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【感想】映画『あの頃。』はドラマチックなこともそうでないことも日常として描いているんだと思う

今年に入って、1ヶ月に1本のペースで映画を見ています。
いい調子。

ハロプロオタクなので映画『あの頃。』を見ました。松坂桃李氏のことはシンケンジャーの頃から好きなんですが、夢羽ちゃんのスクリーンデビューを見届けたいなあというそんな気持ちもあっての観劇です。
夢羽ちゃん、推しです。キラキラした歌声が好きです………………好き………………

ということで、感想をつらつら書いていこうと思います。
オタクとしての私と、それ以外の感想について。

ハロプロが好きだからこそ味わえる感動がある

まずはこれ。映画の仕掛けが見事でした。権利関係超大変だったんじゃないのかなこの映画……

惜しみなく使われるハロープロジェクトの当時の音源、映像の数々。
この映画を見に来る層のうちの一部には、劇中からまさにオタクをしていた方もいるでしょう。(モーニングで言うところの、いわゆる「黄金期」あたりです)その方々が見たら、一気に当時の感覚を思い出すような、そんな作りだったなと思います。

松浦亜弥のちからによって成り立つ、UF名物ちょっとダサいMV(褒めてる)から始まり、ハロコンの映像が流れる。ロマモーのコールや卒コンの映像を見たときには、「今はこんなライブは出来ないな」と思い、少しほろ苦い気持ちになりました。と同時に、かつてのライブを疑似体験した気がして、純粋に楽しかった。

そして、登場人物が歌い、最後に流れる恋ING。スクリーンで聴ける日が来るとは。名曲でした。いやあ。

夢羽ちゃん、松浦亜弥じゃん

そんな、本家本人だらけのこの映画ですが、唯一そうでなかったのが、BEYOOOOONDSの山﨑夢羽ちゃん演じる、握手会の松浦亜弥。
そのシーンを本人でやるのは不可能だろうということかと思いますが、今回大抜擢となりました。いや、めでたいね。

夢羽ちゃん、歌声も大変素晴らしいのです。
自分たちの持ち歌ももちろんよく、松浦亜弥カバーも非常に素晴らしい。ポスト松浦亜弥だって言っていた人がいた気がします。
スコン!と突き抜けるような声質、しっかりとした高音、キレのいい声の処理、弾むような歌い方、あとはなんかわからないけどめっちゃキラキラしている感じ。ステージに立つ姿をずっと見ていたくなる方です。

でも今回は歌はなし、純粋に演技だけで勝負、ということでしたが、ここはさすが。そこには松浦亜弥がいました。
堂々とした立ち振舞と、細かい仕草からそう感じるのか……私も松浦亜弥のことは映像でしか知りませんが、「あややに見える……!」と思いながら映画を見ていました。

一瞬のシーンだったけど、これをきっかけに世の中に見つかってほしいな〜。

「夢」と「逃げ」と「今が一番楽しい」ということ

最後に、映画の内容について。

夢を追いながらもうだつの上がらない日々が、「あやや」の登場によって変わる。夢でなく「あやや」を追いかける日々は楽しかったけど、ふと「これでいいのか?」と思う。「あやや」ももちろん好きだけど、夢も再び追いかけるようになった。

端的に言えば、そういう話なんだと思います。
ドラマチックに描こうと思えばいくらでも描けたものを、日常を語るのと等しく淡々と語るのが印象的でした。

夢を諦める、というのはともすれば非常に劇的に描かれるものかなあと思いますが、私自身の経験としてはっきりと「諦めた」という経験はそれほど多くありません。そして、多くの人もそういう感覚なのではないかと思います。
もちろん選択はしているんだけど、ドラマチックな諦めというより、他のものに夢中になったり、他のものに一生懸命になるうちに、夢を忘れてしまう。

でも、それで夢を完全に放棄(他に言い方がわからないのでこういう表現をしますが)したなら、これは問題になりません。
問題は、心のどこかでその夢がくすぶっていたとき。

このままでいいのか、と自分が問いかけてくる感覚、すごくわかります。よくあります。最近はほんとにそう……
主人公は仲間に「バンドやらないか?」と言ってみたことで、少しずつことが動いたわけですが、その過程で、「ハロプロと同じくらい大事なもの」ができていきます。

ハロプロと同じくらい大事なもの。好きなものと同じくらい大事なもの。

推しを追いかける活動と、自分のやりたいことと。ここで悩むことが個人的にあります。どういうバランスでやったらいいのかな、みたいな。
でも、本来的には両取りしていいものなんだよなと思いました。やりたいこともやるけど、推しは追いかけたい。それでいいじゃないか。
両方とも追うことが、一番楽しいのかもしれません。

夢を追うことで、つらい思いをすることもあるかもしれない。あるいは全く別のところで、悲しいことをするかもしれない。生きているというのはそういうことです。
劇中でも、主人公たちは仲間の死を経験するわけです。
それでもなお、「今が一番楽しい」と思って生きること。そう思って生きられること。それはとても尊いことだなと思います。

私自身も、そうやって生きていけたらいいな。

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