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3つの好きな映画|イスラエルとパレスチナ篇

ここ最近のニュースを見ても、なんだかやっぱり表層の情報しか届いてないような気がして、全然理解できない。。。

ガザ停戦合意」というなんとなく一区切りついたかのような速報も流れ、おそらく日本に入ってくるニュースは今後一気に収束していくことが予想されるけど、実際は何も解決していないわけで、、

ニュースに対する色々なコメントを見ても、イスラエルが悪かったり、パレスチナが悪かったり、ハマスとパレスチナは分けて議論しないと間違う、というコメントがあったり、かつてのイギリスの三枚舌外交まで遡らないと〜、いやいや十字軍の〜、そもそも紀元前の古代イスラエル王国の〜 などなど、やっぱり奥が深すぎる。。。

歴史、宗教、人種、経済、政治、科学技術、環境が入り乱れているイスラエルとパレスチナ

キリスト教とイスラム教の起源であるユダヤ教を信仰し、3つの宗教の聖地エルサレムがあるイスラエルを国家とするユダヤ人。

キリスト、フロイト、マルクス、アインシュタインもユダヤ人で、googleやfacebookの創業者もユダヤ人で、スピルバーグもボブディランもブルーノ・タウトもアントニン・レーモンドもユダヤ人で、ノーベル賞受賞者の22%がユダヤ人。

紀元前1000年に世界人口5000万人のうち500万人がユダヤ人

紀元66年にローマ帝国に反乱を起こすが鎮圧され世界各地に離散

十字軍時代にキリスト殺しの罪を背負うと迫害され、1600年にはヴェニスの商人で高利貸しの設定で登場

1900年にはシオニズム運動が起こり、戦後イスラエルを建国

そんなイスラエルが、今では先進国というだけでなく、VC投資額もハイテクスタートアップ企業数も人口一人あたり世界一。砂漠だらけなのに農業先進国でもあり、水のリサイクル率は70%。

核保有5大国(米露中英仏)以外で核を保有する唯一の先進国でもあり、世界最大の難民数となるパレスチナとの国際紛争を抱える。

そして、パレスチナとは8mもの高さの分離壁で隔てられ、バンクシーが市街の各地に絵を描く。。。

歴史、宗教、人種、経済、政治、科学技術、環境などなど、様々な情報が入り乱れているイスラエルとパレスチナ。

と、いうことで、イスラエルとパレスチナについて深く理解するには、その国の映画を見ることが一番いい。日本語のニュースをどれだけみてもわからない。
その国でつくられた映画から感じ取れる空気感に勝るものはない、と思う。

テルアビブ・オン・ファイア 2018 /イスラエル

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パレスチナで放送されているドラマがイスラエルでも人気だったり、毎日撮影所に通うのに検問所を通らないといけなかったり、イスラエル人の望むストーリと、パレスチナ人の望むストーリーが、それぞれの抱える歴史的背景から全然違ったり、、

イスラエル人とパレスチナ人の、普通の人の普通の日常が垣間見れる、とてもいい映画。


オマールの壁 2016 /パレスチナ

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分離壁って登れるんだ、、ということすらニュースだけではわからない。
毎日知人に会うために命の危険を犯しながら壁を登る。

アラブ社会の考え方、イスラエルの秘密警察の思惑、占領下で繰り広げられるパレスチナの人々の悲喜こもごも、、ここ数年で一番いい映画。


パラダイス・ナウ 2005 /パレスチナ

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イスラエル占領下の西岸の街。パレスチナ過激派の若者が実行役に選ばれて、自爆テロへと向かう話。

気の狂ったおかしな人ではなく、ごく普通の若者がごく普通に自爆テロに向かう、非日常ではなくごく普通の日常を淡々と切り取っている映画。

パレスチナの監督がイスラエル人プロデューサーの協力を得て現地でロケし、途中でドイツ人スタッフらがその一帯の治安の悪さに恐れをなして逃げ出しながらも、なんとか完成させた渾身の一本。


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