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さなコン3応募作品について

さなコンこと「日本SF作家クラブの小さな小説コンテスト」は、pixivにて開催されているコンテストです。
参加選考員の方々がマジですごいです。
だいぶ時機を逃している気がしますが、今更ながら「第3回日本SF作家クラブの小さな小説コンテスト」への応募作についてちょっと書こうと思います。


応募テーマについて

ちなみに毎回テーマが設定されるさなコンですが、今回は下記の通りです。

今回のテーマは「共通書き出し」。
日本SF作家クラブが提案する下記の文章を書き出しの文として、自由に執筆し10,000文字以内の短編小説にしてください。

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「チャンスは残り三回です」どこか楽しげに声は告げた。
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https://www.pixiv.net/novel/contest/sanacon3

応募作について

そして私の応募作がこちらです。
いつかの死と今日の言葉

世界を謎のウイルスが蔓延している。言葉を発するごとに悪化し、いずれ窒息して死に至る病で、たくさんの人が死に、人々は言葉を発しなくなり、AIなどに頼るようになった。世界を閉塞感が満たしている。レトロブームの中、学生の私はそれなりに生活を楽しんでいた。

ネタについて

もともとこの作品のプロットは、とある自主制作映画のコンペに出したものでした。
そのときのテーマが「人が話せる文字数が決まっている」というもの。
そこから今回のようなウイルスで言葉が制限されるものや、頭の上に残数値が表示されるメタバースのネタなどを考えましたが、
ちょうど自分の子供がしゃべり出したばかりだったこともあり、制限があったとして子供は制御できないよな、などの考えもあって前者のものをプロットにまとめました。

結果このコンペはだめだったのですが、せっかくなのでそのうち自分で小説にまとめたいなーと思っていました。
で、さなコンのテーマを見て、「いけるのでは?」と思ったのです。
ジャンルは問わない、ということでしたが、やっぱりちょっとSF意識するじゃないですか。一応内容的にSFポサもあるじゃない?と思ったりして。

でもこれね、迷ったんですよ。
あまりにもコロナ意識してるって思われないかって。そもそもプロットを作ったのはコロナがあったからではないのですが、しかしこのご時世どうあってもコロナだなって思うじゃないですか。
しかも無意識下にコロナがなかったかっていうと完全にないとはいえない気もする。
そしてもはやコロナで作品を書くには遅いかなって(ギリギリ?)思っていて、ネタの時点で落とされるかもとは思ったんですが。
しかしこの機を逃せばこの作品を形にするタイミングなくなりそうだなと思って、とにかく書き上げました。

ただネックだったのは、テーマでは「あと3回」、手元のプロットでは「回数制限」ということ。
この「3回」と数の制限があるのと、なんとなく回数制限が決まっている、というのでは、なかなか大きな違いなのですよね。
回数を指定するということは、そこに意味がないといけないと思うので。
そこをなんとかごまかすために冒頭のモノローグを入れましたが、まあ、小手先の技なので、だめだろうなあとは思っていました。
これに関しては、メタバースネタの方が向いていたかもしれません。

選考通過について考える

それで、多分一次も通過しないだろうと思っていたので、一次選考の結果が出たら、もともとこういう経緯で考えたネタでしたーという記事を出すつもりでした。
が、なんと、ありがたいことに一次選考通過。
え、まじか!? と思いながら、さすがに前述のネタの件もあり、二次通過はないだろうなーと思っていたのですが。
やはり通過ならずでした。
選考基準について、さなコンの運営さんの方で公開されていたのでちょっと分析してみました。

さなコン3の一次選考は加点法によって行います。減点はありません。そしてその、一次選考における評価ポイントは以下の通りです。
◆さなコン3・一次選考評価ポイント
・アイデア:作品のメインアイデアは新しく、驚きのあるものか?
・アイデアの利用方法:アイデアは作品内で適切に・効果的に使われているか?
・キャラクターの魅力:作中のキャラクターに魅力はあるか?
・設定描写:設定は自然に・効果的に語られているか?
・リーダビリティ:文章は読みやすく、魅力的か?

https://sfwj.fanbox.cc/posts/5540774

まず第一に「加点法」だったのが大きかったのではないかと思います。

・アイデア:作品のメインアイデアは新しく、驚きのあるものか?
 >前述の通り、斬新とは言いがたいので、加点なしかな
・アイデアの利用方法:アイデアは作品内で適切に・効果的に使われているか?
 >こちらも前述の通り、テーマになっている回数について曖昧な利用方法になってしまいました。一応、あと3回しかないかも、と恐れているというように表現しましたが、そこをどう捉えられているかわからないので、ちょっと微妙。
 しかしアイデア(話すと命が削られるというところ)を効果的に使っているか、という点で言えば、作中では活かせていたかなとは思います。
・キャラクターの魅力:作中のキャラクターに魅力はあるか?
 >これは……特異なキャラではないのですが、こう、生き生きとはかけたんじゃないかなと思っています
・設定描写:設定は自然に・効果的に語られているか?
 >ここはちょっと自信があります。情報の出し方や、説明くさくならないようには普段から気をつけている部分です。
・リーダビリティ:文章は読みやすく、魅力的か?
 >魅力的かはわからないですが、読みやすくは普段から気をつけている点なので、加点いただけたのではと思っています……!

こんな感じです。
この評価ポイントについては、今回だけではなくて、ほかの公募などでも意識する点として参考になるなと思いました。

そして最後に。忘れてはいけない。
レギュレーションエラーを指摘していただけたこと!!
応募について読み込んだつもりでしたが、あらすじの書き方を見落としておりました。ラストまでちゃんと書かないといけなかったのですが、ふんわりと書いてしまいまして。
コメントでご指摘をいただき、修正しました。
あらすじについても選考対象ということでしたので、これがちゃんとできてなかったら通過できてなかった可能性が大です。
ほんとうにありがとうございました。

結果、一次選考通過、二次選考落選ということになってしまいましたが、
一次選通過者にはフィードバッグいただけるみたいなので、楽しみです。

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