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アーカイヴ「月モカ」

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2015年からFbオフィシャルページで始めた、毎週月曜日に投稿するモカコエッセイ「月曜モカ子の私的モチーフ」通称月モカ。2021年度、毎週月曜日に、初稿からかいつまんで順番にアー… もっと読む
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#随筆

アーカイヴ月モカ❗️Start✨Vo.1「東京百景/又吉直樹」(2015.03.02)

毎週月モカを更新することが、今どうしてもできないので、ふと、この6年分の月モカをかいつまみながらアーカイヴ投稿していくのはどうか、と思い立った。きっかけは定山渓-ジョウザンケイ-温泉だった。 今はこのことは語らないでおく。 旅はいつもわたしに何かを教えてくれる。 旅に出たくなるのは、何かをその土地に、教わりたい時なのかもしれない。 ー2021.4.26 中島桃果子ー ✴︎   ✴︎   ✴︎  以下アーカイヴ ✴︎   ✴︎   ✴︎ 第1回月曜エッセイです! (↑まだ

アーカイヴ月モカ❗️ /Vol.6「 ルーツ/松谷みよ子」(2015.04.06)

※ルーツとは、ことの起源、という意味です。 そして本編は過去の月モカのアーカイヴです。新しいものたちはこちらのマガジンにありますゆえ!         ✴︎   ✴︎   ✴︎ わたしのパブリックな処女作は「蝶番」であるが、わたしがいちばん最初に書いた物語は「あきちゃんとアヤメちゃん」という、シリーズものの短篇集だ。 書き始めたのは幼稚園のときで、おそらく小学二年生くらいまで書き続けていた。単に自分と妹の日々を、松谷みよ子さんの「小さいモモちゃん」シリーズになぞらえ

月曜モカ子の私的モチーフ vol.186「点滴」

ちょっと思うところあって今日の月モカを書いてみる。 実は東京に戻ってきてすぐ、 風邪→アレルギー由来の咳喘息になってしまった。 東京の空気は汚れているのだな。 まるひと月も滋賀にいて空気のきれいな中で暮らしていたから耐性がなくなってしまったのだろうか。                            他の場所にしばらくいるとわかる。 東京の空気は汚れている上に、いろんなものが混ざり合って舞っているから、 それを吸い込んでわたしはすぐに喘息になるのだ。 これは文明のもたら

月曜モカ子の私的モチーフ vol.185「ハイパースペック母」

わたしの大きな悩みの一つに母親のスペックが高すぎて、 自分がただただチンケに思える、という悩みがある。笑。 まず体力。母はとてもタフである。そして緑の手を持っていて植物や動物とかと通じている。さらにエモーショナルクオリティがとても高くて、ややこしい対人&家族問題を上手に解決するし、その上人道的である。しかし別にお堅くない。(「相手が多くお釣りを間違えた時はわざわざわ言わへん。なぜなら相手の間違いやから」というような持論も持っている。) さらには危機回避能力がとても高い。口も

月曜モカ子の私的モチーフ vol.184「幼馴染」

「あんなそんな真ん中歩きなな!(歩いたらあかん、の意味)そこ神様通るとこやんか!もっとはじっこ歩き」                            幼馴染に背後からそう言われたのは伊勢神宮での下宮での出来事。 もっとはじっこ歩きと言われると自分がふてぶてしい人間なのではという気になって恥ずかしい。                           「あんた神社での手の洗い方とかも知らんやろ」 そう怒られてしまったのだがこの時点では (いやいやアラビア以降のスピ旅、ス

月曜モカ子の私的モチーフ vol.179「満月」

昨夜、劇作家のニールサイモンが旅立った。 ちほさんから「満月の日に逝くなんて、最期まで洒落ているよね」とlineが来たのだけど本当にそうだと思う。                             学生時代、ああいうお洒落な戯曲が日本にもあればいいなと思っていた。ニールサイモンがわからない人の方が多いと思うけれど、日本では三谷幸喜さんがかなりニールサイモンのシチュエーションドタバタコメディに影響を受けているので、ああいった感じといえばわかるだろうか。三谷幸喜作品には独

月曜モカ子の私的モチーフ  vol.176 「町の病院」

入院も10日を迎え、本日ようやく退院できることとなった。最後の点滴をしながら綴る月モカである。 (胃及び腸の内視鏡検査の結果、大きな病気は見つかりませんでした、皆様ありがとうございます)                             入院したその日は腹水のあまりの量に、腸などが破裂した場合の緊急オペを考えて、院長先生は転院もお考えになったようだが、おそらくここで経過観察できそうであるとの判断でわたしはいつも通っているこのY病院に入院することになった。ヒエラルキーの上

月曜モカ子の私的モチーフ  vol.173「Age is just number」

極暑の中、本日久しぶりのデイオフであり(ホリデイとはまた違うただの休みをデイオフと言うのだなと、スペインから来ていた友人ジョゼに学ぶ)、 何をしていたかというと部屋の掃除である。 7月の頭に出羽三山に行って、そこから久しぶりの友人フロムスペインの慌ただしさ、そこへ「かぐらむら」の締め切り、ザギンの周年、白熱してゆくワールドカップの頂上決戦、おいそれとは扱えないどれもが畳み掛けるながら並行して続いていて、もはや1日を1日として区切りながら過ごすのが難しく、この15日間は地続き

月曜モカ子の私的モチーフ  vol.171「生まれ変わりの旅」

毎日何かしらサッカーを見ていて完全に生活が壊れている、眠い。 いやしかし、昨日のロシア対スペイン、ずっと攻め続けたのはスペインだったがロシアは必死に、果敢に守り通して、延長戦を終え最終的にはPKで勝利、 史上最弱の開催国という下馬評を返上した。(わたしはスペイン好きだから、ロシアを称えつつすこしションボリ。しかも今日からスペイン人の友人ジョゼが日本に遊びに来るのにな…) 毎週土曜だけバイトしてるワインバーのボスが死ぬほどサッカー好きなのは知ってたけど、あの店にはテレビないし

月曜モカ子の私的モチーフ  vol.174「烏頭(うとう)」

毎年恒例になっている知り合いの能楽師さんの夏の能を観た。 「烏頭(ウトウ)」という演目は流派によって「善知鳥」と書かれる。鳥の名前。 親鳥が「ウトウ」と声をかけるとひな鳥が「ヤスカタ」と答える。この習性を利用し「ウトウ」と声をかけ雛鳥を捕まえ殺め続けた猟師が、死してなお、地獄でその罪を償わされているという、そしてエンディングまで一つの救いもない演目。「カケリ」と呼ばれる、猟師が鳥を追い詰めている時のリアルな演技と、亡霊となった猟師が化鳥に追い詰められ、家族子供と引き裂かれて、

月曜モカ子の私的モチーフ  vol. 172「北月山荘」

どうしてあの時、そうしたのかわからないけれど、そうした。そしてそれが、とても良かった。そういう理由なき出来事ってある。 なんとなく吸い込まれるように入った蕎麦屋とか、なんとなくいつもと違う道を入って見つけた小さな出会い。そもそもこの出羽三山の旅がそれであったのだけれど、その中でもこの「北月山荘」に宿泊したということは、この旅における大きな「錨(いかり)」の部分であった。そこでカネコさんと出会い、碧ちゃんと出会った、そういったこと。 (Photo by MihoKingo)

月曜モカ子の私的モチーフ  vol.167「ベスフレ、姉になる」

FBのメッセージの受信箱って、最後にこちらが送った文字や最後に向こうが送った文が表示されるのだけど、わたしは土曜日アルバイトBarのFBページも管理していて、そこ宛てに来たメッセージも表示されるのだが、そのメッセージはあるイタリア人から来た「もし12にんだったら?」で止まっている。                                   お店だからFB宛てに予約のメッセージが来ることはほとんどなくて数ヶ月前にボスの知り合いのイタリア人が「明日ランチに大勢で行きたい