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深夜のラブコール【青ブラ文学部】

深夜に携帯が鳴った。
こんな時間に連絡が来るなんていい話であるはずがない。
誰からなのか確認すると理沙からだった。

理沙は今一番親しくしている女性だ。
もちろん肉体関係はあるが、こんな時間に電話をもらうような間柄ではないはずだ。
少し不機嫌を装うか。

「もしもし、何だよこんな時間に」
電話の向こうから啜り泣く声が聞こえる。
「おい理沙、どうした? 何があった?」
「ヒック マー君 ヒック わらしもうらめらわ(←以後読みにくいので普通の言葉にします→ 私もうダメだわ) ヒック 今までありがとね ヒック」
「理沙、意味が分からんぞ。何がダメなんだ?」
「自分の人生に絶望感じちゃったんだ ヒック」
「意味が分からんが今からそっち行くからその場を動くなよ」
「ごめんねマー君 あと頼む」


あのバカやろーが!! 手首か? そういやちょっと呂律が怪しかったな。酒飲んでやったのか? もう勘弁しろよー、きっと部屋ん中グチャグチャじゃねえか?


合鍵で部屋に入る。とりあえず血の匂いはしない。
考えればこの合鍵を使うのは今夜が初めてだな。いつもは連絡してからでないと来ないからな。だって女の一人暮らしなんだからマズいことだってあるだろうよ。


「理沙、どこだ?」
何だ? ベッドで寝てやがる。えーっと眠り薬が大量にビールか。ほとんど飲めねえくせに。

「おーい理沙」
軽くホッペを叩いてみる。まだ反応がある。大丈夫だ。とにかく吐かさないと。トイレか? いや風呂場がいいな。
「理沙、起きろ。今から吐かせるからな。覚悟しろよ」

理沙を風呂の洗い場に座らせる。
「口開けろ」
シャワーを頭から浴びせかけた状態で無理やり指を突っ込む。
理沙は二度立て続けに嘔吐した。これで一安心か。

濡れたTシャツから乳首が透けて見える。
チキショー、こんな時でも下半身は反応しやがる。

「理沙、最後にもう一度がんばって吐け」
「マー君、もう大丈夫だから」
「まだだ、今から医者行って胃洗浄だ」
「もう大丈夫だってば」
「いうこと聞かないなら今後付き合いはなしだからな」
「聞きます。ところでマー君はどうして全裸?」
「風呂場でシャワー浴びながらだぞ、濡れるじゃねえか」
「どうして私は服着てるの?」
「お前は自分ちなんだから何とでもなるだろうよ」
「それでどうしてちょっと元気なの?」
「いいだろ」
「私に欲情しちゃった?」
「濡れて透ける乳首が艶っぽいなって」
「続きする?」
「バカ言ってんじゃねえぞ」
「できるくらいには元気になったと思うんだけど」
「今度ゆっくりな。それより医者行くからさっさと着替えろ」
「はーい」


彼女は無事日常生活に戻ることができた。
病院では色々聞かれたみたいだが、俺は聞かなかった。
理紗のことだ、言いたくなったら勝手に喋るんだろう。
それまで答え合わせは無期限延期だ。

今週も参加させていただきます。
山根さま よろしくお願いいたします。


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