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映画「ゴールデンスランバー」

あのカン・ドンウォンさまが出演されているとあらば!もちろん見に行きます!原作は伊坂幸太郎氏の『ゴールデンスランバー』です。日本では堺雅人さんが主演をされていましたね。原作は読んだけれど、すっかり内容を忘れてしまっているワタクシの抜け穴だらけの頭。新鮮な気持ちで見れたから良しとします。

陰謀巻き込まれ系のストーリーです。宅配ドライバーのキム・ゴヌ(カン・ドンウォン)は、配達の途中で人気女性アイドル歌手のスア(キム・ユジョン)を強盗から救ったことで、警察より表彰され「模範市民」「国民の英雄」として有名になります。そのことがきっかけで思わぬ方向に事態が進んでいくのです。

公式サイトの説明書きには「謙虚な姿勢や甘いマスクで話題を呼び、人気がヒートアップ」とありましたね。甘いマスク!はい、その通り!!隠しきれない真実!!原作にはそのような記述はなかったと思われますが、カン・ドンウォンを主役にするということは、甘いマスクとは無縁でいられないため、他に方法がなかったことがよーくわかります。公式さん、ナイス対応!

カン・ドンウォン演じるゴヌは真面目で心優しく、人を裏切るよりは信じて裏切られた方がマシ!という精神を地で行っており、見知らぬ人からの頼み事も断れずにいつも損な役回り。本人はそれがわかっていても特に気にかける様子はなく、そのままの自分を受け入れている。(はぁ~~、一緒に写真撮りたい。心の声ダダ漏れ…)

ある日、高校時代のバンド仲間ムヨルから久しぶりに連絡が入り、配達の合間に会うことになる。その日は次期大統領選挙の大詰めで街は大勢の人でごった返していた。その時、突如、目の前で次期大統領最有力候補者である国民自由党のユ・ヨングクが爆弾テロによって暗殺されたのであった。

その犯人として身に覚えのない罪を着せられたゴヌ。やがて事件の裏に国家権力が潜んでいることを知る。無数の警察に追われるゴヌは、自らの無実を証明することができるのか?

こういった感じのストーリーです。結末はだいたい想像どおりです。しかし、こちらの原作、伊坂幸太郎作品でも「中くらい」の作品(個人調べ)、いまいちパッとしない内容のなのです。なので、映画もパッとしないんですね。面白くないわけではないのでムズムズする感じ。まず、ゴヌがスケープゴートにされる理由が弱いので、終始「??」がつきまとってくるのです。(原作では「おまえ、オズワルドにされるぞ!」という印象的なセリフがあったと思うのですが、映画では抜け落ちてたな)そこが弱いと「国家権力から追われる」というスリリングな部分にも「??」になるので、物語に入り込めないんですね。これが敗因かも!(何様?)

伊坂幸太郎作品はやはり『重力ピエロ』『オーデュボンの祈り』が神!!だと思っております。特に『重力ピエロ』の出だしが秀逸!「春が二階から落ちてきた」。まるで川端康成の『雪国』の出だし「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」並みのインパクト!!この一行で物語にグググ―っと引き込まれてしまって、もう抜け出せない。抜け出せないことの幸せときたら……。未読の人にはぜひ読んでもらいたいです。(伊坂作品は当たり外れが激しいんだよね。小声で個人的な感想です)

映画そして原作の感想としましては、真面目に生きている人がバカを見ない社会……私も望みます。

#映画 #コラム #感想 #ゴールデンスランバー #003 #0126

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