月の幻影性〜なぜ月を語るのは難しいか
なぜ月について語るのは、こんなに難しいのでしょう。
第一には、月の象徴の多義性が挙げられます。
月に対しては多様なイメージがあり、多種の受け止め方があります。多くの文化の根源的なところに埋め込まれていたり、逆に歴史の上で変化して来た部分もあります。月のイメージはあまりに豊穣、根源的、そして歴史的な変容からの幅があるのですね。
また第二には、月の象意が常に両義的なものであるということ。
創造と破壊、美醜、聖と俗、生と死、心地よさと恐怖。
月は常に、女神として持ち上げられたり