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勝手に読後レビュー 『入れ子細工の夜】〜ゾクッとするどんでん返し好きにオススメ〜

どうも、みことのは です。
前回のレビューも阿津川辰海さんの作品でした(笑)
理想を言えば、ミステリー読んで自己啓発(学びの本)読んで の繰り返しで読み進めたいのですが、どうも好きなものに没頭してしまうのか、ミステリー読んだ後、余熱でミステリーを読んじゃうんですよね(汗)

しかも今回は同じ先生・・・。

以前にも同先生の短編集作品は読んだことがあるのですが、今回の短編集は今まで読んだ中でも個人的に一番面白い作品でした!

↑ 前回の短編集です。

↑今回の短編集。

よって今回は、全体的な感想と各短編ごとの感想を書かせてもらえればと思います。

尚、なるべくネタバレしないように注意して記載しますが、ストーリーにも触れますので、予めご了承ください。

1、全体的な感想 〜コロナ禍アピールが強いミステリー〜


今作はミステリー短編集なのですが、同じ先生の作品の中でも個人的に一番面白かった作品集です。

特に密室殺人やクローズドサークルなどの王道トリックも、真っ直ぐな推理オタクの名探偵も出てきません。ですが、しっかりミステリーとして面白い!そんな作品集です。

主な特徴は、以下の通り。

①全体的に、【ゾクッとするようなどんでん返し】系のお話たち


どのお話の内容も環境も違うのですが、ミステリーとしてどんでん返しの要素も持っていました。

しかも、そのほとんどが【ゾクっ!】とする怖さをはらんでいる様な感じです。一瞬で見え方が変わるような、それまでの風景も見違えるような、そんなゾクゾクを感じることができますので、ミステリードラマや考察が好きな方や、ミステリー小説をエンタメとして読んでいる方にとっては、楽しめる作品だと思います。

②コロナ禍を『これでもかっ!』とアピールしてくるお話たち


これは、あんまり作品の内容に関わる感想ではなく、作者の方もあとがきで少し触れられていましたが、ホントに『これでもかっ!』というくらいにコロナ禍の弊害をお話の中に盛り込んできます。

簡単に言うと、マスクを外して話をする とか、マスクは息苦しい とか。

お話の流れ自体には特に関係ないものがほとんどなので、コロナ禍であることを盛り込むことで【お話のリアル感】に厚みを持たせようと思ったのかもしれませんが、そこまでやらなくても・・・というのが正直な感想です。

このお話が文庫化されて10年後に読んだ時に、コロナ禍という空気がより異質に不要に感じられるかもしれませんね。

2、各 短編ごとの感想 〜個人的に好きな作品カウントダウン〜


では、実際に渡しが短編を読んでみて、少しずつではありますが感想を書きたいと思います。ちなみに順番は【面白かった作品カウントダウン】方式にしています。あくまで個人的な感想ですので、あしからず。

①第4位 危険な賭け 〜私立探偵・若槻晴海〜


第4位ですが、決して面白くなかった というわけではないんです。ただ、今回の作品の中で一番 王道のミステリー小説っぽかったですので、それだけです。設定の面白さの差で第4位でした。

②第3位 2021年度入試という題の推理小説


これは、まず設定が面白い!この差で3位!
ミステリー小説の中のミステリー小説、大学入試という設定が面白かったですね。どんでん返し的には少し弱い感じがしましたが、個人的に気持ち悪い終わり方も良かったと思います。

③第2位 入れ子細工の夜


この小説のタイトルナンバーが第2位です!
まるで、中野や池袋の小劇場の舞台を見に行って、二人芝居を延々と見せられている印象。その心地よさ&どんでん返しの連続が非常に面白い作品でした!唯一この作品がトップじゃないのは、【終盤、お腹いっぱいになった】ことでしょうか。ついて行けない人もいるかもしれませんね。

④第1位 六人の激昂するマスクマン


栄光の?第1位!設定の面白さも、どんでん返しのゾクゾク具合も、ミステリー感も、非常にバランスが良かったです!

タイトルから想像できる通り、出てくる登場人物はプロレスのマスクマンです。もうそれだけで面白いし、【なにかトリックがありそうなワクワク感】も感じませんか(笑)?


以上、かなり面白いミステリー短編集ですので、旅のお供や移動中にも良いと思います!ご興味あれば、ご一読ください。

では、また。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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