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「静か」となる618EC商戦と進化する中国マーケティング最前線(2)

去年の派手な巨額の現金ばら撒き施策がピークに、今年18年目を迎える618キャンペーン施策は表面上やや「静かな」状況を呈する。
ネット人口ボーナスのメリットがなくなった現在、データドリブンの「プライベートトラフィック重視」への方針転換は、「苦肉の策」なのか、中国ECの野蛮の開拓期から質的な変化を迎える成長期への「転換の兆し」なのか。
Tiktokなどの「インタレストコマース」の新勢力は、果たしてアリババやJDのEC帝国を揺さぶり、新時代を築けるかどうか。
今後も注目すべきところであろう。

■広告からインターラクティブなSNS施策へ

今年の各プラットフォームは、よりSNSの話題拡散、 コンテンツを主軸としたインタラクティブな施策を中心に展開。 ユーザーのクリエイティビティを喚起し、SNS上の自然発生のUGC増を促進することで、 ユーザーを「買う側」から「売る側(伝達者)」へ転換。

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■「Tiktok(抖音)」の初参戦でもらたすEC大型キャンペーンの未来

Tiktokなら、同一のプラットフォームにおいてブランドのコミュニケーションから、 商品レビューなどのUGCの、購買、ファンコミュニティまでトラフィックの閉ループをすべて実現。 また「世界最強と呼べれるAIアルゴリズム」とデータベースによって、異なるジャーニーの層をセグメントし 自動的に異なる施策でリーチさせ、新しい発見型の「インタレストEC」の形を創出。

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■アリババやJDも無視できないTiktokのトラフィック力

ECの独自展開でアリババやJDと正式な競合関係を築いたTiktokだが、 月間7億人のMAUを保有し、ユーザーメディア接触時間の上位占めるトラフィックの魅力を 各ECプラットフォームもが無視できないほど積極的にメディアとして活用。

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■Made in China 3.0の時代、「国潮」の蜂起

1.0の「チャンネル革新」(EC化)、2.0の「ブランド革新」を経て、「技術革新」を迎える3.0の時代と言われる流通&生産領域のDXより、中国新興の参入障壁が低下し、C2M(Customer-to-Manufactory)生産がさらに加速。

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大手プラットフォームの支援で、商品開発や生産のサプライチェーンのDXにより、過去のメーカーで1年〜2年のスパンで行われる新商品開発〜棚に置く期間を、4〜6ヶ月で短縮。大手ナショナル企業だけではなく、ネット発の中国の中小D2C企業も、通常のブランドより、よくダイレクトに消費者と繋ぎ、プライベートトラフィック(ファン)を囲み込むことで、驚異的な速さで企業成長を成し遂げている。

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<完>

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