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最近読んだ本・読んでいる本いろいろ2

最近読んだ本・読んでいる本の続きです。今回は 『52ヘルツのクジラたち』『東京都同情塔』についてちょっと書いておきます。

■文芸誌『文藝春秋』三月特別号
この中に掲載された、芥川賞受賞作(小説)『東京都同情塔』(九段理江さん)と、ほかの候補作含めた選評も読みたくて購入しました。

文藝春秋三月特別号

『東京都同情塔』は、まず、設定がこれまで私があまり読んでこなかった類のもので、なんだか新鮮でした。
(主人公が建築家、建築をテーマベースにしたもの)

また、昨今のブームともいえる 「AI(人工知能)」が文章にも物語にも組み込まれていて、斬新な印象も受けました。

面白かったかどうかは人ぞれぞれだし客観的な良否は言えませんが、個人的には面白いかどうかはよく分かりませんでした。それでも「すごいな」という感はありました。

AIで生成された文章は不自然さもほとんどなく、ちゃんとした文章、しかも高度な文章にはなっているのですが、その意味として頭に入ってくるかというとそうではない気がして(私の理解力の問題なのかもしれませんが)、見かけ上は違和感のない文章や言葉の組み合わせでも、やはり人間の思考によって綴られた文章のほうが頭にも入るし心にも響く、そんな気がします。
もしかすると、そこには「感情」が存在するかどうかが、書いた側・読む側のつながりに作用するのではないかなと。

芥川賞選考委員9人の選評が文藝春秋三月号に掲載されていました。その中で島田雅彦さんの選評を紹介。

『東京都同情塔』は生成AIとその基盤である大規模言語モデルに対する批評意識を中心に捉え、現実を大いに反映した脳化社会のディストピアに生きる憂鬱を語った作品である。(中略)とりわけ、ゴシック体で書かれた部分は人間や社会の方がAI化してゆくような逆転現象が示唆されている。

島田雅彦氏選評より(文藝春秋より)

本作品には地の文(明朝体)と、文章構築AIによって積み上げられた文章(ゴシック体)で構成されていますが、これもまた手法・アイデアとしては斬新というか。たしかに生成AIは便利。不足している部分を補ってくれることもある。

ただ、生成AIを上手に活用するために「プロンプト」という指示/命令文をうまく入力・設定することができるかどうかによっても結果が変わってきたりすることを考えると、結局、確認する人の頭脳は必要だったりもしないか?と混乱気味になるわけで。

「言葉」はシンプルでもあるけど複雑でもあって。より100%正確な言葉を用いて伝えることは簡単ではなく、受ける側の、その言葉の意味の解釈でも変わることもあり。

最近はSNSで何気につぶやいたり、公言した言葉の意味合いによって炎上することも頻繁に見られ、今の社会は、より完璧で高精度のものを求めすぎる風潮があるというか。そういう意味でも「言葉」ということばの意味を深く考えさせられるものがありました。

作品がハイレベルで難解だったので、凡人の私には感想を文章でまとめるにはかなり難しいですが、「すごい」の一言にいろんな感想が凝縮されています。

『東京都同情塔』の感想文を文章構築AIで書いてみようかな…


■小説『52ヘルツのクジラたち』(町田そのこ)


『52 ヘルツのクジラたち』 (町田そのこ)は、杉咲花さん主演で映画化されました(ヒューマンドラマ)。 話題になっていたので前々から気になっており、先日本屋さんでついに衝動買いしましたが、まだ読んでいる途中=積読中のひとつであります (買う時は気持ちの勢いがあったものの失速・・・)。これもちょっとずつ読み進めることになりそうです。
ということで、本作品は読了していないので、感想は読み終えて書きたくなったときに書きたいと思います!

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