みやじしゅうさく

「みやじまん」と呼ばれています。 2017年日本地理学会賞(社会貢献部門)受賞。主著は…

みやじしゅうさく

「みやじまん」と呼ばれています。 2017年日本地理学会賞(社会貢献部門)受賞。主著は『経済は統計から学べ!』、『経済は地理から学べ!』(6万4500部)、『目からウロコのなるほど地理講義』など13冊、拙著の累計発行部数は20.7万部。Yahoo!ニュース個人のオーサーです。

マガジン

  • 『5分くらいでわかる地理』

    世界各国、「地理情報の今」をお届けします 地誌とは自然と人間生活の相互関係を総合的に考察して地域的性格を究明していく学問です。かつて学んだ知識は、激動の世界情勢において日々変化していきます。現代世界の今を学ぶことでちょっとだけ教養が身につく、そんなブレーンパーティー。あなたの知識をアップデートしませんか?

最近の記事

#004:紙

一般的に書籍が世に送り出されるまでには、様々な行程を経る。 「今度お仕事をさせていただく編集者は、どんな編集方針なのかな?」 最初の打ち合わせのさいのワクワク感がすごく好き。 「どんな反応が返ってくるかな?」 目次案とサンプル原稿を送ったときのワクワク感はもっと好き。 書籍というものは、それを世に送り出す前に、まずは編集者が「面白い!」に言ってもらわなければならないと思って書いている。 編集者の目論見はだいたい当たっていると信じているし、その方がより良い書籍ができると思

    • #003:好い加減

      鐘というものは、打ち方によっては響くこともあるし、そうでないこともある。 打っていて面白いのがどちらなのか、それは明らかだ。 そして、早晩「打っても響かない鐘」に意識が行かなくなるのは当たり前のこと。 これは、人間も同じ。 小さく打てば小さく響き、大きく打てば大きく響く。 しかし、響くからと面白がって打ちまくると不協和音が鳴り響く。 「加減の好さ」を調節できてこそ、意味がある。 「好い加減」ってやつだ。 その能力を「職人」と言われるほどにまで高めたいと思った。

      • #002:給油していて思う

        本日は秋分の日。 夏が過ぎて、すっかり秋めいてきた今日この頃。 「秋分」とは、二十四節気でいうところの16番目の節気で、この日は一般的に昼と夜の長さが同じとされる。でも、実際は昼の方が長い。 しかし、きっと多くの人にとってそれはどうでも良いことだろう。 とはいえ、日本列島の南の海上で台風15号が発生したようで、週末は雨模様。先週の台風14号といい、確実に連休を狙い撃ちしてきているあたり、台風にも感情があるのかと思ってしまう。 日本人の野郎に一泡吹かしてやんよ! とで

        • #001:傘がない

          井上陽水が『傘がない』という曲を発表したのは1972年のこと。 同じ年に発売された『断絶』というアルバムに収録されている曲。 高度経済成長期の終焉を翌年に控えたこの年、その予感すらなかった日常において、多くの日本人がまだまだ経済成長期が続くと思っていた頃。 ■「社会」から「個人」へふと、高校生の時の現代文の先生が、『傘がない』をテーマに取り上げて授業をしたことを思い出した。 その先生にどんな意図があったのか、どういう解釈をしていたのか、もはや覚えてすらいない。しかし、そ

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        • 『5分くらいでわかる地理』
          3本

        記事

          noteでエッセイを書いてみようと思う

          こんにちは。 宮路秀作です 突然ですが、noteにてエッセイを書いてみようと思いました。 これまで、地理に関するコラムを新聞や雑誌に数多く寄稿してきました。 現在は「foomii」という媒体にてメルマガを発行していて、月に4回、毎週日曜日夜に発行しています(たまに遅れます)。 「講師業」「執筆業」の2つを生業としている者ですが、やはり執筆が好きなので、地理とは関係ないところで何か文字として発信したいなと思うようになりました。 日常生活で見聞きしたこと、過去の振り返りな

          noteでエッセイを書いてみようと思う

          「経済は統計から学べ!」の発行について、著者が思うところを述べてみた

          1.印象で語る人たち以前Twitterのアンケート機能を利用して、「地熱発電割合が世界で最も高い国は?」というアンケートツイートしたところ、他を引き離し燦然と輝く最多得票を獲得したのは、「アイスランド」でした。 ありがたいことに346人の方に投票していただきましたので、認識調査としてはそれなりに信憑性があろうかと思います。 では、どこの国が世界で最も高い地熱発電割合を示しているのかというと、実はケニアです。ケニアの投票率はアンケートでは、最も低いものでした。 確かに、以

          「経済は統計から学べ!」の発行について、著者が思うところを述べてみた

          【5分くらいでわかる地理】#002 アイルランド①

           今回はアイルランドの基本情報について紹介します。『データブック オブ・ザ・ワールド2020』(二宮書店)による情報を頼りに、アイスランドの基本情報を追ってみましょう。 ①アイスランドの正式国名 アイルランドの正式国名ですが、「アイルランド」が正式国名という場合もありますし、一方では「アイルランド共和国」と書かれてる場合もあります。  「アイルランド」は、現地の言葉、つまりアイルランド語で「Éire(エアル)」といいますが、英語では「Ireland(アイランド)」といいま

          【5分くらいでわかる地理】#002 アイルランド①

          【5分くらいでわかる地理】#001 アイスランド②

           今回は、「アイスランドでなぜアルミニウム工業が発達しているのか?」 をお話します! ①アイスランドのエネルギー事情 アイスランドのエネルギー事情ですが、水力発電が73.3%、地熱発電が26.6%となっています。残りの0.1%は風力発電。つまり、電力需要を100%自然エネルギーでまかなっているわけです。  アイスランドは「火山の国」です。アイスランド島はプレートの広がる境界に位置しています。広がる境界ということは、プレートがそれぞれ反対方向に動いていきますのでアイスランド

          【5分くらいでわかる地理】#001 アイスランド②

          【5分くらいで分かる地理】#001 アイスランド①

          『データブック オブ・ザ・ワールド2020』(二宮書店)による情報を頼りに、アイスランドの基本情報を追ってみましょう。 ①アイスランドの位置  アイスランドの正式国名は「アイスランド共和国」です。首都はレイキャビクですね。首都レイキャビクの緯度、経度をみると北緯がなんと64度!  経度は、西経21度。 アイスランド島の北側を北緯66.6度(北極線)が通過するほどですから、かなり高緯度に位置していることが分かります。北極線よりも高緯度側を北極圏といいます。  面積は10.3

          【5分くらいで分かる地理】#001 アイスランド①