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【管理費、特別修繕会計の値上げ問題】

マンション管理組合の会計には、主に管理会社への委託費に充てる管理費会計と建物の修繕工事に充てる特別修繕会計があります。
これらの費用は時代の変化や建物の経年劣化により、従来徴収している金額では不足するケースが出てきます。このときに起きるのが、管理費の値上げや特別修繕会計の値上げ問題です。
これら管理費などの値上げ問題には、当然に反対する住民もおり、話し合いがすんなりと進むことは少ないでしょう。この記事では、管理費・特別会計の値上げの要因になることや値上げを抑える方法について解説します。
 
管理費・特別修繕会計が値上げになる要因

はじめに、管理費・特別修繕会計が値上げになる要因についてみていきましょう。
 
管理費が値上げになる要因
管理費が値上げになる要因は、以下のとおりです。
①管理人の時給アップなどにより人件費が増えた
②共用部の損害保険料の改定で値上げになった
③共用部の電気代や水道料などの値上げで月々のランニングコストが増えた
④管理費の滞納があった
 
①に関して他にも、エレベーターや自動ドアの保守点検費のアップ、共用部分の清掃費のアップなど、これらが含まれる管理会社への管理委託費のアップが管理費の値上げに繋がります。
②については、共用部に掛けられる火災保険や地震保険の費用が、損害保険料の改定により値上げになった場合、管理費が値上げになるケースがあります。③については、電気代や水道代の値上げにより、月々のランニングコストが増えた場合です。
④については、管理費の滞納が長期間続き、最終的に滞納分の回収ができなかった場合に値上げになるケースがあります。なお、これら管理費値上げに関する事案は、管理会社より提案され管理組合が採決します。
 
特別修繕会計が値上げになる要因
特別修繕会計が値上げになる要因は、以下のとおりです。
①修繕計画により予め修繕金の値上げが計画されていた
②修繕金が計画通りに集まらなかった
③修繕計画以外の修繕工事が発生した
 
①について、多くのマンションでは、修繕金は段階的に値上げしていく方法が取られています。これは、建物の経年劣化に合わせて必要な修繕費を集めるためです。
②については、修繕費の滞納や修繕計画通りに修繕金の値上げができなかったなど、当初作成した修繕計画通りに集まらなかった場合です。必要な修繕金が集まらなければ、定期的な修繕工事や大規模修繕工事を当初の計画通りにできず、マンションの安心安全を損なう恐れがあります。
③については、自然災害や人的な危害により共用部に損傷個所が発生した場合です。経年劣化などによる補修や設備の交換は、修繕計画に含まれているものの、自然災害などに起因する補修については修繕費用に含まれていません。
よって、これらの要因により、特別修繕会計が値上げとなります。なお、修繕費の値上げも、管理費同様に管理会社から提案され、管理組合が採決します。
 


管理費の値上げを抑える方法
管理費の値上げを抑えるには、下記の方法があります。
①共用部のランニングコストの見直しを行う
②管理委託費用の見直しを行う
 
管理費の値上げを抑えるには、まず共用部のランニングコストを見直すことです。例えば、電気代であれば共用部の照明をLED化することや損害保険会社との契約の見直しや変更を行うことで、管理費の値上げを抑えられます。
また、管理委託費用の見直しもあります。管理人の勤務時間を減らすことや管理委託費用そのものの値下げ交渉、管理会社の変更を行うことで管理費の値上げを抑えられる可能性があります。
 
特別修繕会計費の値上げを抑える方法
特別修繕会計費の値上げを抑える方法は、大規模修繕工事の費用を見直すことです。
大規模修繕工事の見積もりが、仮に管理会社主体で行ったものであれば、その見積もりには管理会社の利益(概ね20%~40%)が含まれています。例えば、大規模修繕工事の費用が総額1億円であれば、そのうち2,000万円~4,000万円は管理会社の利益です。
これらの費用は、管理組合にとって無駄な費用でしかありません。よって、特別修繕会計費の値上げを抑えるには、大規模修繕工事の時に管理組合でも工事の見積もりを取り、適正な工事価格を把握し無駄な出費を抑えることがおすすめです。
なお、工事の見積もりをどこに出してよいのかわからない時は、管理組合と施工会社を繋ぐマッチングサイトが「見積直行便」となります。見積直行便は、管理組合と施工会社を直接繋ぐ、見積もり取得支援サービスです。自らで施工会社を探す手間がなく、簡単に複数社から見積もりを取れる手軽さが魅力となります。
 
まとめ

管理費や特別修繕会計の値上げ問題を解決するには、値上げに繋がる要因を究明し、対策を施すことが必要です。特に、修繕費については、「見積直行便」

を利用すると適切な工事費のもと、無駄な出費をなくし値上げを回避できます。
将来的に管理費などが値上げにならないためには、管理組合で出費するコストについて見直してみるとよいでしょう。

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