見出し画像

ドナドナドーナー、ド〜ナ〜から25年

 今日はNHKをつけて昼食をとっていると、番組と番組の間に朝ドラ『虎に翼』の主人公のモデルとなった方の短い紹介番組があった。女性には厳しい時代だったろう…と思う。それでも、田舎で暮らす昭和世代の長男の嫁の私には、家制度が廃止されても価値観としての女性蔑視はフツーにあるよなぁと思う。そんな田舎の嫁としてアレコレ思うままに書いてみたい。


 早くに亡くなった『長男の嫁』と呼ばれる方のお葬式で「ご苦労なさって…」と、嫁にとって最高の賛辞で送られるのを見て、震え上がったことがある。

 嫁ぎ先の町内会の約半分が同じ苗字で、ほぼ親戚と知り、盤石という言葉を知った。

 令和の世になっても「男なんて手のひらで転がすもの。」と、得意気に話す義叔母さまに「流石ですね。」と言いつつ、『なんだよ、利権屋かよっ』と心の中で悪態をついた。

 田舎では今も続いている、五体投地のような挨拶を、そろそろやめたい。

 長男の嫁として嫁ぐにあたり、母から「あちらのご両親に可愛がって貰えるように頑張りなさい。」と言葉をかけられ、頭の中で『ドナドナドーナー、ド〜ナ〜♪』が再生された日のことは、今でも鮮明に覚えている。

 そんな私が、幼い娘をあやしながら兵法書を読み『戦わずして勝つ。』を模索していた時代がある。 

 ご同輩のなかには「長男の嫁にむかって、好き勝手なことなんて言わせないよっ」と言い、家父長制の権力構図強化に無自覚に加担してしまう方もいる。

 家父長制はモラハラに姿を変え、より一層根深い問題になっている気がする。いつの時代も、閉ざされた世界での支配は蜜の味なのかもしれない。

 最近は、本家&長男の嫁という名誉職を生涯全う出来る気がしない。
 


 


この記事が参加している募集

今こんな気分

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?