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理科の授業で起こした事件

風の噂で、
”ある先生”が亡くなった
と一報を受けます。

その人は中学の頃、
理科を担当する先生でした。

名前は、松平先生(仮)です。

中学当時の先生の年齢は、
60歳に近かったはず…

わたしも”あの頃”からは
20年以上の月日がたとうとするので、
そうした意味で
適齢期を迎えられたのだと感じます。

一報を聞いた瞬間、ふと
昔の記憶がよみがえってきました。

せっかくですので今日は、
そんな…松平先生との思い出話を
皆さんと共有させてください。



✔居留守事件

松平先生は、お茶目な方でした。

どこか間がズレていて、
とっつきやすい人でもあったので
生徒からは人気がある先生でした。


ある日のことです。

その人は「移動教室の日」。

当時、わたしたちの教室のある本館とは、
別棟に理科室がありました。

ちょうど、理科室の窓から
向かい側の本館が見えて、
わたしたちの教室も見えました。


さて…始業時間を迎えると、
「そろそろ、先生が来る」と
みんな授業の準備のために席につきます。

すると、ひとりの生徒が
「おい!見ろよ!
 先生、あっちに向かってるぞ!!」

と声を荒げます。

パッと向かい側の教室を見ると、
目の前の廊下をさっそうと歩く
松平先生の姿が見えました。

どうやら、
「移動教室の日」ということを忘れて、
”いつもどおりの教室”に向かったようです。


「松平先生、勘違いしているぞ」と
わたしたちの理科室は大騒ぎ。

年頃の中学生なので、
こういったアクシデントは
刺激的な体験です。

そんなこんなで、松平先生は
間違った教室に入るやいなや
「あれ~」とした動作を取っていました。

そして、すぐさま
「移動教室の日」ということを思い出し
慌てて、わたしたちのいる理科室に
Uターンします。

そういった一部始終を、向かい側から
見ていた生徒であるわたしたち。

笑い声も混じるように
理科室内は、どよめいていました。

すると…

ひとりの男子生徒が動き出します。


「理科室を中から鍵を閉めて、
 居留守しようぜ」


教室を間違えたというアクシデントを
より刺激的なものにしようと
彼は、悪だくみをたくらんだのです。


不思議と「居留守する」という悪さに、
生徒の誰一人として
止める人はいませんでした。
(もちろん、わたしも含めて)

その行動自体をオモシロおかしく
眺めている側でしたね。

そして、松平先生は
理科室にたどり着き
ドアノブを回すも扉はあかない…

扉の曇りガラス越しに見える
松平先生の姿は首をかしげています。

それを見て、わたしたちは
クスクスと笑いを浮かべていました。

「いけないことをしている」
と分かっていながらも、
こういった状況を楽しんでいたのです。

いくら鈍感な松平先生でも、
「これは度の過ぎたイタズラだ」
と気づいたようで…

すぐさま
わたしたちの担任の先生を呼び出し、
見事に逆鱗の触れたのでした(-_-;)>
(当時の担任の先生は、
 めっちゃ怖かったです)

主犯格の男子生徒は、翌日には
丸坊主で学校に登校してましたね。


* * * * *


中学校3年間の思い出となると、
この「居留守事件」を思い出します。

ほかにも選りすぐりの思い出はあっても、
今回の「居留守事件」ほどの
インパクトはありません。

そもそも、ほかの先生では
こういった行動は起こさないものです。

松平先生の愛着あってこそ。

もちろん、行き過ぎたイタズラは
成敗されて然り…

この事件は良い経験だったと感じます。


松平先生、
ステキな思い出をありがとうございます。

先生のご冥福をお祈り致します。

では、また。
失礼します。

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