保永貞夫という作家

うちの父のいとこに当たるのかな?うちの家は血縁関係が複雑でよくわからないんだけど、保永やすながのおじさんと呼んでいたのでそれでいい。


この人、私が小さい頃から児童文学や子供向けの翻訳本をよく書いていたので、送られてくる新刊本はすべて私のものになった。新しいものをあんまり買ってもらえなかったので、とても嬉しかったのを覚えている。


この送られてくる数々の本のおかげで、私は読書が大好きになった。中でもジュール・ベルヌの「地底の探検」は大のお気に入りで、何度も何度も読んだ。つい最近、市の図書館のネット検索で調べたら、なんとこの本があった。懐かしい。今度借りに行こうかな。


おじさんのおかげて本が大好きになった私だが、まさか自分が、いくら電子書籍とは言え本を出すようになろうとは思いもしなかった。それも還暦を過ぎてから。


ややこしい家系なので、おじさんとは言っても多分血は繋がってない。それでも私が文章を読むのが好きな子供になったのは確実におじさんの影響だし、おじさんの書く文章が私の「書くこと」の原点であることに間違いはない。


もともと内気で友達も少なく、思ったことをちゃんと言えない子供だったし、「書くこと」は私の心に翼を与えてくれたのかもしれない。でもそのことに気づくまでに長い時間が必要だった。自分にはそんな才能ないって、おじさんだからできるんだって、ずっとずっと思っていたから。


結婚して、子供が生まれて、その子供も大きくなって、結婚も卒業して、それなりに暮らしていたけれど、去年病気になって、入院手術ということになった。誰でもが体験することではないから、この際いい機会だと思って闘病記を、それも電子書籍を出す前提で書くことにした。


ブログは7年ほど書いていたけれど、頑張って更新もしていたけれど、こんなに真剣に毎日書いたことはなかったような気がする。実を言うと、書いていないと自分がどうにかなってしまいそうだった、という部分もあった。不安に押しつぶされそうな時もあった。


でも書くことでどうにか日々を過ごしていけたように思う。病気にならなければこんなに文章を書くようにはならなかったかも、と思うと、病気に感謝するべきか。


おじさんの本は図書館の児童文学コーナーに何冊かあった。あなたの街の図書館にもあるかもしれないから、1度見て、何なら読んでみてほしい。

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