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咖喱薬局 宮入軒 開店

料理が好きな男性であれば、一度はギャバンのスパイスをキッチンにたくさん並べてみたい、と思ったことがあるのではないだろうか。(え、無いですか…?)
料理をするのが大好きで、どんなに仕事が忙しくてクタクタでもなるべく家に帰ったら料理をしよう、と頑張っています。

"Anxiety Baking"という言葉があるそうで、要はお菓子を作っている最中は集中しているから無心になれる、というもの。僕はお菓子作りは計量も正確にやらなければならないし、生地を寝かせたり焼いたりしている最中はソワソワしてしまうから苦手だけれど、料理をしている最中の感覚はこの"Anxiety Baking"に似ているような気がする。"Anxiety Baking" ならぬ "Anxiety Cooking" といったところか。

丁寧にニンニクをソテーするところから始まるパスタ作りや、とっておきの北海道産の昆布から丁寧に出汁を取る作業が集中するから大好き。それと同じくらい、カレーを作るのが大好きだ。

今は全然違う畑で仕事をしているけれど、以前は飲食店で働いていたこともあり、100人分くらいのカレーを仕込んでいたこともあった。贅沢に玉ねぎ、人参、セロリをフードプロセッサーで細かくして、丁寧にニンニクとショウガの香りが広がったオイルにブチ込んで、ソテーをしていた日々が懐かしい。100人分から2人分に変われど、その工程は変わらず丁寧にやっている。

市販のルーでいうとエスビー食品のゴールデンカレー 辛口が好きです。スパイス感が強くて、シャープな味わいかつコクも有る。以前はジャワカレーだったけど、こっちのほうが好きだなぁ。

けれどやはり市販のスパイスを合わせて、ルーに頼らないカレーを作ってみたい。ずっとそう思っていましたが、なかなか全てのスパイスを揃えるとなると高くつくもんで、なかなかやっていませんでした。そんな中、先日カルディコーヒーの10%OFFキャンペーンの時に見つけたのがコチラ。

なんとこの価格で20種類のスパイスが入っているスグレモノ。金曜日の夜に妻とフライパンでスパイス達をソテーして、今日早速スパイスカレーを作りました。

ちなみに、この中にはいっているターメリックは少し残しておいてご飯を炊く時にバターとターメリックを入れて炊くとターメリックライスの出来上がりなのでオススメです。

スパイスをソテーした我が家はインド顔負けのスパイシーなフレーバーに包まれ、カレーを作っている土曜日の午前中もなかなかのインドでした。食材はみじん切りにした玉ねぎ、すりおろしたリンゴと人参、角切りにした沖縄産のちゅらとまと、それからソミュール液に一晩漬け込んだ手羽元と手羽先。いたってシンプルにやりました。

味見をしながら塩気がもう少し欲しい、とかスパイス感が欲しい、とかゴチャゴチャ相談しながらチキンスパイスカレーが完成。小麦が入っていないのでさらっとした味わいとシャープなスパイスの香り。美味しかった一方、もう少し甘みのあるスターアニスとか、バニラビーンズとか入れてもいいかもね、なんて言いながら黒ラベルをバンバン空けた4月最後の土曜日と相成りました。

スパイスの身体の内側から”ジュワッ”と広がる辛さ、というか熱くなる感じ。あれが大好きでスパイスカレーは辞められません。本当に身体に良いものを取り入れているような感覚です。そういえば10年前のバックパッカーの旅の時も、インドにいてカレーばっかし食べていた時は人生でこれほど体調が良いことは無かった、というくらい最高にキレッキレだったな。

先週末は妻と父の実家がある長野市へ行き、日本酒大魔王である叔父と春の山菜などを肴にワイワイやっていたのですが、その時に叔父に「もう長野でカレー屋やれよ!」と48回くらい言われました。これから先、長野の善光寺の近くでカレー屋さん経営も悪くないかもしれません。

「あそこのカレーを食べれば体調が良くなるんだよね」と言われるような、そんなカレー屋さんがあったら面白いよね、そんな話で妻と盛り上がりました。

昔、宮崎の母校の大学の近くでメチャ旨い麻婆豆腐が食べられる中国料理屋さんがあって、そこの店長さんから漢方について色々話を聞きました。僕は中国に行ったことが無いから分かりませんけれど、なにやら中国では「胃が痛い人」「頭が痛い人」「冷え性の人」などに向けてそれぞれ調合された漢方が売られていて、それを調味料として料理に入れるそうです。我々も良く食べる麻婆豆腐とか、青椒肉絲とか、回鍋肉とかそういうやつに。

これのスパイス版をカレー屋さんでやったら面白そうだな、と思ったわけです。来店してくれた人に問診のような形でアンケートに回答してもらって、例えば
「今、身体のどこに不調を感じますか」とか「お酒は週に何回飲みますか」とか答えてもらって、その人のコンディションに合わせたスパイスを調合してカレーを提供する。けどあくまで飲食店だから体調悪くない人向けに「薫り」「辛み」「甘み」というそれぞれのスパイスを合わせたスタンダードメニューも用意する。

そんなカレー屋さんだったら、ちょっと話題になりそうだし、面白そうかも。そんなことを考えながら妻とスパイスカレーを食べた土曜日の昼下がりでした。お店の名前は「咖喱薬局 宮入軒」はどうだろう、なんて話していたのだけれど、やっぱり”薬局”って付くと少し食欲減退しますよね。なんか良い名前無いかな〜。

カレー屋さんをやるか否かは分からないけれど、やるならばインドのどこかのカレー屋に無給でいいから半年修行させてくれ、って行ってみたいなぁ。やはりインドが好きだ。

どうでしょうか、スパイスの知識があって、あとはお店のオペレーションを考えられたら実現できそうかも。もしもこの記事を読んでパクって先に開店しちゃった人がいたら教えて下さい。元気になるために…食べにいきますから。

けど今日のスパイスカレーはまだまだ改善の余地あり。もっと鶏肉をホロホロにしたかったし、コクが少し足りなかったから次はどうしようかな〜、なんて。考えている時点でカレー屋さん、やりたいのかもしれませんね。

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