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田丸雅智『おとぎカンパニー』読了
初読み作家さん。現代ショート・ショートの旗手として活躍している。
ショート・ショートといえば、星新一はもちろん阿刀田高も大好きで、私自身もショート・ショートを書いている。
お伽話を現代に置き換えるという手法は新しく、『同期で一番』と『眠らせ姫』はオチもすっきりついて面白かった。
しかし、それ以外については結末がわかってしまい、惰性で読んだところもあった。
ショート・ショートの命はキレがある
もしも子供ができたなら(詩)
もしも結婚して
妻が子供を生んだなら
初めての笑顔や笑い声
初めての言葉にならない言葉
それらを妻と一緒に見ていよう
夜泣きしたら
妻の代わりに抱っこしよう
乳はあげられないけれど
でもこれだけは妻には負けたくない
絶対に
ママより先にパパと呼ばせよう
「本当の自分」殺人事件 宣伝です。
「本当の自分」を探しているうちは人生は迷い道になる。「本当の自分」とは本来は自分で創造するべきものだからだ。「本当の自分」を創造できれば、誰でも「本当の自分」として生きていける。
それが最後までわからなかった人物が、私の書いた“「本当の自分」殺人事件”の主人公だ。
ぜひ読んでみてほしい。
近藤史恵『タルト・タタンの夢』読了
初読の作家さん。
店を訪れたお客に関する、血なまぐささのまったくなくミステリー。
ただ、フランス料理に詳しくない私のような者にとっては、どんな見た目でどんな味がするのかわからない料理だらけで、その説明が小説の流れを止めてしまっているのが残念。
4月の読書記録(22冊)
・西加奈子『漁港の肉子ちゃん』
・バイロン『バイロン詩集』
・ウイリアム・アイリッシュ『幻の女』
・奥田英朗『空中ブランコ』
・坂堅太『安部公房と「日本」』
・『モーパッサン短編集Ⅱ』
・山本文緒『プラナリア』
・田口ランディ『もう消費すら快楽じゃない彼女』
・重松清『ビタミンF』
・開高健『パニック・裸の王様』
・燃え殻『すべて忘れてしまうから』
・E・S・ガードナー『ビロードの爪』
・住野よる