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「教員不足」と聞いて思うこと

教員が不足しているというというニュースが
頻繁に流れるようになって久しいですね。


私は元教員なのですが、この教員不足の話を聞く度に思い出す光景があります。

どれも現場にいた頃に出会った光景です。


もしかすると、同じような光景に出会った方もいらっしゃるのではないかなと思うので、文字にしてみようと思います。



「教員不足」と聞いて思い出す光景


①新卒時代の卒業式練習


新卒時、臨時的任用職員(育休代理等)として学校に関わっていました。ちなみに中学校音楽科です。


年明けから着任したある学校で、卒業式練習が行われることになりました。


学年合唱曲も指揮者もピアニストも、学年団にて選定済でした。

そこへ私が、他学年だけれど音楽科として入るという構図でした。


卒業式練習が始まってみてびっくり。

学年は歌わない(シーン…でした)
指揮者はヘラヘラ・フニャフニャ
ピアノはほぼ弾かない(同時にCD流していました)


でも、驚きの初回学年練習が終わった後の学年会で、更なる驚きが待っていました。


ベテラン教諭がお怒りの様子で、こんな風に怒鳴っていました。

「なんなんや!あの歌は!」
「なんであんな曲にしたんや!」
「なんで指揮者アイツにしたんや!」
「ピアノどうなっとるんや!」


怒鳴りながら見ていたのは…そう、私。
私がめちゃくちゃに怒られていたんです。


え…私はついこの間この学校に来て、曲も指揮者もピアニストも学年で決まってたじゃん。

と思いましたが、その場でケンカしても仕方がないので「すいませんでした」と頭を下げました。


結局その学年会は「次までにちゃんと指導しとけよ!」で終了。

"ちゃんと"って何だよ…と思いつつも、翌日から自分の学年よりもたくさん3年生と関わりました。


後から分かったのですが、学年合唱曲が例年の定番曲ではなかったため、子どもたちに不評だったようです。


ちなみに、とてもお怒りだったベテラン教諭は、
次の学年練習で相変わらずシーン…だった歌に対して
「前回より良くなってるなぁ~と感心してます」と、おどけた様子で言っておられました。


「アンタも"ちゃんと"指導せんのかい!」
と、怒りが湧いたことをよく覚えています。


結局私は、責任逃れをするための丁度いい駒として扱われたんだなと思いました。



②「何も知らない」管理職

こちらは以前の記事にちらりと書いたお話です。

一緒に働いて2年目になる管理職に
「ワシはアンタが何しとるか知らん!」
と言われました。


1年目ならまだしも、2年目に「知らん」て…


昨年度の業績評価、どうやってつけたの?
当たり障りない感じで適当につけたのかな?
何やってるか知らないのに、何書いたのかな?

…と「知らん」の一言より、私の心は不信感でいっぱいになりました。


まぁでも、本当は違う意図が込められた「知らん」で、私がその意図を読み取れなかっただけなのかもしれません。



③教育センターでの研修

私のいる市では、年次研修が教育センターで行われていました。

その日もいつものように課題が出て、個人→グループ→発表の流れでした。


グループワーク中、センター職員は前の方に座っている、小学校・高校のグループと長い時間お話をされていました。

後ろの方の席だった中学校のグループには、ほとんど回ってこられなかったように記憶しています。


そして発表タイムになりました。
発表グループとして指名されたのは
職員がずーっと話していたグループでした。


別に、私のグループが発表したかったのに!と言いたいわけではありません。発表はどこでもいいんです。


ただ、その時の私が思ったことは
「なんだ、最初から決まってたんじゃん」でした。


そもそも、研修の振り返りシートを記入していても、読んだか読んでいないかも分からない状態で返却され続けている状態に

「エンゲージメント(会社に対する愛着心のようなもの)下がるわぁ…」

と思っていたところへやってきた、
この回ってきていないけど決まっている発表。


私の中で、見てないんじゃない?が
見てないんだね!に変わった瞬間でした。




組織への不信感

・丁度いい駒にされたな
・知らないけど適当に評価つけてるんだな
・全員を見る気ないんだな


どれも珍しい現象ではなく、あなたにも似たような経験があるのではないでしょうか。


でも、こんな風に不信感を抱いている人をこのまま放置しておくことは、実はとっても危険なんです。


なぜなら、最初は「あの人が…」と個人に向いていた不信感はやがて、組織への不信感へと変わっていくからです。


不信感を抱いている相手が役職などをもっていて、いわゆる"組織や上司から評価されている"ように見える人であるなら、なおさらです。


不信感を抱いてしまうような言動をとる人がいる
     ↓
そのような言動が放置されている
そのような言動をとる人が評価されている
     ↓
この組織はそういう人を評価してるのか!
     ↓
そんな組織を、上は良しとしているのか!


と、個人に向いていた不信感はやがて
学校への不信感、教育委員会への不信感、国への不信感という風に広がっていってしまうのです。


強い不信感を抱えたまま働くことが、仕事のパフォーマンスやメンタルヘルスに大きな影響を与えることは、もうお分かりだと思います。



まとめ

「教員不足」と聞く度に私が思うこと

それは
内部に、離脱を促している人がいらっしゃるよ
ということです。


時間と労力をかけて採用活動を行っても
エンゲージメントを下げ、離脱を促す人が内部にいたのでは、元も子もありません。


ただこれは、個人が悪いわけではありません。

悪意をもって、意図的に離脱を促しているわけではないからです。


過去の苦い経験を思い出す度に、マネジメントの基礎知識が広がることが大切だなと感じています。




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