日本版『天使について:堕落天使編』ネタバレあり感想+時系列解説+小ネタ

2022.02.25夜/02.26昼/02.27昼
03.06昼/03.06夜(大千秋楽)公演観劇

ネタバレあり感想と時系列解説、小ネタを書いていきます
韓国版パンフ&特別公演で明かされた、作中では描かれていない内容もあるので…
韓国版については友人のブログの方が詳しいのでぜひこちらを読んでください!

http://e-evans-9.blogspot.com/2018/08/ver.html?m=1

歌詞を日本語に翻訳したやつ
1. 세상을 떠도는 천사 〜 9. 프레스코(Fresco)
http://h1yor1.blog.fc2.com/blog-entry-22.html?sp
(ここまでルカside)
(ここからバレンside)
10. 루카〜18. 캐릭터붕괴
http://h1yor1.blog.fc2.com/blog-entry-23.html?sp
19. 프레스코(Fresco) rep.〜22. 세상을 떠도는 천사 rep.
http://h1yor1.blog.fc2.com/blog-entry-25.html?sp

1幕はルカ視点、2幕はバレンティノ視点で話が進みます
なので同じ曲を2回やることになる

☆時系列☆
神がバレンを作る
→バレンが天使たちのエースになる
→死にかけていた白い小鳥であるルカを神に頼んで天使にしてもらう
(神は自身に似た姿でルカを作った)
(神はルカ役の俳優さんがグラサン+もふもふコートで演じられる)
→バレンが人間の女性と恋に落ちる
(天使は人間と恋をしてはいけないというルールがある)
→神が怒ってバレンの涙を奪い、バレンは笑うことしかできなくなる。
(泣こうとすると目が痛くなる)
(ルカの話をした後に「彼にひどく憎まれている」って言うので彼=ルカ?って聞こえるけど彼=神です。バレンが肩にもたれたのも膝の上で寝たのも相手は神)
→芸術家たちを支えて神の栄光を現す作品を作らせる使命を与えられたルカ。彼を邪魔するバレン
(ルカは白い小鳥だったころのことを覚えていないので、バレンが自分を助けたことも覚えていない)
〜本編開始〜
1495年、ミラノ。ジャコモに会うルカ。ダヴィンチに会うバレン
→バレンの誘惑によりダヴィンチは絵を描かないことを選択する
→ジャコモとダヴィンチ、言い争う
(ここで歌う「ふたりの天使に〜」はジャコモとルカのこと)
→ジャコモはダヴィンチが街の人々の肖像画を描いて売っていたころに出会った、道端で亡くなった女性から託された子供だった
→バレンはかつて幼いジャコモを見たことがある。愛したジャコモが視力を失っていくことを知り、悲しむが泣くことのできないバレン

Q.バレンがジャコモを好きになったのは、昔愛した女性の生まれ変わりだからとか?
A.「転生したその女性に会ったからではなく、その女性を愛したときのことを思い出して当時の感情や想いが蘇ったからだと思っている。それに、ジャコミナとバレンティノの愛が恋人同士の愛だとは限らない」(양지원俳優)

→アトリエは男性しか入れないので、ダヴィンチはジャコミナ(女性名)をジャコモ(男性名)と呼び、女の子であることを隠して男の子として育てていた。ジャコミナは霞んでいく視界の中で、縋るようにキラキラしたものを求めた
→バレンはダヴィンチに、ジャコミナの目が見えなくなる前に自分を絵に描いてジャコミナに見せてほしいと頼む
→ジャコミナに絵を描くと伝えるダヴィンチ。ジャコミナに下絵の準備を頼む
(最後の晩餐、製作開始)
→ルカに、ダヴィンチが絵を描くことになったと伝えるジャコミナ。フレスコで描くって。フレスコ技法は完成まで早い。バレンに邪魔される前にミッション完了できる!と喜ぶルカ
→バレンはダヴィンチに、修正が容易であること、細かく描き込みができることからテンペラ技法で描くことを提案する
→承諾したダヴィンチ。ジャコミナから、テンペラで描くことを聞いたルカはミッションが失敗したと嘆く。テンペラは完成まで時間がかかるので、またバレンに邪魔されてしまう、と…
→最後の晩餐完成。ジャコミナに見せようとダヴィンチはジャコミナを呼ぶが、最後の晩餐は漆喰と共に崩れてしまった。これも神の嫉妬のせいかと絶望するバレン
→1503年、フィレンツェ。ダヴィンチにすまなかったと謝るバレン
(モナリザが描かれたのが1503年なのでこの設定なんだと思う。韓国版では年号が明かされないので、1年後くらいの話かと思ってた…8年経って謝りにくるバレン…)
→もう一度絵を描くと決意するダヴィンチ
→××完成。ジャコミナに見せようとダヴィンチはジャコミナを呼ぶが、ジャコミナは既に視力を失ってしまっていた
(韓国版ではダヴィンチが描いたのはモナリザ。日本版ではカンバスは白紙で、背景に映し出されたのはモナリザではない絵の下絵)←日本版、『猫のマドンナのための研究』という絵だったと教えてもらいました!
(韓国版再演ではその回の俳優さんの顔とモナリザを合成した絵を見せていた。ジャコミナは杖をついて登場する)
→ダヴィンチの絵を抱くジャコミナ。ジャコミナはダヴィンチに、幼いころ天使に会ったことを伝える。私は天使を見たんだ、天使に会ったんだ、と

Q.ジャコミナは本当にバレンが見えたの?幼いころの純粋性の影響で見えたとか?
A.「脚本上、バレンティノがジャコミナに姿を現したという記述はない。バレンがジャコミナに姿を現したのではなく、ジャコミナがバレンの姿を見たのだ」('21演出家)
白い小鳥だったころのルカと同じようにバレンの声を風の音、姿を朝霧としてとらえたのか、それとも本当に見たのかは明言されていないようですね

→ジャコミナの最期。ダヴィンチに手を伸ばし、握ったダヴィンチの手にキスをして(鈴木さんジャコミナのディテール!)息絶える
(韓国版ではジャコミナは死なないので日本版の演出にびっくりした)
(友人が「若くして視力が衰えるって、なんらかの病気の合併症の影響だったかもしれないよね」って言ってて、なるほどなと思った)
→2022、パリ、ルーブル美術館。モナリザの前にいるルカ。この500年間、バレンとは一度も会わなかったという
→突然現れるバレン。ルカはモナリザがバレンの肖像画だと言い、バレンはジャコミナの肖像画だと言う
(日本版はダヴィンチが描いた絵が明かされていないので、もしかしたら天使たちが勝手に言ってるだけかもしれない)
→このときのミッションは失敗したと思っていたルカに、バレンは成功だったと伝える。ダヴィンチが言った、「神よ、私の絵がお気に召したなら白い小鳥を送ってください」という言葉。白い小鳥がこの絵の前に現れた(=神がこの絵を気に入った)のだから、ミッションは成功だったと
→自分が白い小鳥だったことを覚えていないルカは、バレンがなんでそう言うのかがわからない。からかわれたと思って怒るルカと、そんなルカを笑うバレン
→完

☆その他いろいろ☆
・神はそのときどきで好きな名を名乗っている。このときはフレディという名が気に入っていたらしく、そう名乗っていた
同じ脚本家の『最終陳述』という作品にもフレディと名乗る神(私より人間を好きだなんて!と嫉妬する神)が登場するが、同一人物(人物?)なのかは定かではない。『最終陳述』での台詞いわく、神は見る人によって姿を変えて現れるらしい
・「キャラクター崩壊」という曲が初演にあったんですけど再演で消えました。日本版の脚本は再演準拠なのでもちろん日本版にもない。バレンがダヴィンチに「カッコよく描いて!」とお願いしたりジャコミナへの愛を全力で語ったりする
・「マレルヤ」は「ハレルヤ」の言葉遊び。말(まる)れるや
말다=否定の意味が含まれている
・1922年より少し前、バレンは同じ脚本家の『ミオ・フラテッロ』に出てくるフローレンス(バレン役やってた俳優さんもキャスティングされてる)(女性キャラだけど男性が演じます)という女性にルーブル美術館で一目惚れする。フローレンスの結末は…
・同じ脚本家の『アポロニア』(『ミオ・フラテッロ』の続編で、同じ時代を描いている)という作品にはルカという猫が出てくる。天使は猫のようなもの!
・「バレンティノは善良な同僚天使の見る夢を掻き乱して、一日中、耳元に残る幻聴で同僚天使の日常を邪魔する」←特別公演で語られた話
・牛乳配達の少年の名前はマルセリーノ
・ルカが天使になったあと、教育係はバレンだったそうです。天使の徹底したプロ意識を教えたのもバレン
(マレルヤでバレンがルカと同じチェック方法やってたのは、バレンがルカにこれを教えた張本人だったから)
・一番上に貼った友人のブログの最後にこれ以外の小ネタも書いてあるのでぜひ見てください!

☆所感☆
めちゃくちゃよかったです!!抜けてるシーンや足された台詞もないし、脚本も演出も(後ろのスクリーンの映像は別として)ほぼ同じでびっくりした
上に貼った翻訳見てもらったらわかると思うんですけど、ほとんど直訳だったので韓国版の脚本がそのまま伝えられた感じですね。「寝室は冬になった」→「寝室は閉ざされた」とか「必ず帰ってきなさい〜」とかは再演で変わったところです。初演の歌詞を訳したのでちょっと違う
(初演のCDを聞いて訳したため。再演はCD出てない)
俳優さんごとにキャラ解釈が違ったのもよかった!
全員見たいので配信買います。
ルカバレンジャコモの一人称が僕だったのもわかる〜!ってなりました。でもジャコモの一人称が僕と私を行ったり来たりするのはなんとかしてほしかったです。ダヴィンチの前では僕、ひとりのときは私にするとか、1503年以降は私で統一するとか…
あと、정말 예쁘지 않나요が「かわいい かわいい」になってたのはちょっとどうかと思いました。美しい、の方がいいと思うんだけど
友人「예쁘다にかわいいはあるけどかわいいに예쁘다はないんだよ」
衣装も初めて発表されたときは???ってなったけど、動いてるの見たらわりとよかったです。ルカバレン見分けやすいし
ジャコモ、男の子にも女の子にも見える衣装なのがすごくよかった!かわいかったです
韓国に行けないなかで、大好きな作品を日本で見られて嬉しかったです。ありがとうございました!!

☆俳優様ごとの感想☆

・中村太郎さん
私の理想のルカ!! 元気で無邪気で空回りしててすごく解釈一致でした。ダヴィンチやるときは声色変えてるのも好き! ほんと皆にこのルカを見てほしい。私の大好きなルカはこの方のルカです!
声が大きくて聞き取りやすいし、台詞と台詞の間の動作もルカっぽくて好感が持てました
一番初めに見た回がこの方でよかったです! そして日曜のチケットを追加するはめに…

・古谷大和さん
ジャコモ可愛すぎてびっくりした。ほんとに女の子だった!
初日から千秋楽への歌の進化がすごくて感動しました。とても努力される方なのですね…! 元の作品へのリスペクトが伝わってきた、ありがたいコメントをくださったのも嬉しかったです。すごく深くこの作品の解釈について考えておられるそうで…本当にありがとうございます!
こんなバレンは(私は)初めて見たので新鮮でした! 無邪気な少女と妖艶な堕落天使を行ったり来たりするの、演じ分けほんとよかった

・石井一彰さん
とにかく歌がお上手でした。ミュージカルの発声だー! って嬉しくなって、1曲目終わりめっちゃ拍手しました
RIKUさんとの回、ハモリがほんとに天使の歌声でとても気持ち良かったです。今からでもCD出しませんか?(今ずっと韓国初演のCD聴いてる)
プライドの高いルカも(私は)初めて見たので面白かったです! こんなに俳優様ごとにキャラ解釈の違う舞台を日本で見られるなんて! 独自のキャラを作り上げてくださって本当にありがとうございました。プライド激高なのにどこか抜けてる、その塩梅がバランスよくてとてもよかったです!

・鈴木勝吾さん
この方の演技で泣きました。3回目に見た公演のときはジャコミナあたりからずっと泣いてました
感情を乗せて歌うのがとてもお上手で、登場人物の心情がまっすぐ伝わってきたように思います。語彙力がないのでよかったしか言えないけどよかった…
この方独自のディテール、特に最後ダヴィンチの手にキスをするところが本当に好きでした。師弟愛か家族愛かはわからないけれど、たしかにふたりの間には愛があったんだね、と思えて…
私が見た回、小道具に何度かミスがあった回だったんですが、演技をしながらカバーしていて感服しました。舞台本番という緊張感の中、他の方のミスまでうまくフォローするなんて…! この方は歌も台詞も演技も完璧でした! 心の底から拍手を送りたいです。千秋楽は特に…とても大変な公演だったと思いますが、最後まで走り切ってくださって本当にありがとうございました!!

・RIKUさん
歌を聴いた瞬間、あまりのうまさに驚きました。聞き取りやすいし綺麗だし上から下まで掠れもせずしっかり音出せてるし、私の大好きな曲をこんなに美しく歌ってくださるとは! と感動しました
かわいいダンスもかっこいいダンスもとてもうまくて…今後もLDHで韓ミュを輸入することがあればぜひ毎回出ていただきたいです。この方で見たい役がたくさんあります!
舞台2回目と伺って本当にびっくりしました。舞台の演技に関してもすでにこんなに技術が高いのに2回目…? 友人と通話しながら配信見ててもRIKUさん出てきた瞬間「うまい…」しか言えなくなるのに…?
今後もどうかこの方のキャスティングをお願いしますLDH様!

・鍵本輝さん
今回どうしても予定が合わなくて、唯一生で見れなかった方です…
配信は拝見しましたが、やはり生で見るのとは違うでしょうから、うまく感想が書けなくて申し訳ないです
ヴァレンティノというタイトルの曲が私はとても好きなのですが、この方の歌うこの曲がとても綺麗で印象に残りました。ぜひ生で聞きたかったですね…!
舞台が終わってからもご自身のプラットフォームで天使についての話をしてくださったり、観客の疑問や感想を拾おうとしてくださっているところはとてもありがたく感じました。それだけこの作品を愛してくださっているのなら私も嬉しいです!
事前にダンスが得意な方だと伺っていたのですが、さすがと言うべきかとても美しくて…! 見ていてとても華やかでよかったです

今回初めて知る俳優様ばかりだったのですが、どの回も本当に楽しく見られて幸せでした。
大好きな作品が日本でどうなるのか不安に思っていましたが、結果こんなに現地に通って毎日配信を見る(マジで見てる)ことになって驚いています。千秋楽を迎えて2週間になる今(2022.03.19現在)でも、たくさんの方がこの作品を愛して語ってくださっていることが本当に嬉しいです。
素敵な作品を作り上げてくださった俳優様方、本当にありがとうございました。とても楽しい観劇体験でした!!

※この作品についての疑問点や気になる点などあればDMください。韓国の俳優さんや演出の方がいろいろな質問に答えておられるので、わかる範囲でお伝えします→ @mnon_029

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