見出し画像

『制作1年生のせいちょう日記』6日目

前回のnoteでチラッと触れた『プロダクションノート』について書きます。


制作1年生、これまでプロダクションノートをいうもの知りませんでした。

みなさん知ってましたか?

あんまり売ってないよね?
1年生は好きな公演は、チケット代以外にもお金をお支払いしたい気持ちになるので、パンフレットや上演台本購入することがちょいちょいあるんですが、プロダクションノート…はて?という感じでした。


上演台本の中に演出指示というか地図みたいなものを書いていたり、役者へシェアした内容が書かれていたり、作品の解説書みたいなものです。

目の前のお客様がプロダクションノート片手に観劇なさってたら新しいドキドキが生まれそうです。


このプロダクションノート、
1st createではavenir'eメンバーの予想をはるかに超えて、めちゃくちゃ人気でした。
予想外でした。

でもたくさんの方に手に取っていただけて、めちゃくちゃ嬉しかったです!ありがとうございます!



今回の中身はこんな感じです~!
(文字一部隠してます)

ドラマトゥルク部分
メインディレクター部分

このプロダクションノートの仕上げをしているのは、1年生なのです

プロダクションノートは、メインディレクターとドラマトゥルクが中心になって作成しているんですが、




最終稽古までいかないと、着手し(書き)にくいものなんです。



もちろん、稽古ごとにそれぞれがシェアの内容を記録し、まとめたりしているんですが、最後の稽古を終えてお客様の読みやすいようにと

メインディレクターが丁寧に上演台台本に手書きしています。
ドラマトゥルクはPCで結構な文字数をカタカタ入力しています。

「稽古が終わって書くなら、何が大変なの?」と思う方いるかもしれません!

最終稽古の次の日は小屋入りです!



avenir'eの小屋入りは基本スタッフメンバーのみ。
俳優部さんはお休みです。(セリフ合わせなどで今回は俳優部さんも来てましたが、仕込み作業のお手伝いは無しです!)

外部のスタッフさんをお呼びすることもないので、
制作1年生とディレクターチームで仕込みをします。

するとね?
1日かかるわけですよ、仕込みって。
しかも肉体労働でしょう?
最終稽古の翌日に肉体労働、疲労…

なかなかプロダクションノートに取り掛かれないのです。


頭も体も「疲れてきてるよー!」というときに
1年生から担当の2人に催促をかけます。


「プロダクションノート、どうですか?いつデータもらえます?」

(「いつも声をかけてくれて大変感謝しています」by池内)

by池内メッセージは本当に池内くんが言ってました。
この下書きを読んで、「このコメントを入れておいてください」と。


とある制作さんからお聞きしたことがあります。
「制作が催促しなきゃ原稿は上がらない…」と

実感しました。
制作1年生、色々な業務がある中で、催促が本当に多いです。
「これって進めてくれてますか?」「あの連絡はもう皆さんに共有してますか?」など、沢山の催促をしております。
催促オバケです、もはや。


しかし、それだけ色々なスケジュールを管理したり、情報をどこか一部署で止めてはいけないという思いで、ちょこちょこ催促をしています。



でも、メインディレクターもドラマトゥルクも分かってるんです。

早 く や ら な き ゃ ! って。

そう思っていることも知っていながら、プロダクションノートに関してはめちゃくちゃ催促をします。


なぜか。



2人のデータを合体させたものをもらい、両面印刷して、表紙を付け、ファイルに閉じ、袋詰めを私一人がやるからです!
つまり、初日に間に合わせるために時間との闘いなわけです。
地味に時間がかかります。


前回は予測を大きく外してしまったので、
毎晩プロダクションノートを追加で作ってました。
本当に毎晩。(うれしい悲鳴)



今回は初日20部作ることにしてたんですが、

全データが来たのが初日前日の23時過ぎ。


ここから1年生の虚無の時間が生まれます。(時間がないのに生まれるこの時間)
プリンターくんもまさかこんな夜中からフル稼働させられるとは思ってもいません。

お家にある団体の立派なプリンターくん。
立派ですが、両面印刷はそれなり時間がかかります。

今回は紙風船11ページ、大人の付き合い16ページ
両面カラー印刷し、
『応援上演回のみ』に上演される
大人の付き合いのマル秘エピソード5パターン6ぺージ。特典のavenir'eの共通言語集3ページ

どうですか。
結構なページ数あると思いませんか。

プリンター君を稼働しているときは、ほかにやることもなく
ただただプリンターくんを眺める虚無時間です。

2時間も経ってくると「私は何をしているんだろうか・・」と虚無の深みにはまります。


3時間ほどプリンターくんが全力疾走してくれて、
ファイル綴じ以降は劇場でやろう!とその日は就寝。

翌朝、500枚以上のプロダクションノートの紙たちを持っていこうとするも、
肩が破壊される恐れがあったため、キャリーケース。
紙の重さを実感する1年生です。

1人早めに劇場に入り、作成。
抜けているページがないか、汚れているページがないか、などなど確認しながらファイルに綴じていきます。

謎の風船。


作業BGMはジブリのピアノシリーズです。

20部バリバリ作りました!


無事に初日公演に間に合い、

なんと初日はお客様の50%以上の方がご購入してくださいました!!!

ありがたや!!
夜な夜な頑張ってよかった!!!!


1st createでは凡そ7人に1人のお客様が
プロダクションノートを購入してくださいました。

凄いですね!


今回のプロダクションノートも読みごたえ抜群!
しかも今回は、ディレクターチームのコメントもちょこちょこを挟まっています。
一つの公演に複数のディレクター(演出家)が関わるavenir'eならでは面白い創作風景を想像していただけると思います!

最後になりましたが、こんなドタバタな状態のなかに作ったものがお客様に喜んでいただけてとてもうれしいです。
ありがとうございます。


そしてここまで読んでくださってありがとうございます!



※この世界には素晴らしくプロフェッショナルな制作さんがたくさんいらっしゃいます。私今年そのプロフェッショナルな世界の扉を少し開け片足を突っ込み、両手をついてハイハイ歩きの状態です。
私の書いていることは、ほんの少しの一部分を切り取っているだけです。

どの部門の方へもリスペクトを忘れずに。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?