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-映画紹介-『フリーソロ』 いつ死ぬかわからないのは皆同じ。ぼくは登ることで“生”を実感できるんだ。

《乱れ撃ちシネnote vol.185》

『フリーソロ』 エリザベス・チャイ・ヴァサルヘリイ、ジミー・チン監督 2018年 アメリカ

鑑賞日:2024年4月19日 Amazon Prime Video

【Introduction】
キューバからフロリダまで180キロに及ぶ危険な外洋を53時間かけて泳ぎ切った64歳の女性ダイアナ・ナイアドのドキュメンタリー『ナイアド その決意は海を超える』の監督エリザベス・チャイ・ヴァサルヘリイとジミー・チン
他にどんな作品を撮っているのだろうか、どんな人たち(夫婦)なのかが興味深い。

彼らの監督作品は現時点で4作品ある。
『MERU/メルー』(2015)
ナショナル・ジオグラフィックの山岳カメラマンでありトップ・クライマーのジミー・チンが、
世界中の登山家が断念してきた難攻不落の“世界一の壁”ヒマラヤ・メルー峰にあるシャークスフィンと呼ばれる頂上に仲間たちと共に挑む姿を記録したドキュメンタリー。
2015年サンダンス映画祭<観客賞>受賞作。


『フリーソロ』(2018)
2019年アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞受賞のロック・クライミングのドキュメンタリー。
ロープや安全装置を使わないフリーソロ・クライミングのスター、アレックス・オノルドが、かつて誰もフリーソロで登ったことのない巨岩エル・キャピタンに挑む。
2018年トロント国際映画祭観客賞、2019年英国アカデミー賞ドキュメンタリー賞ほか受賞多数。


『THE RESCUE 奇跡を起こした者たち』(2021)
2018年6月に起きたタイ洞窟遭難事故とその救出作戦の舞台裏に迫ったドキュメンタリー。
タイ北部チェンライ県のタムルアン洞窟探検に入った少年12人が豪雨による浸水で遭難。
難航する救出作業に協力するため、世界各地から救援隊が集まるが……。
トロント国際映画祭 ドキュメンタリー部門観客賞受賞。
ミドルバーグ映画祭 ドキュメンタリー賞受賞。
放送映画批評家協会賞 監督賞、音楽賞、撮影賞
ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞 トップドキュメンタリー受賞。
シネマ・アイ・オナーズ アンフォアゲッタブル賞受賞。


『ナイアド その決意は海を超える』(2023)
アネット・ベニング&ジョディ・フォスター共演で、実在するマラソンスイマー、ダイアナ・ナイアドの壮大な挑戦を綴るヒューマンドラマ。60歳になったアスリートのダイアナは、親友でコーチのボニーとともに、フロリダ海峡を横断する約180キロの遠泳に挑むが……。監督は「フリーソロ」のエリザベス・チャイ・ヴァサルヘリィ&ジミー・チン。

~以上、キネマ旬報WEBより~

ということでまずはAmazon Prime Videoレンタル¥110で『フリーソロ』を観た。
フリーソロとは命綱など安全確保道具を一切使わずにたった1人で岩壁を登る究極のクライミングスタイルのことだ。

【この作品の概要】
当時31歳だったフリーソロ界のスーパースター、アレックス・オノルドが2017年6月にカリフォルニアのヨセミテ公園にある頂上まで975メートルある世界一大きな一枚岩の花崗岩に命綱などの安全装備を一切つけず自分の手と足だけで登るフリークライミングで挑戦したドキュメンタリーだ。
世界一高い電波塔としてギネスブックに登録されている東京スカイツリーが634メートルなのでこのクライミングがどれほど途方もない挑戦だったかがお分かりいただけるだろう。

2016年から一年以上かけたアレックスの訓練と試行錯誤を約80間にわたって丹念に淡々と記録している。
そして2017年6月3日の明け方、
アレックスはたった一人で静かに岸壁を登り始め3時間56分かけ両手両足の指先に全神経を集中させて頂上に登りつめた。

何の特撮もCGやギミックも使わず岸壁に設置した固定カメラ、空中からのドローンカメラ、実際にロープを装着して岸壁を登ったクルーの手持ちカメラにより撮影され編集された20分間にわたる臨場感に溢れ静かで美しく圧倒的な映像には絶句するしかない!
この20分だけで充分☆☆☆☆☆に値する作品だ。

自分たちがじゃましてアレックスの集中力が途切れて失敗して死んでしまうシーンを撮影することになるかもしれないという撮影クルーの葛藤はどれだけ深かったろう・・・。

【Trivia & Topics】
✥受賞歴。

◯トロント国際映画祭。
・ドキュメンタリー部門観客賞

◯クリティクス・チョイス・トキュメンタリー・アワード。
・スポーツ・ドキュメンタリー賞
・リビング・サブジェクト賞(アレックス・オノルド)
・イノベーティヴ・ドキュメンタリー賞
・撮影賞(ジミー・チン、クレア・ポプキン、マイキー・シェーファー)

◯ナショナル・ボード・オブ・レビュー。
・トップ5ドキュメンタリー

◯シネマ・アイ・オナーズ。
・観客賞
・撮影賞(ジミー・チン、クレア・ポプキン、マイキー・シェーファー)
・プロダクション賞

◯英国アカデミー賞。
・ドキュメンタリー賞

◯アカデミー賞。
・長編ドキュメンタリー映画賞(エリザベス・チャイ・ヴァサルヘリィ、ジミー・チン、エヴァン・ヘイズ、シャノン・ディル)

【5 star rating】
☆☆☆☆☆

(☆印の意味)
☆☆☆☆☆
☆☆☆☆☆:超お勧めです。
☆☆☆☆:お勧めです。
☆☆☆:楽しめます。
☆☆:駄目でした。
☆:途中下車しました。

【reputation】
Filmarks:☆☆☆☆

Disney+




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