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敗戦から78年―世田谷で平和を考える

皆さん、こんにちは!世田谷区議会議員のおのみずきです。
前回の記事から、気が付けばなんと3か月(!!)も経っておりました・・・ヒュッ
この間に、5月の初議会を終え、6月の初定例会での一般質問デビューを終え、さらに7月の委員会視察も終えてしまい、その他にも街宣を再開したり、ゆるっと区政報告したり、勉強会や研修に参加しまくったり、YouTube企画の収録したり…とまあ色々と活動しておりましたら、ミジンコキャパのおのはすーーーっかりnote更新に手を付けられずにおりました…ヒエェェごめんなさい~~~🙇!!!(ジャンピング土下座)
そろそろ9月から始まる第3回定例会に向けた準備に着手しようと思っていますが、その前に!たまっていた!!noteを更新するぞ!!!(自分への圧)

というわけで、前置きが長くなりましたが、ここから本題です。が、先に言っておくと、本記事では、なんか政治家っぽいカッコイイ結論とかカッコイイ呼びかけとかは一切出てきません。戦争と平和について、いまこそ皆さんと一緒に考えてみたいな~と思ったので、そのために、わたし的に良さげだなーと思った“材料”を紹介するだけの記事です。それでもいいよって方だけ、この先へお進みくださいませ~


8月15日って何の日?

今日は8月15日、日本にとっては78回目の「敗戦の日」です。1945年、78年前の今日、日本(旧:大日本帝国)によって始められた太平洋戦争が、日本の降伏によって終戦したとされる日です。毎年この時期には、戦争に関するTV特集番組が組まれたり、戦争経験者や広島・長崎の被爆経験者の方々のお話を聴く会が企画されたり、金曜ロードショーで「火垂るの墓」が放映されたりしますよね。普段は戦争と平和について考えることなんて全然ないけど、8月だけは「戦争ってこわいなぁ」「何回見ても節子かわいそう…」とかぼんやり考えてるかも…という方も多いのではないでしょうか?

・・・わたしもそうでした。それどころか、会社員時代は日々忙殺されてて節子のことすら一ミリも頭を過らなかったし、正直、戦争について真面目に考えたり、平和について自分の言葉で語ったりするようになったのは、ここ1年くらいのことです。

三上智恵さんとの出会い

きっかけは、2022年2月に始まったロシア・ウクライナ戦争、その後たまたま「みずほ塾」で聞いた、ジャーナリストで映画監督でもある三上智恵さんのお話でした。ここでは詳細は省きますが、三上さんの映画観たことないよって方、ぜひこの夏休みにチェックしてみてください。動画配信サイトで300円くらいでレンタルできる作品もあるので。
ちなみに、わたしが観たのは『沖縄スパイ戦史』と『標的の島 風(かじ)かたか』の2本。かなり衝撃を受けましたし、戦争が始まったら実際に何が起こるのか、よくわかります。それまで全く無関心だった沖縄の基地問題も、もう他人事じゃいられなくなったよね。

映画観たよって方、ぜひ一緒におしゃべりしようぜ。

朗報!世田谷区には○○○がある!

今年は議員になってから初めて迎える夏。ということで、世田谷区内で平和を考える企画に色々足を運んでみました。
まず行ってみたのは、「世田谷区立平和資料館」(愛称:せたがや未来の平和館)!

正面玄関はこんな感じ(西日が…)

実は、世田谷公園内の一画にあります。元々は玉川小学校の中にあった資料室が、地域の平和活動団体の皆さんの声を受けて、移設→資料館に格上げされたという経緯があるようです。展示内容も、平和を願う区民の声を反映して、少しずつアップグレードされていっているみたい(世田谷・生活者ネットワークの議員が代々、こうした活動をサポートしてきたらしい✨)。いいよね。

「ジェンダーと平和」展行ってみた

7月末までは、らぷらすとの共催で企画展「ジェンダーと平和」もやっていました。

企画展「ジェンダーと平和」のフライヤー

内容は・・・うーーーん。ジェンダーに関わる一般的な展示がメインで、「平和」と掛け合わせた要素がほとんど無かったのが、少し残念でした。
個人的には、通路にしれっと展示されてたこの辺り(👇)とか、もっと掘り下げてほしかったかな。「戦争は女の顔をしていない」ではないけど、戦時中に女たちはどういう生活をしていたのか、銃後の守りに徹していただけだったの?とか、反戦を訴える女たちがいた一方で実は翼賛体制に自ら進んで与していった女たちのこととかさ。あとは、ウクライナでも起こってる戦時性暴力の問題とか。またこういう企画展があるといいですね。

「戦時下の女性たち」に関する展示(※右下の資料がめちゃくちゃ興味深かった!)

企画展だけでなく、常設展の方はいつでも✨無料で✨見られるので、ぜひ一度足を運んでみてください!ちなみに、とても無料とは思えないくらい展示物の情報量がすごいです…!!
1フロアしかないのに、2時間ではとても見切れなかったので、お越しの際はたーっぷり時間を確保してから来ていただくことを強くお勧めしておきます。

パンフレットは多言語対応あり(展示は日本語のみだけど、通訳つけられます)

ピースアクション世田谷2023に初参加

この夏、もう一つ参加してみたのは、「ピースアクション世田谷2023」という地域の企画です。今年で21回目の開催ということで、歴史があります。
元々は、世田谷区内に在住の被爆当事者の方々(当初は500名近くおられたらしい)が、被爆や戦争の悲惨さを語り継いでいこうと集まったことがきっかけのようです。今は、被爆当事者の方々が高齢になって他界されてしまう人も少なくない中で、区内労組・市民団体の方々を中心に、毎年の恒例イベントとして開催されています。世田谷・生活者ネットワークの平和部会も、実行委員会メンバーとして参画しています!

8月6日のオープニングイベントでは、世田谷区長の保坂さん、世田谷区議で被爆2世の関口さん、芸人のおしどりマコさん・ケンさんが集まり、北沢タウンホールで対談セッションが行われました。ホール1Fに展示された、被爆経験者の語りを高校生が絵にした作品の数々とともに、戦争とは何か、被爆とは何か、福島の原発事故を経てなお、原発再稼働に向けて舵を切り「核の抑止力」を謳う政府はどこに向かっていくのか、どうしたら平和を私たちの手でつくっていけるのか、等など本当にたくさん考えさせられました。
特に「日常の中から平和をどうやってつくるのか」というテーマは、すぐには答えが出ない難問だからこそ、皆さんと一緒に考え続けていきたいです。

ちなみに、今年6月に「平和を求め軍拡を許さない女たちの会」主催のシンポジウムが開催されたのですが、そのアーカイブ動画を最近いまさら観てすごく良かったので、まだ観ていない人はこちらも併せてぜひチェックしてみてください。東大名誉教授で政治学者の藤原帰一先生のプレゼンで、戦争はどうやって始まるのか、安全保障のジレンマとは何か、どうやったら戦争を防げるのか、等など分かりやすくまとめてくださっています(ただ、全編で3時間近くあるので、倍速再生必須…)

ピースアクション世田谷2023では、その他にも「核なき世界の実現と平和行政の推進を求める要請書」をもって保坂区長への要請行動を行ったり、三軒茶屋駅前で街宣をしたり、平和資料館を見学したり、盛りだくさんでした。
今年は参加できなかったよーって方、来年もきっとあるので大丈夫。また来年、一緒に参加しましょう~

区長への要請行動の様子
三軒茶屋駅前でピースをアピールしてきたぜ!

自衛隊ときんにくんの話

あと、最後にもう一つ。広島原爆投下日の前日に、個人的にめちゃくちゃショッキングな出来事があったんですよ・・・
なんと、我が人生の師でもある「きんにくん」が、陸上自衛隊とのコラボ動画をアップしてるやないかい・・・

もうびっくりして、思わず「エッッッッ」って叫んじゃいましたよね。「いやいや、言うてもきんにくんだし、陸上自衛隊第一空挺団の人たちと一緒に筋トレしてただけじゃん。何をそんなに騒いでいるんだい?」だって??
そんな風には思えなかったのは訳があるんです。

実は先日、区の住民記録・戸籍課に依頼して「自衛隊による住民基本台帳閲覧調査」を行いました。少し前にも「自衛隊が合法的にわたしたちの個人情報を閲覧して、勧誘チラシを送ることができちゃう件」がTwitter(当時)で話題になっていたのを憶えている方もいるかもしれません。
その件で、世田谷区ではどうなっているのか調べてみたところ、世田谷区でも過去5年間ほぼ毎年、自衛隊による住民基本台帳の閲覧要請がありました。例年は高校3年生の男女(2022年は男子のみ)が対象でしたが、今年はなんと中学3年生の男子も対象とされ、情報提供件数も10,432件と前年の約3倍近くに増加していました…!個人情報の利用目的は、自衛官及び自衛官候補生、防衛大学校及び防衛医科大学校の学生の募集対象者、 陸上自衛隊高等工科学校の生徒の募集対象者の保護者に対して案内の郵送等、とのことです。
閲覧(して個人情報を手書きで写す作業)が行われたのは、2023年5月。もしかしたら、すでに区内の各家庭に案内チラシが届いているかもしれません。

自衛隊による住民基本台帳閲覧調査 区から回答(抜粋)

こうしたタイミングでの、今回のきんにくんとのコラボ動画。いまや若者を中心に絶大な人気を誇るきんにくんが今自衛隊とコラボすることで、子どもたちにどれほどの影響があるでしょうか。ただでさえ人手不足で困っている中、五ノ井さんの性暴力被害告発の件もあって一般にもマイナスイメージな自衛隊。でも、これから本気でこの国が戦争に向かっていくのなら、”軍隊”にもっともっと人手がいりますよね。今回の動画によって、人材確保のためのPR効果がどの程度のものか考えると、本当に恐ろしいです…(今日時点で192万回再生されてる…)

福島原発事故をめぐるメディアの報道にも、信じられないくらい政府の介入が入っている実態を、おしどりマコさんがお話しされていました。戦争は、ある日突然始まるわけじゃない。じわじわと静かに足音もなく近づいてきて、気が付いた時にはもう手遅れ…なんてことにならないように、わたしたちも今何が起こっているのか注意深くチェックして、逐一戦争にはNOを突き付けていく必要がありますね。

というわけで、今回も相変わらず長文になってしまった・・・
これから遡って記事を書いていきたいと思いますので、気長にお付き合いいただければ嬉しいです~
ではまた!


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