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【VOCA展2024@上野の森美術館】色々あっていいじゃなイカ

上野の森美術館で開催中の「VOCA展」はじめて行きました。
とくに現代美術目当てに展覧会に行こうと決めてはいなかったのですが、上野公園の桜はまだほとんどつぼみにもかかわらず大勢の人で賑わっていて、きっと東博も西洋美術館も混んでいるだろうと思ったので、気楽に(?)入れそうなこちらにしました。

The Vision of Contemporary Artの頭文字をとってVOCA(ヴォーカ)展と呼ばれる本展は、全国の美術館学芸員、研究者などに40歳以下の若手作家の推薦を依頼し、その作家が平面作品の新作を出品するという方法により、毎年全国各地から未知の優れた才能を紹介している現代美術展です。
今開催で31回目となる「VOCA展」は、平面美術の領域で国際的にも通用するような将来性のある若い作家の支援を目的に1994年より毎年開催し、延べ1044名(組)の作家が出展。ここから大きな躍進を遂げる作家を多く輩出しています。

https://www.ueno-mori.org/exhibitions/voca/2024/

全部で30作くらい展示されていたのかな、「いいー」も「うーん」も「おお」も「??」も色々ありますね。
その中で印象に残ったものいくつか。

VOCA賞 大東 忍 「風景の拍子」

VOCA賞 大東 忍
「風景の拍子」

VOCA賞の作品はやはり目をひかれます、パネルに貼った麻布に木炭で描かれていて、実物はとても大きく吸い込まれそう。

松延 総司「 Pattern of Dark」

松延 総司「 Pattern of Dark」の一部
松延 総司「 Pattern of Dark」の一部

こちらも大きなパネルに2種類のパターンが描かれていて無意識とも言えないシャカシャカとしたペンの動き。遠目で見るとシンプルなグレーのシームレスパターンなんだけど近くでみるとなんだかムズムズする。

中山晃子「半球体の肖像」

中山晃子「半球体の肖像」

液状の絵の具の流動が2分4秒の映像として縦長の5つのモニターで表示されていました。
展示作品にはこういったメディアアート(という言い方でいいんだよな…?)もいくつかあって、中でもこちらは単純にいつまでも眺めていられるとても”美しい”作品だと感じました。なんというか美術作品として完成度の高さは抜群だと思いましたし、表現の展開の幅が広い。

そしたらば中山晃子さんのXで「光る君へ」のオープニング映像を描いておられると知り、おお、あれかぁ!となったのでした。


宮内裕賀 「生かされていくこと」

宮内裕賀 「生かされていくこと」

イカです。約20年間イカだけを描き続けてこられたという、イカ画家宮内裕賀さんのイカの画。

こちらもとても大きな作品で、共食いするアオリイカが美しく描かれています。イカってきれいなんだなあ、と思って眺めていたのですが、紹介のキャプションに

イカ画家は、いつか自身も共食いされ、死因イカとしてイカと一体化することを目指す。

展示キャプションより 坂本顕子(熊本市現代美術館学芸員)

とありまして、イカ愛がやばくてのけぞったのでした。いいんか?イカんのか?


開催は明日3月30日(土)まで。

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