映画「カラオケ行こ!」~与えられた愛のケジメについて~

※あんまりネタバレはしていません。

映画を観たいが映画館には行きたくない
綾野剛の紅が聴きたい
それだけなんだ

自分のつぶやきより

正確には、
「綾野剛演じる成田狂児が紅を歌うところを『観たい』」です。
観て来ました。
想像の5倍以上歌ってた。紅を。
(このシーンはたぶん聡実くんのツッコミ待ちだと思う、今気付いたよ)
尚、狂児の歌唱シーンの延べ時間も皆さんの想像の5倍はあると思うので、「とにかく歌う綾野剛が観たい」方でも「いや、おつり来るやん」と感じると思います。

(前提として原作から入った派で、映画化発表時に「綾野剛かぁ(似てないな)」と思った派です)

もうねーーーすごかったです。
全体と細部の良いところそれぞれで言えば、
全体:原作を補完するパートを入れ、原作及び本作(映画)の解像度、魅力を引き上げたていた
細部:愛
です。

忘れんように先に書きますが、聡実くんがものっっっっっっっっすごくかわいかったです。So cute…あれは危険よ!!!!!!!!!!!!!

話を戻します(あとで聡実くんの話をするよ)。
原作ではほぼ出番のなかった合唱部の面々、映画オリの映画部の子とか、こういった学校の面々あってこその「ごく普通の中学生の聡実くん」「もうすぐ声変わりを経験する聡実くん」「合唱部部長だけど生真面目なだけじゃない聡実くん」の解像度が上がってるんです。
中学生だよ中学生。原作も中学生だけどちょっとしっかり者だから忘れそうになる。映画版の聡実くんは顔も幼いし、両親や副部長とのやりとりもTHE中学生で良かったです。

ほいでは細部の「愛」にいきましょか!

もうねーこれは直球のラブストーリーでしょう。違うの? そうだよね??? ヤクザと男子中学生というギリギリどころか完全アウトなアレなんだけども、クソほど平和な「レオン」だと思っていただければいいです。ごめん適当なこと書いた。
劇中でもあるように「愛は与えること」だと気付いた聡実くん。青春のいちばんやわらかいところの最後、天使の歌声の最後を、狂児に捧げたんです。それもう破瓜の暗喩じゃん。ぎゃあああああ
可愛いくてまっさらな子から自分に捧げられた一生懸命な「愛」を見てしまったら、そりゃあ、あ、ここは劇場でお確かめください。エンドロールの次を観て。
ここに繋がると思うんですけど、原作であった「組長の絶対音感持ち設定が映画ではない」のね。だから組長は純粋に聡実くんの歌の力=愛の力に感動し、ここがどうラストに繋がるか観て。

という色々なアレを鑑みると、結論として綾野剛が演じる成田狂児しか許せないと思い至りました。綾野剛だから許せた。だってあんなに飛びぬけて可愛い中学生男子と、そりゃお前、アレだよ。これ以上言わせるなよ。

んで本noteのタイトルに繋げる。だからこそ、愛のケジメとしての3年間か4年間だったと思う。そしてエンドロールの続き。
これはさー、続編の「ファミレス行こ。」もあるんじゃないですか~~~?

【蛇足】
・「聡実くんがリストの説明してる時に聡実くんの顔をにこにこして見てる狂児」の聡実くん大好きっぷりが好きです
・狂児、歌はうまくもないけど、ドヘタじゃないんですわ。というか「聡実くんが言うように裏声はアレだけどうまい方に入る」と思う。顔が綾野剛だし歌も悪くないし、変声期の現実逃避の暇つぶしのお相手には良いよね。ヤクザだけどね。
(だからこそのエンドロールの続きなのさ……)


【追記】
以下はネタバレします。ふせったーからの転載だよ。

映画「カラオケ行こ!」のうまいところ
時間の経過を新しいホテルができるで表現しているところ、しかもそれを狂児の喪失と掛け合わせているところ

・「南銀座が潰れて3、4年後にホテルができる」という情報提示をしておいて、エンドロールの後に「南銀座にもうすぐオープンするらしいでっかいホテル」を映すことで「時間が経過したんだな」ってわかる。これがまずうまい! センスがない人がやると「3年後-」って文字で入れちゃう
・聡実くんの中の人のビジュアルはクランクアップまでに劇的に変わらないから映せない。でも狂児の電話相手として確かに「高校生の聡実くん」がいるわけ。
・っていう時間の経過をうまいこと表現してるのが第一弾で、「普通の中学生活だったら絶対に足を踏み入れなかった南銀座=一般人は普通は関わらないヤクザの狂児そのもの」且つ、ふたりで過ごした日々のメタファーを、あの卒業のタイミングから解体されるのね。ってのが第二弾。すごいわ。
・結論、「どエモい」


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