漫画原作「GATHERING OF WARRIORS」

①セコノミシティー
都市。住宅、飲食店が立地。
N 「幻獣(モンスター)が多量発生後の世界」
親子や散歩中の老人達が歩行。
N 「崩壊した世界は、復興しようとしていた」
蝶が飛ぶ花壇。
N 「しかし、世界には幻獣が出現し、人々の生活を脅かしていた」
幻獣トロルの群れの足が、花壇の花を踏む。3m前後の身長、筋肉質の長い両腕、棍棒を携帯、坊主頭で原始人の様な衣服のトロル。物を破壊するトロル。逃げ遅れた母子にトロルが迫る。
N 「だが、武器を持ち、幻獣に立ち向かう者達がいた」
トロルに複数の矢が命中し倒れる。
弓を引いたのは戦士の浅上紬(あさがみつむぎ)。ベアボウ(弓に略)を持ち、レディースの迷彩服を着用、チェストガード、アームガードを装着し、背中にはバック矢筒を背負い、足の拳銃嚢には、ワルサーPPS(拳銃に略)を納める紬(イメージ金村美玖)。
N 「立ち向かう者達を戦士(ウォーリア)と呼んだ・・・」
母子に接近する紬。
紬 「逃げて」
脱出する母子。迫り来るトロルの群れ。再び弓を弾く紬。しかし、トロル群れに、銃弾が被弾。
紬 「? 」
銃弾の方向を振り向く、ミニミ軽機関銃(軽機関銃に略)を構える村雲太一(むらくもたいち)がいた。自衛隊の鉄帽、迷彩服、防弾チョッキを装備している太一(イメージ岡林裕二)。
太一「助太刀するぜ」
ニヤリと笑う。
紬 「有難う」
矢と軽機関銃を同時に撃つ。複数の矢と銃弾がトロルに降り注ぐ。被弾し倒れるトロル達。
別方向から、トロルの増援。
太一「新手か! 」
銃把を強く握る。紬と太一に迫るトロル達。
声 「オイ! 」
声が聞こえ振り向く、トロル。
振り向いた方向に、M203A2付きのM4カービン(小銃に略)を携帯、ポンチョを着た少年射鹿結(いるかゆう)がいた。
SPCとPALSを装備、足の拳銃嚢にグロック19M(拳銃に略)を納め、ベルトに刀を括り付けている結(イメージ吉沢亮)。
結 「俺が相手だ」
小銃を構える。
結 「来な」
鋭い目のアップ。
結に襲いかかるトロルの群れ。
立ち撃ちで、小銃を撃つ結。次々と、銃弾が被弾して、倒れるトロル群。
生き残った1匹が結に迫り来る。
太一「危ない! 」
結に襲い掛かろうとするトロル。
結 「仕方ない」
小銃を脇に置き、刀に手をかける。
結 「今だ」
接近したトロルを、刀を抜いて、横一閃で斬る。倒れるトロル。
刀を鞘に納める。
太一「戦士の村雲太一だ。スマン、助かった」
結に駆け寄る。
結 「俺は射鹿結。同業だ」
紬 「私は浅上紬。この街の戦士」
結 「無愛想だなコイツ」
紬を見て、小声で呟く。
太一「?」
トヨタオリジンが3人に接近。
ドアを開き、市長(イメージ古館寛治)と散弾銃を携帯した自警団員が現れる。
市長「セコノミシティーの市長です!」

②市役所・建物
軍隊の最前線基地のような市役所。正方形で鉄条網が敷かれ、監視塔が設けられて、幻獣の襲撃に備えている。
会議室。長机とホワイトボードが設置。
長机には、結と太一が座っている。向かい側には、市長と紬がいる。
市長 「あの地域は街で警備が手薄な場所なので貴方達がいなかったら大変な事になっていました」
一礼。
結 「いえ、俺達は、あそこを通り掛った者です」
太一「そんな事より、私達を呼んだのは何でしょうか? 」
市長「セコノミシティーから、半日前後の距離にあるブランシティーと言う廃墟の街が有ります」
回想無人の廃墟の街。倉庫が多い。
市長「食料等の物資は少量ですが、家具や器具等の物資が多量にあります。これは生活品や他の都市との貿易に使えます」
回想家具店の内部。ソファー等の家具が多く置かれている。
市長「ですが」
険しい表情。
結 「何かあるんですか? 」
市長「実は道が入り組んでいる事とブランシティーに幻獣が多数います」
太一「成程! だから、どの街も寄り付かないのか」
手を打って、納得。
市長「貴方達には先遣隊として、ブランシティーに行って貰い幻獣を討伐してもらいたい!」
頭を下げる。
市長「村雲さんは、大型の幻獣の専門家」
頭に手を当てて照れる太一。
市長「射鹿さんは、ノートシティーでドラゴンを倒した戦士としてもう有名です」
前作の結対竜の場面が挿入される。
結 「否、アレはその場に居た人達で倒したから、俺一人の力じゃないから・・・」
苦笑い。
市長「二人に是非お願いしたい!」
頭を下げる。
結 「了解しました。但し、料金は高いですよ!」
笑う。
市長「有難うございます」
一礼。
市長「先遣隊には、この街の戦士の浅上君も同行します」
紬 「よろしく」
頭を下げる。
市長「では、先遣隊として、ブランシティーの幻獣を討伐してください!」
机に両手をついて、深々と頭を下げる。
結 「市長頭下げ過ぎ・・・」
市役所を背に、太一が運転、結と紬を乗せた自衛隊の高機動車が出発。

③森林(夜)
森林。停車している高機動車。焚火をしている結達。
太一「予定では、明朝にはブランシティーに到着だ」
地図を見て言う。結と紬は体育座り。
結 「調査・発掘の後発隊が来るのは、午後。それまでに、幻獣は倒さなければいけないって事か」
ペットボトルを持ちながら言う。
紬 「ねえ、何で二人は戦士になったの・・・」
火を見ながら言う。
太一「俺は、自衛官だった。自衛隊も消滅して、仲間も戦死。何も無くなって、戦士になった」
頭に手を当てる。
結 「たっさん、だったら、防衛軍や自警団に入れば良かったのに? 」
太一「いや、俺は一人の方が性に合ってる。戦士の方が楽だからさ」
笑う。
結 「俺は家族と友達と生き別れになった所を日本に残ってくれたアメリカの海兵隊に助けられて、一緒に行動した」
両手に手を当てる。
紬 「友達」
結の顔を見る。
結 「海兵隊の皆には、射撃、格闘、サバイバル術や俺に生きる術を教えてくれた。相棒のM4は形見の品だ・・・」
小銃のアップ。
太一「そうか」
下を向いて言う。
紬 「私は・・・」
紬の方を振り向く二人。
紬 「私は、目の前で、幻獣に友達を殺された。何もできなかった」
結も、太一も何を言っていいか分からない表情。
紬 「だから、強くなって、戦士になった。目の前で同じ事が起きない様に」
下を向いて言う。
結 「そうか」
太一「明日は早いぞ! 休憩終わったら、即出発だ!」 
切り替えて、地図を上に上げて言う。

④ブランシティー
倉庫、貸コンテナ、自動車販売店、ガソリンスタンド、家具店が立地。

⑤ブラン倉庫
倉庫の中で、「ブラン倉庫(株)」と書かれた看板の大きい倉庫がある。倉庫の入口には、幻獣のミノタウロス(牛に略)が2体警備。身長2.5m、頭部は牛、身体は人間で筋肉質な身体で褌を着用の牛。斧を携帯。
近くの「ブラン器具店」に身を潜める結達。
太一「あそこが、幻獣達のアジトか」
双眼鏡で確認。
太一「来たのは良いけど、街の至る所に幻獣がウジャウジャいるぞ」
後ろの結と紬に振り向く。
紬 「此処が幻獣達の前線基地だ。ここから、街を襲撃してる」
険しい表情。
太一「! 」
牛の集団が倉庫から出て来る。
太一「幻獣が出て来る」
結 「打って出る! 」
紬 「どうする気? 」
結 「あの幻獣の群れと戦う」
太一「気は確かか? 」
結 「群れが戦闘してると知れば、倉庫の中や街にウジャウジャ居る幻獣達が倉庫を中心に一気に来る」
太一「成程! 」
笑顔になる。
結 「倉庫の幻獣は二人に頼む。俺も幻獣の群れが片付いたら合流する! 」
小銃を持って、器具店から出ようとする。
紬 「了解」
結 「銃声が合図だ! 二人共、よろしく頼む!」

⑥コンビニ
『ノートマート』と書かれた看板のコンビニ。その前を通り掛る牛の群れ。
牛 「!」
結が登場。小銃は脇に置いている。
結 「よう! 幻獣共!」
斧を構える牛達。
結 「パーティを始めようか!」
拳銃を構える。

⑦ブラン倉庫
倉庫。銃声が響く。
幻獣達「!?」
銃声に驚く牛とトロル達。
太一「作戦開始だ!」
身を潜めていた太一と紬が立ち上がる。

⑧コンビニ
結と牛達の戦闘が展開。
拳銃を納め、刀を火の構えで構える結。先頭の1匹目の牛が襲い掛かる。
結 「ハッ!」
斜め一閃で、牛を斬り倒す。
結 「何の!」
続いて、斧で襲い掛かって来た牛を仰け反って回避した後、横一閃で斬り倒す。
結 「成程」
牛達が結の四方を包囲している。いつ、攻撃してくるか分からない牛達。
刀を中断の構えに直し睨みをきかす。
結 「どっからでも、かかって来い!」
血気迫る表情の結。一斉に襲い掛かる牛の幻獣達。
1匹目の牛を縦一閃で斬り、続いて襲い掛かる二匹目を斜め一閃で斬る。

⑨ブラン倉庫
倉庫では、出て来たトロルや牛達と太一と紬の戦闘が続く。
太一「この野郎!」
次々と襲い掛かる幻獣達を太一が軽機関銃で撃つ。
紬 「キリがないわね」
紬が拳銃で射撃。
太一「新手かよ!」
倉庫から、牛達が多量に出て来る。再び構える太一。
紬 「仕方ない」
持ってきたバッグから、ダイナマイトとライターを取り出す。驚く太一。ダイナマイトに火を付け、襲い掛かる牛達に放つ。大爆発して、倒される牛達。
太一「紬! それ持ってるなら、早く言えよ!」
紬 「ゴメン」
太一・紬「!」
別方向から幻獣達の増援が出現。再び構える二人。
しかし、擲弾が幻獣達に向かい、大爆発。現れた結。
太一「結!」
結駆け寄るに太一・紬。
結 「さっきの幻獣と街に居る奴らと戦って来た」
紬 「なら好都合ね。倉庫の幻獣もほぼ型が着いたわ」
結 「なら、一件落着って事か」
笑顔。
声 「お見事! 」
結・太一・紬「!? 」
謎の声に警戒。声の主、男性の高人類の次瑠。高級スーツを着用している次瑠(イメージ玉木宏)。上空で飛行し、三人を見下す。
次瑠「私の名は次瑠(ジル)、面白い物を見せてもらった」
太一「空飛んでる! 」
紬 「アイツは? 」
結 「高人類(ハイヒューマン)。幻獣の世界の支配者だ! 」
額に汗する。前回の覇奈の場面が挿入される。
次瑠「君は射鹿結! 覇奈と互角に戦って、引き分けた人間だそうだね」
前回の結対覇奈の場面が挿入される。
次瑠「前線基地の視察で、まさか君に会えるとは。だが、君達には、ここで消えてもらう」
三人を見て言う。上空から、三匹のグリフォン(鷲獅子に略)が出現。5m前後、上半身鷲、下半身はライオンの鷲獅子。鷲の嘴、翼と前、後ろ脚に鋭い爪がある。
次瑠「君達の戦う相手だ。頑張りたまえ」
と言って、瞬間移動で消える。
太一「消えた? 」
結 「気を付けろ! 新手が来る! 」
構える三人。上空から1匹目の鷲獅子が結目掛けて襲来。
前足の爪で攻撃するが、結回避。
結 「甘い」
鷲獅子目掛けて小銃を撃つ。銃弾が被弾して倒れる。
太一「あっけなかったな」
鷲獅子の亡骸から、オーラが発生して、上空の2匹に吸収、目付きや爪が鋭くなり、大型化する。そして、2匹目が飛来して襲い掛かる。
結 「懲りないな」
小銃を撃つ。しかし、銃弾が鷲獅子の体から発生したバリアで弾き返される。接近して襲い掛かる鷲獅子。
結 「?」
攻撃が効かず驚く。
紬 「伏せて」
伏せる三人。近くの「ブラン食堂」と言う店を見た結。
結 「皆、あの食堂に避難だ! 」 
食堂に避難。

⑩ブラン食堂
食堂。メニュー、カウンター、テーブルが設置。結・太一・紬がしゃがんでいる。
太一「何があった結? 」
結 「相棒の攻撃が通用しなかった。恐らく、次瑠が魔法で相手の攻撃を喰らったら、次は無効化する罠をはった」
太一「あの野郎! 」
紬 「どうするの? 私達の武器は、次々使用できなくなるわよ」
弓、軽機関銃、小銃のアップ。
結 「1匹は武器を使用しないで倒す。最後の1匹は総力戦だ」
紬 「言うのは簡単ね、計画はあるの」
結をジッと見る紬と太一。
結 「計画・・・」
窓の外を見る。
結 「!」
何かに気付く。
結 「調達すれば良い!」
倉庫の近くの建設車両群、ガソリンスタンド、幻獣達の亡骸を見て言う。

⑪ブラン倉庫
上空で鷲獅子が2匹飛行。結が現れる。小銃はスリングして、幻獣の棍棒を構えている。
結 「幻獣共俺は逃げも隠れもしないぞ! 」
1匹の鷲獅子が襲い掛かる。前足の爪で切り掛かって、SPCに傷を与える。
結 「何の! 」
棍棒で鷲獅子を攻撃。
結 「そろそろだな」
持ち堪える。若獅子後ろの足の爪でSPCに傷を与える。
更に攻撃する鷲獅子。飛んでくる斧が鷲獅子に直撃。
紬 「お待たせ」
多くの斧や火炎瓶を持った紬が合流。
結 「グッドタイミング」
鷲獅子に目掛けて斧を投げる紬。たじろぐ、鷲獅子。火炎瓶に火を付け、鷲獅子に投げて落ちたが周囲が火に包まれる。
紬 「後は」
発煙筒を鷲獅子に投げ、煙が発生。
結 「たっさん、早く! 」
煙の中から現れる鷲獅子。しかし、結と紬がいない。周囲を見る鷲獅子。
タイヤのアップ。太一の運転する大型のクレーン車が登場。鷲獅子目掛けて体当たりをする。鷲獅子も前足で押して抵抗。
太一「ウオー」
アクセルを踏む。結、紬も斧や棍棒を投げて援護。
太一「この野郎! 」
血気迫る表情。クレーン車が圧倒し、体当たりに成功。クレーン車が鷲獅子ごと、倉庫の壁に衝突。
結 「たっさん! 」
クレーン車から降りた太一に駆け寄る。
紬 「残るは1匹」
太一「ここからが本番だ! 」
衝突した鷲獅子からオーラが発生。上空にいる鷲獅子に吸収し、大型化。結達目掛け一直線に飛来し襲撃。結達も其々の武器を構える。
結 「さあ! 決戦だ! 」
襲撃する鷲獅子に向かい、拳銃を撃つ。鷲獅子に銃弾が被弾。
結 「たっさん! 」
太一「あいよ! 」
軽機関銃を撃つ。被弾して押し返されるが、それでも前進する鷲獅子。
太一「プレゼントだ」
鷲獅子目掛けて、手榴弾を2個投げる。爆発。爆発の中出現する鷲獅子。
太一「紬! 」
紬 「了解! 」
鷲獅子目掛けて、矢を何発も放つ。矢が命中、ダメージを与えるが、それでも前進する。
紬 「最後の1個! 」
ダイナマイトに火を付けて、鷲獅子に投げる。大爆発。
爆発の中から、鷲獅子がダメージがありながらも結達目掛けて襲い掛かる。
紬 「結! 」
迫り来る鷲獅子に小銃を構える結。
狙いを定める結。
結 「フィニッシュ!」
鷲獅子目掛け擲弾発射。一直線に向い命中し大爆発。倒れる鷲獅子。
太一「やったなあ」
一息つく。
太一・紬「!」
鷲獅子が最後の力を振り絞り、結達の襲い掛かろうとする。前に出る結。
結 「ハッ!」
刀で一気に鷲獅子を斬る。完全に活動停止。
太一 「流石だぜ」

⑫市役所・建物
市役所。ブランシティーから発掘した物資を積んだ後発隊の多数のトラックの到着で市長や職員が歓喜に沸く。近くで見ている結と紬。
紬 「有難う、町の皆も喜んでるわ」
結の横で言う。
結 「礼を言うのは俺の方だ。紬やたっさんがいなかったら、幻獣に勝てなかった」
紬 「家族や友達に再会出来ると良いわね」
結 「お前こそ、この町で友達の分も生き続けろ」
紬 「有難う。分かったわ」
笑顔で頷く。
市役所を後にする結。そこへ、高機動車が止まる。
太一「次の町まで、乗ってかないか?」
笑顔。
結 「全く」
結も笑顔。

⑬森林
広大な森林。
N 「その頃」
森林を見渡せる崖の上で長袖白セーラー服を着たツインテールの少女がいる(イメージ伊藤理々亜)。
少女「ここに居るのか?」
横顔。
少女「反乱分子のライアンが!」
少女の顔のアップ。そして、「To Be Continued」の文字。