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復讐代行者 シロツメ

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自作小説『復讐代行者 シロツメ』のまとめです。完全なる見切り発車なのでどこまで続くかも分かりませんがどうか見守ってやってください
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【小説】復讐代行者 シロツメ【あらすじ】

【小説】復讐代行者 シロツメ【あらすじ】

─ぼくらはあくまで、3枚の葉なんだから

マーク。それが彼の通称。
世界から否定され世界を否定した、どこにでもいる引きこもりの高校生。

リリー。それが彼女の通称。
世界から妬まれ世界を憎む、どこにでもいる恋に恋する乙女。

ヤマト。それが彼の通称。
世界から裏切られ世界を信じたい、どこにでもいる優しく不器用な男。

復讐をしたい者、実行する者。
復讐を遂げた者、止めたい者。

これは何の変哲もな

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【小説】復讐代行者 シロツメ【3】

【小説】復讐代行者 シロツメ【3】

「そんでまー坊よ。今回はどういった内容だ?」
女子…リリーから差し入れられた小さくお洒落なフルーツタルトを一気に口に放ってから、再びソファに座った高身長の男がぼくに訊ねる。
そこでノートンくんで探し当てたとある掲示板の画面をスクリーンショットしたものをプリントしてきた紙を、ぼくに向き合うようにして話しかけた高身長の男と、その隣でソファに軽く腰掛けているリリーに見せた。

「うわぁ…」
「こりゃひで

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【小説】復讐代行者 シロツメ【2】

【小説】復讐代行者 シロツメ【2】

引きこもりは、必ずしも全く外に出ない訳じゃない。自らの用事でこうして必要最低限の距離まで出歩くことだってある。そんなことを言い出すと、引きこもりとそうでない人の境界って厳密には曖昧なのかも。

ただ、日々をそつなくこなしている人達とは違い、普段から人と接することが極々限られているぼく達引きこもりはコミュニケーション能力が圧倒的に低い。だから急に話しかけられたりすると分かりやすい程に萎縮してしまう。

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【小説】復讐代行者 シロツメ【1】

【小説】復讐代行者 シロツメ【1】

ぼくは昔から、世の中のシステムいくつかに疑問を抱いてきた。

子供は元気に遊ばなければ駄目。
男子たるもの心身共に強靭でなければ駄目。
女子なんだから家事育児に備えなければ駄目。
大人になったんだし結婚して子孫を残さなければ駄目。

何故子供は元気だと決めつけるのだろう。
何故男子はしなやかに淑やかに生きてはいけないのだろう。
何故女子は家庭に入ると決まっているのだろう。
何故大人は結婚という契約

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