古語訳「義理チョコ」

此《こ》の干菓子、吾子《あこ》に下《くだ》さん。
ひた分けなれども、捨《す》つるに及ばず。
我が本懐《ほんかい》にあらざれば、
不思議なりしこと、ゆめゆめ思ひ寄るべからず。

【 原文  】
このチョコ、あんたにあげる。
言っておくけど、ただの余りもので、捨てるのがもったいなかっただけ。
これは本命じゃないから。
いい? 勘違いしたら絶対に許さないからね。

【 参考 】恋《こ》ひ侘《わ》ぶ : 恋に思い悩むこと。恋わずらい。

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