選びは簡単なものだった。できるだけ駅から近く、安いところであれば、特にこだわりはない。
すると、不動産屋から「この部屋はオーナーさんが家賃を安くするから、是非とも契約してほしいと言っていますよ」と、とある部屋を紹介された。その言葉の意味を深く考えずに、得した気分でアパートを即決した。
違和感を覚えたのは入居してすぐのことである。
昼の二時半と、夜に消灯する時間になると、廊下の真ん中あたりで、手を叩く音が毎日聞こえてくる。いったいこれは何だろう、と不思議に思っていたが、アパートに住むのは初めてだったため、アパートの壁や廊下は変な音が鳴るものなのだろうと結論付けた。
だが、その違和感が恐怖に変わったのは、数日後のことである。
真夜中の二時頃、ギターを弾いて曲作りをしていた。だいぶ形が掴めてきたと思ったため、ラジカセに録音することにした。ワンコーラスなので約一分半の間、ラジカセの前でギターを弾く。
そして、聴き直してみると、弾き終わって消すまでのほんの短い時間に、何か変な音が入っていることに気づいた。私やギターから発した音ではない。そのときに音の出るものなどなかったはずだ。
もう一度よく聴いてみると、私は動けなくなってしまった。
明らかに女の人の声だったからである。
小声だがはっきりと聴こえるのだ。
「来たよ」
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