見出し画像

全身全霊の『エール』

昨日は久々にある生徒が授業に出てきた。
彼はフィリピン国籍で、両親共にフィリピン人です。ただ、両親がタガログ語しか話せないかと言うと、むしろ日本語しか話せないようで、当然彼も日本語のみ話せる極々普通の高校生です💡

一般的な高校生とは少し違うとするならば、彼は自分の見た目や肌の色など、自分に対してのコンプレックスが激しく、数年間引きこもってしまい、現在20代後半の年齢だという事。
ただ、僕の勤務校にはそういう人たちも一定数居るし、全然OKなんです👌

そんな今年の4月以降、自分自身を奮い立たせ、自分のコンプレックスと対峙しながら毎日皆出席のペースで授業に出ていました👍

しかし、6月初旬頃からパタッと姿を見せなくなりました…「これはきっと何かあったのかな?」と、ちょっと心配になるのは当然です。

案の定、彼は詳しくは語りませんが、僕の推測では自分へのコンプレックスを助長されるような出来事にあったようです。

彼はただでさえ自分が周りからどのように見られているのかを過剰に気にする人間です。
そしてそこに加えて彼自身が「きっと○○と思われているに違いない。」と根拠のない思い込みを加えて、自分へのコンプレックスは更に強固なものになっていきます。

彼はいつも長袖を着て、自分の肌を少しでも見られないように袖を伸ばしています。髪も長めで頬を隠そうとし、ご時世のおかげでマスクも彼を味方します。

正直な所、こちらから見ると何もコンプレックスを持つ必要は無いと思うのですが、彼自身、これまでの人生で何度も傷をつけられてきたのでしょう…どうしても自分を出す事を怖がってしまいます。

でも僕も彼の気持ちは分かります…。
僕もかなり自分へのコンプレックスに悩んでいた(または悩んでいる)人だからです。

周りから自分がどう見られているかって、めちゃくちゃ気になっちゃうし、あの人はきっと自分の事を下に見てるんだろうな….とか、思ったりもしました。
また、成果とか結果が出ないと自分は評価されないんだろうとか、そんな事も思ったりもしました。うん、しかもつい最近まで💧

今もそんな事を思う瞬間がゼロではありません。
ただ、以前の自分と違うのは
『どんな自分の側面も大切にしてあげようという視点を持つ事。』
『前向きな言葉を発しようと意識する事。』
『小さな事でも、行動を起こした事で自分を褒めてあげる事。』
こういった幾つかのことを心の片隅に置きながら生きてみようと思っていることです。

つまり自分から自分へ向けられる矢印を大切にしようという意識を持つって事ですね👌
そうすると少し楽になるような気がしています😌

よくよく考えてみると、一歩何かを間違えたら、僕は彼になっていたかもしれないし、彼は僕になっていたかもしれない…そんな風にも思いました。

共に自分にコンプレックスを持つ者として、そしてそんな自分を払拭したい者として、僕は全身全霊で彼を勇気づけました。
まるで自分自身に語りかけるように。

彼も一生懸命話を聞いてくれました。
そして最後に「僕、言葉上手くないからなんて言っていいか分からないけど、先生が先生で良かったです。」と言ってくれました✨

当然僕も飛び上がる程嬉しかったです。
しかし、同じコンプレックスを持つ者として瞬時に思った事は、『僕という存在が彼を勇気づけられたように、次は彼自身の生き様が誰かを勇気づけられる日が来るはずだ』という事です。

そしてその気持ちを正直に彼に伝えました。
これからもお互い色んな事に傷付きながらも、死ぬ瞬間まで一緒に居てくれる自分自身の事を大切にしながら、一つでも多くの丸印を自分にプレゼントしていきたいものです😊

さぁ、今日も必ずいい事がある!!👍

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?