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現代語訳『さいき』(その11)

 一方、京に残された女は、何の音沙汰もないことに待ちわびていた。そよ風が吹く度に「ひょっとして迎えがやって来たのではないか」と思うほどに気が気ではなく、あまりの苦しさに耐えかねて幾度も清水寺に足を運び、手を合わせて一心に祈った。

(続く)

 女は佐伯からの迎えや便りがないままひたすら待ち続けましたが、三年間でさすがに心も弱り、もはや仏にすがるしかないようです。

 それでは次回にまたお会いしましょう。


【 主な参考文献 】


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